プリウスPHV Aプレミアムは本革が標準ですが、ナビ・給電・充電装備は年式で変わります。
2017年型は4人乗り・11.6インチナビ・急速充電・1500W電源が特徴で、2019年以降は5人乗りとシートベンチレーション、2021年型は8インチディスプレイオーディオが要点です。
本稿では、トヨタの2017年2月版、2019年5月版、2021年6月版の主要装備一覧表と、各年の公式発表を照合しました。確認日は2026年8月4日です。
プリウスPHV Aプレミアムの標準装備は?年式別の結論
プリウスPHV Aプレミアムに共通する核は、本革シート、運転席8ウェイパワーシート、電動ランバーサポート、前席の快適温熱シート、ステアリングヒーター、カラーヘッドアップディスプレイ、BSMです。
一方、乗車定員、シートベンチレーション、ナビ、AC100V・1500W電源、急速充電、V2H、パノラミックビューモニターは、年式によって標準・オプションの扱いが変わります。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
年式別の主要装備一覧
主な項目 2017年2月発売型 2019年5月改良型 2020年7月改良型 2021年6月改良型
乗車定員 4人 5人 5人 5人
シート表皮 本革 本革 本革 本革
運転席パワーシート 8ウェイ標準 8ウェイ標準 8ウェイ標準 8ウェイ標準
快適温熱シート 前席標準 前席標準 前席標準 前席標準
シートベンチレーション 設定記載なし 前席標準 前席標準 前席標準
ステアリングヒーター 標準 標準 標準 標準
カラーHUD 標準 標準 標準 標準
BSM 標準 標準 標準 標準
RCTA 設定なし 標準 標準 標準
画面・ナビ 11.6インチナビ標準 ナビパッケージのみ11.6インチ標準 ナビパッケージのみ11.6インチ標準 8インチディスプレイオーディオ標準
AC100V・1500W電源 標準 メーカーオプション 全車標準 全車標準
急速充電 標準 V2H付きでメーカーオプション V2H付きでメーカーオプション V2H付きでメーカーオプション
パノラミックビューモニター 設定なし ナビパッケージに標準 ナビパッケージに標準 Aプレミアムではメーカーオプション
標準ホイール 15インチ 15インチ 15インチ 15インチ
この表で最も大切なのは、「Aプレミアムなら全部付き」という理解は正しくないという点です。
たとえば、2019年5月以降の5人乗りAプレミアムでも、通常仕様には11.6インチナビがなく、1500W電源やV2H付き急速充電も装着されていない個体があります。トヨタ自動車WEBサイト+1
Aプレミアムの本革は全面が天然皮革とは限らない
公式の主要装備一覧表では、Aプレミアムのシート表皮は「本革」と記載されています。
ただし注記では、本革シートの一部に人工皮革が使われることが示されています。「本革」というグレード表記だけを見て、シート全面が天然皮革だと判断しないほうが安全です。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
中古車で見るべき場所は、名称よりも状態です。
運転席のドア側サイドサポート、座面前端、背もたれの縫い目、パンチング部分を確認してください。走行距離が短い車でも、短距離利用で乗り降りを繰り返していれば、運転席だけ摩耗が進んでいる場合があります。
シートベンチレーションは2019年5月以降
2017年2月版の主要装備一覧表には、シートベンチレーションの記載がありません。
2019年5月版では、Aプレミアムに運転席・助手席のシートベンチレーションが標準装備されています。したがって、送風機能を重視するなら、基本的には2019年5月改良後の5人乗りを探すことになります。トヨタ自動車WEBサイト+1
中古車広告では「シートエアコン」と表記されることがありますが、トヨタの正式な装備名はシートベンチレーションです。
冷房装置で冷気を作る機能ではなく、シート内部の送風によって背中や座面の蒸れを軽減する装備として理解すると、期待とのずれを防げます。
前期・後期の違いは?4回の節目で整理
プリウスPHV Aプレミアムは、「前期」「後期」という二分だけでは装備差を説明しきれません。
中古車選びでは、2017年2月、2019年5月、2020年7月、2021年6月という4つの節目で見ると、仕様を判断しやすくなります。
2017年2月型は4人乗りで上級装備をまとめて標準化
50系プリウスPHVは、2017年2月15日にフルモデルチェンジして発売されました。
発売時のAプレミアムは4人乗りで、型式はDLA-ZVW52、当時のメーカー希望小売価格は税込422万2,800円です。後席中央には大型センターコンソールがあり、中央席そのものがありません。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
2017年型Aプレミアムには、次の装備が標準で組み込まれていました。
- 11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステム
- 普通充電と急速充電に対応する充電インレット
- AC100V・1500Wアクセサリーコンセント
- 本革シート
- 運転席8ウェイパワーシート
- 電動ランバーサポート
- 前席快適温熱シート
- ステアリングヒーター
- カラーヘッドアップディスプレイ
- BSM
- アダプティブハイビームシステム
11.6インチナビと急速充電は、当時のSを除くグレードに標準装備されていました。Aプレミアムだけの専用装備ではありませんが、1500W電源まで標準でそろう点は、初期型Aプレミアムの特徴です。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
一方、17インチアルミホイールとJBLプレミアムサウンドシステムはメーカーオプションです。
15インチホイールだからAプレミアムではない、JBLがないから下位グレードだ、という判定はできません。
2019年5月型は5人乗りとベンチレーションが焦点
2019年5月9日の一部改良では、乗車定員が4人から5人へ変更されました。
さらに、リヤクロストラフィックアラート、パノラミックビューモニター、V2H付き急速充電インレットが新たに設定され、DCMは全車標準となっています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
Aプレミアムには前席シートベンチレーションが標準装備されました。
革シートは高級感がある一方、夏場には表面温度や蒸れが気になりやすいものです。僕はこの改良を、装飾を増やした変更ではなく、革の弱点を機能で補った改良だと評価しています。
注意したいのが、通常の「Aプレミアム」と「Aプレミアム“ナビパッケージ”」の違いです。
2019年5月時点のメーカー希望小売価格は、Aプレミアムが税込381万4,560円、ナビパッケージが426万6,000円でした。11.6インチナビとパノラミックビューモニターを求めるなら、ナビパッケージかどうかを確認する必要があります。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
2019年型では、AC100V・1500W電源は全車一律のメーカーオプションでした。
つまり、5人乗り、本革、ベンチレーションがそろっていても、1500WコンセントがないAプレミアムは存在します。トヨタ自動車WEBサイト
2020年7月型は安全装備と1500W電源を強化
2020年7月1日の一部改良では、Toyota Safety Senseの機能が更新されました。
プリクラッシュセーフティの検知対象に夜間の歩行者と昼間の自転車運転者が加わり、レーントレーシングアシスト、ロードサインアシスト、先行車発進告知機能も採用されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
インテリジェントクリアランスソナー、すなわちパーキングサポートブレーキの静止物対応も全車標準となりました。
さらに、AC100V・1500WのアクセサリーコンセントがプリウスPHV全車に標準化されています。2019年型と2020年型を分ける、実用上の大きな目印です。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
2020年改良時のAプレミアムは税込393万3,000円、Aプレミアム“ナビパッケージ”は439万2,000円でした。
同じ5人乗りで外観もよく似ていますが、2019年5月型と2020年7月型では、予防安全機能と1500W電源の標準化に差があります。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
2021年6月型は8インチディスプレイオーディオへ変更
2021年6月3日の一部改良では、プリウスPHVに8インチディスプレイオーディオが標準装備されました。
AプレミアムとAには「ナノイー」も標準化されています。Aプレミアムの当時の新車価格は税込401万円、型式は6LA-ZVW52です。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
8インチディスプレイオーディオは、Bluetooth、USB、Miracastに加え、Apple CarPlay、Android Autoなどのスマートフォン連携に対応します。
ただし、ディスプレイが付いていることと、車載ナビ機能が使えることは同じではありません。T-Connectナビキットまたはエントリーナビキットは別の設定なので、地図画面が表示できるかを現車で確認してください。トヨタ自動車WEBサイト
2021年型では、パノラミックビューモニターはAプレミアムの標準装備ではなく、メーカーオプションです。
「最終型だから全周囲カメラも標準」とは限りません。装備欄だけでなく、実際のカメラ映像とスイッチを確認する必要があります。トヨタ自動車WEBサイト
AプレミアムとAの違いは?2021年型で比較
2021年型では、Aにも安全・快適装備が豊富に標準化されています。
AプレミアムとAの決定的な差は、安全装備の数よりも、本革、シートベンチレーション、内装の仕立てです。
2021年型の主な装備 Aプレミアム A
シート表皮 本革 ファブリック
運転席8ウェイパワーシート 標準 標準
電動ランバーサポート 標準 標準
快適温熱シート 標準 標準
シートベンチレーション 標準 なし
ステアリングヒーター 標準 標準
カラーHUD 標準 標準
アダプティブハイビームシステム 標準 標準
BSM・RCTA 標準 標準
シンプルインテリジェントパーキングアシスト 標準 標準
8インチディスプレイオーディオ 標準 標準
AC100V・1500W電源 標準 標準
パノラミックビューモニター メーカーオプション メーカーオプション
2021年6月版の公式装備表を再照合すると、AHS、BSM、RCTA、カラーHUD、シンプルインテリジェントパーキングアシストは、AプレミアムとAの双方に標準装備されています。トヨタ自動車WEBサイト
そのため、「安全装備を増やしたいからAプレミアムを選ぶ」という考え方は、2021年型には当てはまりにくいでしょう。
Aプレミアムに支払う対価は、主として本革の触感、シートベンチレーション、内装材の質感にあります。
革の状態が悪ければAのほうが合理的なこともある
中古車では、グレードの上下と車両状態の良し悪しを分けて考える必要があります。
本革がひび割れ、運転席サイドがつぶれ、ベンチレーションが正常に作動しないAプレミアムより、ファブリックがきれいで保証の整ったAのほうが、所有後の満足度は高くなる可能性があります。
僕が重視するのは、装備の名称より、その装備が運転時間に何を残すかです。
背中の蒸れが減ること、腰を支える位置を細かく調整できること、視線を大きく下げずに速度を確認できること。Aプレミアムの価値は、派手な加飾よりも、身体に積み重なる小さな負担を減らす点にあります。
2017年型のAレザーパッケージにも注意
前期型には、AプレミアムのほかにA“レザーパッケージ”が設定されていました。
Aレザーパッケージにも本革シート、運転席8ウェイパワーシート、電動ランバーサポートが装備されているため、本革と電動シートだけではAプレミアムと判別できません。トヨタ自動車WEBサイト
2017年型では、1500W電源がAプレミアムには標準、Aレザーパッケージにはメーカーオプションでした。
装備の組み合わせだけで推測せず、車検証、保証書、整備記録簿を確認し、必要に応じて販売店へ正式仕様の照会を依頼してください。
ナビ・1500W電源・急速充電・V2Hの見分け方
プリウスPHV Aプレミアムで誤解されやすいのは、標準装備、メーカーオプション、販売店装着品が混在していることです。
メーカーオプションは新車生産時に組み込まれるため、後から純正同等の状態で追加することが難しい装備があります。
11.6インチナビは前期型とナビパッケージの装備
2017年型のAプレミアムには、縦型11.6インチT-Connect SDナビが標準装備されています。
2019年5月以降は、11.6インチナビが付くのはAプレミアム“ナビパッケージ”です。通常のAプレミアムはオーディオレスを基本とします。トヨタ自動車WEBサイト+1
2021年6月以降は、11.6インチナビではなく8インチディスプレイオーディオが標準です。
つまり、プリウスPHVでは「画面が大きいほど新しい」とは限りません。縦型11.6インチは初期から中期、横型8インチは最終期を見分ける手掛かりになります。
中古車では、次の項目を実際に操作してください。
- 画面の焼け、表示むら、傷
- タッチ操作の反応
- Bluetooth接続
- バックカメラまたは全周囲カメラの表示
- 音声出力と各スピーカー
- ナビキットの有無
- スマートフォン連携
- エアコン操作部を含む周辺スイッチ
ナビは道を示す機械であると同時に、その車が生まれた時代を映す窓でもあります。
11.6インチの縦長画面には、車内の機能を大画面へ集約しようとした2017年の未来観があり、8インチディスプレイオーディオには、スマートフォンを中心に据えた2021年の思想があります。
1500W電源は2019年型だけ特に注意
AC100V・1500Wアクセサリーコンセントの扱いは、次のように変わります。
- 2017年型Aプレミアム:標準装備
- 2019年5月型:メーカーオプション
- 2020年7月以降:全車標準装備
したがって、2019年5月から2020年6月ごろまでの車両では、Aプレミアムでも1500W電源が付いていない可能性があります。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
実車では、車内のコンセント、給電スイッチ、ヴィークルパワーコネクターの付属を確認してください。
中古車の付属品は途中で紛失していることもあるため、「新車時に標準だった」という資料上の事実と、「現車に付属している」という状態は分けて考えます。
急速充電とV2Hは別の確認項目
2017年型Aプレミアムには急速充電が標準装備されていますが、2019年に導入されたV2H付き急速充電とは仕様が異なります。
V2H付き急速充電インレットは2019年5月改良でメーカーオプション設定されました。住宅へ電力を供給するには、対応車両に加えて、別売りのV2H機器が必要です。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
1500W電源は、ヴィークルパワーコネクターや車内コンセントを通じて電気製品へ給電する機能です。
V2Hは、車両の駆動用バッテリーと住宅側設備をつなぎ、家庭用電力として活用する仕組みです。「1500WコンセントがあるからV2Hにも対応する」とは判断できません。

パノラミックビューモニターも年式と仕様名を見る
パノラミックビューモニターは、2019年5月改良で新たに設定されました。
2019年時点では、Aプレミアム“ナビパッケージ”、A“ナビパッケージ”、S“ナビパッケージ”に標準装備されています。通常のAプレミアムには標準ではありません。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
2021年型では、AプレミアムとAにメーカーオプションとして設定されています。
中古車広告の「全周囲カメラ」という表現だけで判断せず、純正パノラミックビューモニターなのか、後付けカメラなのかも確認してください。トヨタ自動車WEBサイト
中古のAプレミアムで確認すべき装備と作動チェック
中古車で重要なのは、装備表に名前があることではなく、目の前の一台に装着され、正常に作動していることです。
なお、本稿は公式資料の照合を中心としており、整備工場への故障事例取材や修理費調査は行っていません。根拠のない故障頻度や修理金額は示さず、購入前に確認できる作動項目に絞ります。
1.4人乗りか5人乗りかを最初に確認する
2019年5月改良前は4人乗り、改良後は5人乗りです。
ただし、初度登録が2019年だからといって、必ず5人乗りとは限りません。改良前に生産された在庫車が、改良後に登録されている可能性があるためです。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
後席中央に大型コンソールがあれば4人乗りです。
車検証の乗車定員、後席形状、販売店の車両情報を照合してください。
2.本革とベンチレーションを実際に確かめる
2019年5月以降のAプレミアムでは、前席シートベンチレーションが標準装備です。
スイッチを入れ、風量の切り替え、作動音、座面と背もたれの送風を確認します。短時間では分かりにくいため、停車状態で数分間作動させると判断しやすくなります。トヨタ自動車WEBサイト+1
本革では、運転席の外側サイドサポート、座面前端、パンチング部分を見ます。
擦れだけでなく、深いしわ、ひび、硬化、補修跡、左右席の色差も確認してください。
3.HUD、BSM、RCTAを警告灯まで見る
カラーヘッドアップディスプレイは、表示位置と明るさを調整し、文字のにじみや二重映りがないかを確認します。
フロントガラス交換歴がある場合は、HUD対応ガラスが使われているか、販売店へ確認を依頼すると安心です。
BSMとRCTAは、ドアミラーのインジケーターだけでなく、メーター内の設定画面と警告表示も確認します。
センサーやカメラを使う装備は、事故修復やバンパー交換後の状態によって点検や調整が必要になる場合があるため、修復歴と整備記録も合わせて見たいところです。
4.ナビとカメラは全機能を一度動かす
2017年型の11.6インチナビ、2019年以降のナビパッケージ、2021年型の8インチディスプレイオーディオでは、操作体系が異なります。
画面が点灯するだけで正常と判断せず、タッチ操作、地図、音声、Bluetooth、USB、バックカメラ、ステアリングスイッチを一通り試してください。
2021年型では、8インチ画面が標準でもナビキットが装着されていない個体があります。
普段スマートフォンの地図を使うのか、車載ナビを使うのかによって必要な仕様が変わります。購入後に毎日触れる部分だからこそ、見た目より操作の相性が大切です。
5.充電口と付属ケーブルを確認する
普通充電ケーブルの有無、ケーブルの傷、コネクターの状態、充電口ロック、インジケーターを確認します。
急速充電またはV2H対応車では、普通充電口とは別の急速充電インレットがあるため、充電リッド内の形状が判断材料になります。
V2H利用を目的とする場合は、車両だけで決めてはいけません。
住宅側機器との適合、設置条件、工事内容を、V2H機器の施工業者や販売店へ事前に確認してください。
6.1500W電源と付属品を確認する
とくに2019年5月型では、Aプレミアムでも1500W電源がメーカーオプションです。
コンセント、給電スイッチ、ヴィークルパワーコネクター、取扱説明書の有無を確認してください。トヨタ自動車WEBサイト
装備がある場合も、使用できる電気製品や合計消費電力には条件があります。
使用前には車両の取扱説明書を確認し、発熱機器や医療機器などは、各機器メーカーが示す注意事項にも従う必要があります。
7.整備記録と保証範囲を確認する
プリウスPHVには、エンジン、モーター、駆動用バッテリー、普通充電系統、車載電装品が組み合わされています。
多機能だから故障しやすいと断定することはできませんが、Aプレミアムは電動シート、ベンチレーション、HUDなど確認項目が多いため、一つずつ作動を見る意味があります。
整備記録簿では、定期点検、リコール・サービスキャンペーンへの対応、補機バッテリー、タイヤ、ブレーキ、充電ケーブルの記録を確認してください。
中古車保証についても、駆動用バッテリー、充電機構、ナビ・ディスプレイ、シート電装品、内装表皮のどこまで対象になるかを、契約前に書面で確認することが大切です。
プリウスPHV Aプレミアムを選ぶ価値をどう考える?
ここからは、自動車ライターとしての私見です。
Aプレミアムの意味は、年式とともに少しずつ変化しています。
2017年型は、11.6インチナビ、急速充電、1500W電源までまとめて標準化した「技術を束ねた最上級仕様」でした。
ところが2019年以降は、ナビや給電、カメラの一部がパッケージまたはオプションへ分かれます。その一方で、本革とシートベンチレーションがAプレミアムの明確な軸になりました。
そして2021年型では、AにもAHS、HUD、BSM、RCTA、パワーシート、温熱シート、1500W電源がそろいます。
Aプレミアムは、先進装備を独占するグレードから、人の身体が車に触れる時間を上質にするグレードへ性格を変えた、と僕は考えています。
速度や航続距離は数字として比較できます。
けれど、背中に残る熱、腰の位置、冬のステアリングの冷たさ、視線を動かす距離は、装備表の数字にはなりにくいものです。
Aプレミアムが減らしてくれるのは、運転中に積み重なる小さな不快です。
その価値を感じる人にとって、本革とベンチレーションは見栄ではありません。長い時間を静かに支える、身体のための装備になります。
一方、革の質感や送風機能を重視しないなら、装備が近いAを選び、車両状態や保証へ予算を回す考え方も合理的です。
最良の年式は一つではありません。
- 4人乗りの独立感と11.6インチナビを求めるなら2017年型
- 5人乗りとシートベンチレーションを求めるなら2019年5月以降
- 安全機能と1500W電源の標準化を重視するなら2020年7月以降
- スマートフォン連携を重視するなら2021年6月以降
選ぶべきなのは、装備数が最も多い車ではありません。
自分の暮らしで使う装備が、正しい仕様で、きちんと動いている一台です。
まとめ
プリウスPHV Aプレミアムには、本革シート、運転席8ウェイパワーシート、電動ランバーサポート、前席快適温熱シート、ステアリングヒーター、カラーHUD、BSMなどが標準装備されます。
ただし、全年式の装備内容は同じではありません。
2017年型は4人乗りで、11.6インチナビ、急速充電、1500W電源がAプレミアムに標準です。
2019年5月以降は5人乗りとなり、前席シートベンチレーションが追加されましたが、11.6インチナビはナビパッケージ、1500W電源とV2H付き急速充電はメーカーオプションです。
2020年7月以降はToyota Safety Senseが強化され、1500W電源が全車標準となりました。2021年6月以降は8インチディスプレイオーディオが標準です。
中古車では、グレード名だけで判断しないでください。
乗車定員、ナビの種類、ベンチレーション、1500W電源、急速充電・V2H、パノラミックビューモニターを現車で確認し、整備記録と保証範囲まで含めて選ぶことが大切です。
参照した一次資料と調査範囲
- トヨタ自動車「プリウスPHV 主要装備一覧表」2017年2月版、p.1。トヨタ自動車WEBサイト
- トヨタ自動車「プリウスPHV 主要装備一覧表」2019年5月版、p.1。トヨタ自動車WEBサイト
- トヨタ自動車「プリウスPHV 主要装備一覧表」2021年6月版、p.1。トヨタ自動車WEBサイト
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスPHVをフルモデルチェンジ」2017年2月15日発表。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスPHVを一部改良」2019年5月9日発表。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
- トヨタ自動車「プリウスならびにプリウスPHVの安全・安心機能を強化」2020年7月1日発表。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
- トヨタ自動車「プリウスならびにプリウスPHVを一部改良し、ディスプレイオーディオを標準装備」2021年6月3日発表。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
本稿では公式資料に記載された標準装備とメーカーオプションを基準にしています。
特別仕様車、ウェルキャブ、販売店装着品、社外品、登録時期による仕様差は個別に確認してください。また、今回は実車分解調査や整備士への故障事例取材を実施していないため、故障頻度や修理費は断定していません。
よくある質問
プリウスPHV Aプレミアムは4人乗りですか、5人乗りですか?
2019年5月改良前は4人乗り、改良後は5人乗りです。
初度登録年月だけでは判別できない場合があるため、車検証の乗車定員と後席中央の形状を確認してください。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
シートベンチレーションは全年式に標準ですか?
全年式ではありません。
2017年2月版の装備表には記載がなく、2019年5月以降のAプレミアムには運転席・助手席のシートベンチレーションが標準装備されています。トヨタ自動車WEBサイト+1
11.6インチナビはすべてのAプレミアムに付きますか?
付きません。
2017年型Aプレミアムでは標準ですが、2019年5月以降はAプレミアム“ナビパッケージ”の装備です。2021年6月以降は8インチディスプレイオーディオへ変更されています。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
AC100V・1500W電源は標準装備ですか?
2017年型Aプレミアムでは標準、2019年5月型ではメーカーオプション、2020年7月以降は全車標準です。
とくに2019年5月から2020年6月ごろの車両は、コンセントとヴィークルパワーコネクターの有無を実車で確認してください。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
AプレミアムとAでは安全装備に大きな差がありますか?
2021年型では大きな差はありません。
AにもAHS、HUD、BSM、RCTA、パワーシート、温熱シートなどが標準装備されます。Aプレミアムを選ぶ主な理由は、本革シート、シートベンチレーション、内装の仕立てです。トヨタ自動車WEBサイト
執筆:高坂 遼(自動車ライター|ドライビング・フィロソファー|モーターストーリーテラー)

