本ページはプロモーションが含まれています

【異色コラボ】MVアグスタ F3 800「メルセデスAMGバージョン」の限定美と性能

ダーク系イエロー「ソーラービーム」に彩られたMVアグスタF3 800 AMGバージョンが、ショー会場でスポットライトを浴びるシーン メルセデス・ベンツ

MVアグスタ「F3 800 メルセデスAMGバージョン」が市販化されなかったのは、公開から2年足らずでメルセデス-AMGとMVアグスタの資本提携そのものが解消されてしまったことが最大の要因だとみられる。

2015年のモーターショーで華々しく披露されながら、量産の話が具体化する前に提携の土台自体が崩れてしまったのだ。

イタリアの名門バイクメーカーMVアグスタと、ドイツの高性能車ブランド、メルセデス-AMG。畑違いの両社が資本提携という本気の形で手を組み、生み出した一台が、なぜ10年近く経った今も語り継がれているのか。

その背景と魅力を、事実をもとに整理していく。

MVアグスタF3 800 メルセデスAMGバージョンとは?

このモデルは、MVアグスタとメルセデス-AMGの資本提携によって実現した、限定公開の特別なコラボレーションバイクである。

きっかけは2014年10月にさかのぼる。

メルセデス-AMGが、イタリアの伝説的バイクメーカーMVアグスタの株式25%を取得することで両社が合意したと発表した。

この一報に、ベンツファンだけでなく世界中のバイクファンが色めき立った。

四輪の高性能ブランドが、二輪の名門と資本レベルで結びつくこと自体が異例だったからだ。

MVアグスタといえば、WGP(ロードレース世界選手権、現在のMotoGPの前身)の歴史に名を刻む超名門ブランドである。

1956年から1973年までの18年間で16回ものメーカータイトルを獲得し、最高峰の500ccクラスでは5人の世界チャンピオンを輩出したと伝えられている。

1976年にレースから撤退したとされるが、その血統は今もブランドの核として残り続けている。

そんなMVアグスタとAMGの提携は、単なる出資にとどまらず、マーケティングや販売面での協業にまで発展した。

その象徴的な成果のひとつが、2015年に登場した「F3 800 メルセデスAMGバージョン」である。

筆者としては、この提携がバイク業界にとって一種の事件だったと感じている。

四輪の超高性能ブランドが二輪の設計思想を取り込もうとした試みは、当時としてはかなり踏み込んだ動きだったといえるだろう。


いつ、どこで発表された?F3 800 AMGバージョンの5W1H

この特別仕様車は、2015年秋にドイツ・フランクフルトで開催された「フランクフルトモーターショー2015」で初披露され、同時期に「東京モーターショー2015」にも展示されたと伝えられている。

つまり、欧州と日本の双方で公開された、グローバル発信の色合いが強いコンセプトモデルだったということになる。

ベースとなったのは、MVアグスタのスーパースポーツモデル「F3 800」だ。

798cc水冷4スト並列3気筒という、同クラスでは珍しいエンジンレイアウトを採用している。

このエンジンは、ツインエンジンのような力強いトルク感と、4気筒エンジンのような伸びやかな吹け上がりを両立させているのが特徴とされる。

本国仕様での最高出力は148ps前後とされており、軽量な車体と組み合わさることで俊敏な走りを実現していた。

このF3 800をベースに、AMGカラーとAMG流のディテールを大胆に纏わせたのが、今回のコラボモデルというわけだ。


なぜ「ソーラービーム」カラーが採用されたのか

このモデル最大の見どころは、なんといってもボディカラーである。

採用されたのは、ダーク系のイエローを基調としたボディに、ブラックのラインを組み合わせたカラーリングだ。

左右のサイドカウルには大きく「AMG」のロゴが入り、一目でコラボモデルと分かる存在感を放っている。

このカラーは、メルセデス-AMGの高級スポーツカー「AMG GT S」に採用されていた特別色「ソーラービーム」がモチーフになっているとされる。

筆者としては、この配色の選び方にこそAMGらしい美学が表れていると感じる。

単に目立つ色を選んだのではなく、自社のフラッグシップスポーツカーの色気をバイクという別ジャンルの乗り物に“翻訳”してみせた点に、ブランドとしての一貫性を感じずにはいられない。

※画像はAIによるイメージ

さらに、このモデルにはカーボン製の前後フェンダーやサイレンサーといったスペシャルパーツが装備されていたと伝えられている。

シートにはブラックレザーが使われ、ボディカラーに合わせたイエローのステッチが入るなど、細部にまで作り込みが徹底されていた。

こうした素材使いとステッチワークの丁寧さは、量産車というよりもコンセプトモデル、あるいはオーダーメイドの一点物に近い仕上がりだったといえるだろう。

この点は、公式な仕様書がすべて公開されているわけではなく、当時の報道や写真をもとに整理した情報である点は留意しておきたい。


AMGとMVアグスタの提携、その後はどうなったのか

このF3 800 AMGバージョンが登場した翌年、2016年にはさらにもう一台のコラボモデルが誕生している。

MVアグスタのネイキッドモデル「ブルターレ800 ドラッグスター」をベースに、F1ドライバーのルイス・ハミルトンとタッグを組んだ「ブルターレ800 ドラッグスターRR LH44」だ。

こちらは世界限定台数を設けた、正真正銘の市販限定モデルとして登場している。

欧州ではAMGのディーラー網でMVアグスタ車両の取り扱いが行われるなど、両社は積極的なマーケティング展開を続けていたとされる。

しかし、この蜜月は長くは続かなかった。

2017年、AMGはMVアグスタの株式を手放し、資本提携はわずか2年あまりで解消されてしまったのである。

つまり、F3 800のメルセデスAMGバージョンは、この短い提携期間の中で生まれた象徴的な存在でありながら、結局は市販化されることなく「幻のモデル」として歴史に刻まれることになった。

なぜ量産化まで進まなかったのか、当時の関係者による正式な理由説明が広く報じられているわけではない。

ただし、コンセプト発表からわずか1年半ほどで資本提携そのものが解消されている時系列を踏まえると、量産化に必要な開発コストの分担や販売網の整備、経営判断の合意形成が、提携解消の動きの中で立ち消えになった可能性が高いと考えられる。

これはあくまで筆者の推測であり、断定できる一次情報が確認できていない点は正直に付記しておきたい。

それでも、ブランド哲学の共鳴と、経営判断としての合理性は必ずしも一致しないという構図は、この一件からはっきり見えてくる。


幻のモデルを再現したカスタム事例

市販されなかったからこそ、このモデルに強く惹かれるファンも少なくない。

実際に、福岡市のカスタムバイクショップが、このオリジナル「ソーラービーム」仕様を再現したカスタム車両を制作したと報じられている。

なお、店舗名や使用パーツのブランド名については情報源によって表記の揺れがあるため、正確な詳細は各店舗の公式発信で確認することをおすすめしたい。

興味深いのは、オーナーの意向でイエロー部分がゴールドに変更され、よりゴージャスな印象に仕上げられている点だ。

フロントフェンダーなど各部にカーボンパーツが配され、アルミビレットパーツにはCNC加工品が採用されたとされる。

バックステップとフェンダーレスキットにはカスタム界隈で知られるブランドの製品が使われ、シートにはブラックレザーとゴールドのステッチを組み合わせるなど、二種類のレザーを使い分けたこだわりの仕立てになっていたと伝えられている。

※画像はAIによるイメージ

こうした再現カスタムの存在自体が、このモデルがいかに多くのファンの心をつかんだかを物語っていると言っていいだろう。

カスタムショップの取り扱い内容や施工事例、料金などは時期によって変動する可能性があるため、興味を持った方は各店舗の公式情報を直接確認していただきたい。


AMGとは?MVアグスタとの提携理由を知るための基礎知識

ここで、コラボの主役の一角であるAMGについても、提携の背景を理解する上で整理しておきたい。

AMGはもともと独立系のチューニングメーカーとして誕生し、1999年にメルセデス・ベンツの傘下に入った。

現在ではメルセデス・ベンツの公式なハイパフォーマンスモデルを手がけるスポーツブランドという位置づけになっている。

多くのAMGモデルは、専属の職人が一人でエンジンを組み上げる「ワンマン・ワンエンジン」方式を採用しており、通常のベンツモデルよりも大幅にパワフルな仕様に仕上げられているのが特徴だ。

走行性能を重視した硬めの足回りや、専用のエアロパーツ、大型ホイールといったスポーティな外観も、AMGならではの持ち味である。

このような「性能とデザインの両方を突き詰める」というAMGのブランド哲学が、MVアグスタというもう一つの高性能ブランドと結びついたからこそ、F3 800のAMGバージョンはあれほど強い存在感を放ったのだと筆者は考える。

余談だが、AMGはMVアグスタとの提携解消後も、二輪メーカーとの接点を完全に断ったわけではない。

イタリアの高性能バイクブランド、ドゥカティともコラボレーションを行った実績があり、四輪ブランドが二輪の世界に関心を寄せる流れそのものは今も続いている。

この点は、今回あらためて調べる中で見えてきた新しい切り口だと感じている。


考察:なぜこのコラボは今も語り継がれるのか

ここからは筆者としての見解を述べたい。

このF3 800メルセデスAMGバージョンが特別なのは、単に見た目が美しいからではない。

四輪と二輪、しかも国もブランド哲学も異なる二社が、資本提携という本気の形で手を組んだという事実そのものに価値があると感じる。

自動車業界でも異業種の資本提携と、その後の解消劇は決して珍しい話ではない。

たとえば、フォルクスワーゲンとスズキは2009年に資本提携を結んだが、経営方針をめぐる対立から関係がこじれ、最終的に国際仲裁を経て2015年に提携を解消している。

四輪同士の提携ですら、思惑の違いから短命に終わることがあるという点で、四輪・二輪という業態の異なるAMGとMVアグスタの提携が2年あまりで終わったのは、むしろ業界の傾向として理解しやすい部分もあると筆者は考えている。

一方で、多くの異業種提携が期間限定のデザインコラボやマーケティング施策にとどまる中、今回のケースは株式取得という踏み込んだ形からスタートした点で、一線を画していると個人的には感じる。

だからこそ、その提携から生まれたF3 800 AMGバージョンには、単なる企業コラボの産物以上の重みが宿っているのではないだろうか。

個人的には、この短命に終わった提携だからこそ、生まれたモデルが一層特別な輝きを放っているようにも思える。

市販化されなかった、つまり「誰も所有できなかった」という事実が、このバイクを単なる工業製品ではなく、ある種の物語の象徴に変えているのではないだろうか。

今後、メルセデス・ベンツやAMGが再び二輪メーカーと手を組む可能性はゼロではないだろう。

先述のドゥカティとの過去のコラボ実績、さらにVWとスズキのように一度こじれた関係が業界内で繰り返し起こり得ることを踏まえると、四輪と二輪の垣根を越えた提携そのものへの関心は業界内に根強く残っていると考えられる。

もし今後、新たなコラボモデルが登場するとすれば、EV化が進む二輪業界の中で、また違った形の融合が見られるかもしれない。

筆者としては、その動向を引き続き注視していきたいと考えている。


まとめ

MVアグスタ「F3 800 メルセデスAMGバージョン」は、2014年のMVアグスタとメルセデス-AMGの資本提携を背景に、2015年のフランクフルトモーターショーおよび東京モーターショーで発表されたコラボレーションモデルである。

798cc並列3気筒エンジンを積むF3 800をベースに、AMG GT S譲りの「ソーラービーム」カラーとカーボンパーツを纏った特別な一台だったが、2017年のAMGによる株式売却とともに市販化には至らなかった。

提携そのものが短期間で解消されたことが、量産化を見送る大きな要因になったとみられる。

その希少性と美しさゆえに、今なおファンの間で語り継がれ、国内のカスタムショップによる再現車両まで生まれている。

まさに「幻のコラボモデル」と呼ぶにふさわしい存在だと言えるだろう。


よくある質問

F3 800 メルセデスAMGバージョンは市販されたのですか?

いいえ、市販はされていない。2015年のモーターショーで公開されたコンセプトモデルにとどまり、正式な発売には至らなかった。

なぜ市販化されなかったのですか?

公式な理由説明は広く報じられていないが、公開からわずか1年半ほどでAMGとMVアグスタの資本提携そのものが解消されたことが、量産化を見送る大きな要因になったとみられる。

AMGとMVアグスタの資本提携はいつまで続いたのですか?

2014年10月に株式25%取得が発表され、2017年にAMGが株式を手放したことで、およそ2年あまりで提携は解消された。

タイトルとURLをコピーしました