50系プリウスPHV(ZVW52)は、年式・タイヤ・充電装備によって実用性が大きく変わる車です。
中古車選びの重要な分岐点は、2019年5月の5人乗り化、2020年7月の安全・給電機能強化、2021年6月のディスプレイオーディオ標準化。車名だけで判断せず、年式、乗車定員、タイヤ、充電口をセットで確認する必要があります。
50系プリウスPHV(ZVW52)とは?結論5点を早見表で確認
50系プリウスPHVは、2017年2月15日に発売された型式ZVW52のプラグインハイブリッド車です。
1.8Lエンジン、2基のモーター、総電力量8.8kWhのリチウムイオン電池を組み合わせ、外部充電した電気を使い切った後もハイブリッド車として走行できます。発売時の車両型式はDLA-ZVW52、後期モデルの主要諸元表では6LA-ZVW52と記載されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
まず押さえておきたい結論は、次の5点です。
- 標準車のボディサイズは全長4,645mm、全幅1,760mm、全高1,470mm
- 2019年5月8日以前の仕様は4人乗り、同年5月9日発売の改良型から5人乗り
- 2021年モデルのEV走行距離は15インチ車が60km、17インチ車が50km
- 普通充電時間は200V・16Aで約2時間20分
- 急速充電、V2H、ソーラー充電は年式や装備構成によって有無が異なる
2021年6月版の主要諸元表を基準に、標準車の代表的な数値をまとめると次のとおりです。角括弧内はメーカーオプションの215/45R17タイヤ装着車に適用されます。トヨタ自動車WEBサイト+3トヨタ自動車WEBサイト+3トヨタ自動車WEBサイト+3
項目 2021年6月モデルの内容
車両型式 6LA-ZVW52
ボディ 5ドア
駆動方式 前輪駆動・FF
全長×全幅×全高 4,645×1,760×1,470mm
ホイールベース 2,700mm
最低地上高 130mm
乗車定員 5名
最小回転半径 5.1m[17インチ車は5.4m]
エンジン 1.8L直列4気筒・2ZR-FXE
駆動用電池 リチウムイオン電池・8.8kWh
燃料タンク 43L
WLTCモード燃費 30.3km/L[26.2km/L]
EV走行距離 60km[50km]
標準タイヤ 195/65R15
17インチ仕様 215/45R17
普通充電 AC200V・16Aで約2時間20分
カタログの燃費やEV走行距離は、定められた試験条件で測定された国土交通省審査値です。気温、エアコン、速度、坂道、充電状態、運転方法によって実際の走行距離は変わります。
また、トヨタの資料ではPHEVとPHVは同じものを指すと明記されています。「プリウスPHV」と「プリウスPHEV」は仕組みの違いではなく、主に世代や販売時期を見分ける呼称として使われています。トヨタ自動車WEBサイト
僕の評価では、50系プリウスPHVを理解するうえで大切なのは「8.8kWhの電池を積んだプリウス」とだけ見ないことです。
この車は、乗車定員、ホイール、急速充電口、給電機能まで含めて性格が決まります。同じZVW52でも、選ぶ個体によって暮らしへのなじみ方はかなり違うのです。
ZVW52のサイズと主要スペックは?15・17・18インチの違い
標準ボディの全長は4,645mm、全幅は1,760mm、全高は1,470mmです。
ホイールベースは2,700mm、最低地上高は130mm。全幅1,760mmは、現代の普通乗用車として極端に大きくはありませんが、幅1,800mm制限の機械式駐車場では数値上の余裕が合計40mmしかありません。トヨタ自動車WEBサイト
カタログ値が駐車場の制限以下でも、入庫できるとは限りません。
機械式駐車場では、全長、全幅、全高だけでなく、車両重量、タイヤ外幅、最低地上高、パレットの内寸、ドアミラー格納時の幅などが判定対象になります。管理会社には、車検証の数値とタイヤサイズまで伝えて確認するのが安全です。
15インチは効率と取り回しを優先した仕様
195/65R15タイヤを装着する2021年モデルは、WLTCモード燃費30.3km/L、EV走行距離60km、最小回転半径5.1mです。
タイヤの側面に厚みがあるため、17インチや18インチに比べれば段差の衝撃を受け流しやすく、交換用タイヤも探しやすい傾向があります。カタログ上の電費と小回り性能を重視するなら、15インチが最も素直な選択です。トヨタ自動車WEBサイト+1
僕は15インチ仕様を、50系プリウスPHVの設計思想が最も澄んで見える仕様だと考えています。
派手さは控えめですが、電気を丁寧に使い、狭い道を穏やかに抜け、日常の移動を軽くする。その車本来の役割と、タイヤの選択がよく一致しています。
17インチは外観と効率の交換条件を理解する
メーカーオプションの215/45R17タイヤ装着車は、WLTCモード燃費26.2km/L、EV走行距離50km、最小回転半径5.4mとなります。
15インチ車と比べると、カタログ上のEV走行距離は10km短く、最小回転半径は0.3m大きくなります。ホイールの存在感や操舵時の応答感を優先する代わりに、効率と小回り性能の一部を差し出す構成です。トヨタ自動車WEBサイト+1
仕様 15インチ標準車 17インチ装着車 S“GR SPORT”
タイヤ 195/65R15 215/45R17 225/40R18
全長 4,645mm 4,645mm 4,685mm
最低地上高 130mm 130mm 125mm
最小回転半径 5.1m 5.4m 5.4m
WLTC燃費 30.3km/L 26.2km/L 同一条件の比較値は別途確認
EV走行距離 60km 50km 同一条件の比較値は別途確認
15インチと17インチの燃費およびEV走行距離は、同じ2021年6月版主要諸元表に掲載された値です。一方、S“GR SPORT”は架装車として別の主要諸元表が用意されているため、同じ表の数値をそのまま当てはめてはいけません。トヨタ自動車WEBサイト+1
なお、2021年6月版では、215/45R17タイヤとソーラー充電システムは同時装着できないと記載されています。
中古車ではホイールだけが後から交換されている場合もあるため、見た目だけでメーカーオプション装着車と判断せず、装備記録や新車時の注文書を確認したいところです。トヨタ自動車WEBサイト+1
GRスポーツは全長と最低地上高が異なる
プリウスPHVのS“GR SPORT”は、2017年9月19日に発売されたGRシリーズ初期の一台です。
専用バンパー、専用スポーティシート、GR専用パワースイッチなどに加え、2021年版では225/40R18タイヤ、専用チューニングサスペンション、剛性向上部品、専用ブレーキキャリパーが掲載されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
ボディサイズは全長4,685mm、全幅1,760mm、全高1,470mm。標準車より全長が40mm長く、最低地上高は5mm低い125mmです。車両重量は1,550kg、最小回転半径は5.4mとなります。トヨタ自動車WEBサイト
僕はGRスポーツを、単なるドレスアップ仕様とは見ていません。
効率を象徴するPHVへ、姿勢の安定感や操舵の手応えを加えたモデルです。ただし、低扁平タイヤの交換費用、輪止めや急勾配への接触リスク、小回り性能まで受け入れてこそ、その個性を楽しめます。
50系プリウスPHVの年式違いは?変更日と確認方法
年式差で最も重要なのは、2019年5月、2020年7月、2021年6月です。
2019年に乗車定員とV2H、2020年に安全装備と外部給電、2021年にオーディオ周辺の構成が変わりました。中古車では「登録年」だけでなく、改良前後の仕様と実際の装備を照合してください。
変更時期 変更前 変更後・追加内容 中古車での確認方法
2017年2月15日 旧型PHV ZVW52発売、4人乗り、8.8kWh電池 車両型式、車検証、後席中央
2017年9月19日 標準車のみ S“GR SPORT”追加 バンパー、18インチ、型式
2018年1月8日 通常グレード 特別仕様車3種類を追加 グレード名、装備記録
2019年5月9日 4人乗り 5人乗り、V2H設定、DCM標準化 車検証の定員、充電口
2020年7月1日 従来Safety Sense 検知対象拡大、給電機能強化 センサー、装備表、取説
2021年6月3日 ナビパッケージ中心 8インチDA標準、構成整理 画面、ナビキット、車台情報
2017年2月の発売時は4人乗り
2017年2月15日に発売された初期型は、後席中央に大型コンソールを備えた4人乗りです。
発売時のJC08モードEV走行距離は68.2km、HV走行燃費は37.2km/L。200V、100V、急速充電、ソーラー充電という複数の充電方法が用意されました。急速充電はSを除く車両に標準装備され、Sにはオプション設定でした。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
4人乗りは欠点だけで語るべきではありません。
後席左右が独立し、中央コンソールを挟んだ空間には、一般的な5人乗りセダンとは異なる落ち着きがあります。普段の乗車人数が2~4人に限られるなら、初期型は価格と装備の組み合わせによって買い得になる可能性があります。
ただし、車検証上の乗車定員を超えて人を乗せることはできません。
子どもの友人を送る、親を同乗させるといった生活の変化が考えられるなら、安さだけで4人乗りを選ばない方がよいでしょう。
2018年1月には3種類の特別仕様車を設定
2018年1月8日には、次の特別仕様車が発売されました。
- S“Safety Plus”
- S“ナビパッケージ・Safety Plus”
- A“Utility Plus”
S系の2仕様には、インテリジェントクリアランスソナーとシンプルインテリジェントパーキングアシストを特別装備。S“Safety Plus”には急速充電インレットとナビレディセット、S“ナビパッケージ・Safety Plus”には1,500WアクセサリーコンセントとETC2.0ユニットが加えられました。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
A“Utility Plus”はAをベースに、1,500WアクセサリーコンセントとETC2.0ユニットを装備しています。
発売時の税込価格は、S“Safety Plus”が332万5,320円、S“ナビパッケージ・Safety Plus”が373万320円、A“Utility Plus”が382万9,680円でした。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
この特別仕様車は、名称が長いため中古車情報で省略されやすいのが注意点です。
僕なら「Safety Plusという名前が書かれているか」より、急速充電口、アクセサリーコンセント、駐車支援機能が実車に付いているかを一つずつ確かめます。名称より装備の方が、購入後の生活を直接変えるからです。
2019年5月に4人乗りから5人乗りへ変更
2019年5月9日の一部改良では、乗車定員が4名から5名へ変更されました。
同時に、急速充電インレットを利用するV2H機能がオプション設定され、専用通信機DCMが全車に標準搭載されました。リヤクロストラフィックアラートやパノラミックビューモニターも新たに設定されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
V2Hは、車載電池の電気を住宅へ供給するだけではありません。
住宅の太陽光発電などで生じた余剰電力を車両へ蓄える使い方も想定されていました。ただし、別売りのV2H機器が必要であり、車両側に対応する急速充電インレットが付いていなければ利用できません。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
家族利用を前提とするなら、2019年5月以降は大きな節目です。
5人目の席が加わっただけでなく、車が「移動する道具」から「住宅と電気をやり取りする設備」へ一歩近づいた改良だったと、僕は考えています。
2020年7月に安全装備と外部給電を強化
2020年7月1日の一部改良では、Toyota Safety Senseの検知対象が夜間歩行者と昼間自転車運転者へ拡大されました。
レーントレーシングアシスト、ロードサインアシスト、先行車発進告知機能が加わり、パーキングサポートブレーキは全車標準装備となりました。販売店装着オプションの専用キーを使う「プラスサポート」もトヨタ車として初採用されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
さらに、AC100V・1,500Wの外部給電機能が全車標準装備となり、ソーラー充電システムは全グレードで選択可能になりました。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
安全装備を重視するなら、僕は2020年7月以降を優先候補にします。
運転支援機能は事故を完全に防ぐ装置ではありません。それでも、夜間の歩行者や昼間の自転車を検知対象へ加えたこと、駐車時の踏み間違い対策を全車へ広げたことには、中古車として年式差以上の意味があります。
2021年6月はディスプレイオーディオを標準化
2021年6月3日の一部改良では、プリウスPHVに8インチディスプレイオーディオが標準装備されました。
AプレミアムとAには「ナノイー」が標準化され、車両価格帯は338万3,000円から401万円と発表されています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
ただし、ディスプレイオーディオが付いていても、車載ナビ機能がそのまま利用できるとは限りません。
2021年6月版の装備表では、車載ナビを使うにはT-Connectナビキットやエントリーナビキットなどが必要とされています。ディスプレイオーディオレス仕様を選択した車両では、DCMやバックガイドモニターなどが非装着になる組み合わせもあります。トヨタ自動車WEBサイト
中古車店では、画面が点灯するかを見るだけでは不十分です。
地図表示、スマートフォン連携、バックカメラ、音声操作、通信サービスを実際に操作し、自分が必要とする機能が残っているか確認してください。
充電装備・新車価格・ボディカラーはどう違う?
50系プリウスPHVでは、普通充電は基本装備ですが、急速充電、V2H、ソーラー充電の扱いが年式ごとに変化しています。
車両右側に充電リッドがあるからといって、すべての車が急速充電やV2Hに対応するわけではありません。リッドを開け、普通充電用と急速充電用のインレットが両方あるかを確認する必要があります。
普通充電・急速充電・V2Hの違い
2017年発売時の充電時間は、駆動用電池の残量がほぼない状態から、AC200V・16Aで約2時間20分、AC100V・6Aで約14時間。急速充電対応車は約20分で約80%まで充電できると発表されました。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
装備 主な用途 優先したい利用者
普通充電 自宅や勤務先で日常的に充電 毎日決まった場所へ駐車する人
急速充電 外出先で短時間に補充 長距離移動や公共充電を使う人
AC100V・1,500W給電 家電へ電力を供給 レジャー、停電対策を重視する人
V2H 車と住宅の間で電力をやり取り 太陽光発電や住宅給電を活用する人
ソーラー充電 駐車中に太陽光で発電 屋外駐車時間が長い人
2021年6月版装備表では、普通充電+急速充電インレットのV2H対応仕様が7万7,000円、ソーラー充電システムが28万6,000円のメーカーオプションとして掲載されています。215/45R17タイヤとソーラー充電システムは同時装着できません。トヨタ自動車WEBサイト+2トヨタ自動車WEBサイト+2
急速充電を優先すべきなのは、自宅充電ができない人とは限りません。
むしろ自宅充電がなく、公共の急速充電器だけを頼りにすると、充電場所までの移動や待ち時間が負担になりやすい面があります。急速充電は、日常の基盤というより、遠出や予定変更を支える補助線として考えた方が自然です。
V2Hも同様です。
車両側の対応だけでは使えず、住宅側の機器、設置工事、契約条件が必要になります。中古車購入前に、自宅へV2H機器を設置できるかを施工会社へ相談しなければ、車両装備を生かせない可能性があります。
ソーラー充電は家庭充電の代わりではない
2017年発売時、ソーラー充電システムは、駐車中に最大約6.1km分、平均約2.9km分の走行電力を1日で発電できる試算として紹介されました。
これは名古屋地区の日射量などを前提としたJC08モード電費換算値であり、天候、季節、駐車方向、建物の影によって発電量は変わります。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
ソーラールーフの価値は、太陽光だけで毎日の走行をすべて賄うことではありません。
停車している時間を、わずかながらエネルギーへ変えること。その静かな積み重ねに魅力を感じる人のための装備です。
中古車ではルーフの外観だけでなく、発電履歴の表示、警告灯、修復歴、シール部分の状態も確認してください。
発売時価格は装備と税率を含めて読む
新車時の価格推移を整理すると、単純な値上げだけではないことが分かります。
発売・改良時期 税込価格帯・代表価格
2017年2月 326万1,600円~422万2,800円
2018年1月・特別仕様車 332万5,320円~382万9,680円
2019年5月 317万8,440円~426万6,000円
2020年7月 331万3,000円~439万2,000円
2021年6月 338万3,000円~401万円
2017年はS、S“ナビパッケージ”、A、A“レザーパッケージ”、Aプレミアムを設定。2019年には5人乗り化後のS、S“セーフティパッケージ”、各ナビパッケージ、A、Aプレミアムなどが用意されました。2021年にはナビパッケージ中心の構成が整理され、価格上限も変化しています。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+3トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+3トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+3
ただし、2017年と2019年は消費税8%、2020年と2021年は10%の価格です。
標準装備の増減、グレード整理、税率が異なるため、「後期型は初期型より何万円高い」と価格だけで単純比較するのは正確ではありません。中古車では、新車時価格よりも現在の装備状態、保証、電池点検、修復歴を優先すべきです。
ボディカラーは生産時期とグレードを確認する
50系プリウスPHVには、スピリテッドアクアメタリック、エモーショナルレッド、サーモテクトライムグリーンなど、PHVらしい鮮やかな色が用意されました。
2019年の公式画像では、エモーショナルレッドⅡ、ダークブルーマイカ、グレーメタリック、スピリテッドアクアメタリックなども確認できます。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
ただし、これらは全期間・全グレードで共通ではありません。
カタログ改訂による色の追加や廃止、グレード別設定、メーカーオプション色があります。補修や全塗装の可能性もあるため、カラーコードは助手席側センターピラーなどのコーションプレートで確認してください。
僕は50系プリウスPHVの色選びに、その時代の空気がよく表れていると感じます。
効率だけを追うなら、車体は無彩色でもよかったはずです。それでもトヨタは、青や赤、明るいグリーンを用意した。電動化を我慢ではなく、少し未来へ踏み出す高揚として見せようとしたのだと思います。

どの年式を選ぶべき?利用条件別の評価とまとめ
最適な50系プリウスPHVは、年式の新しさではなく、乗車人数、充電環境、安全装備、駐車場の条件で決まります。
ここからは、トヨタの一次資料を照合したうえでの僕の評価です。実車計測や特定車両の長期使用結果ではなく、公開された諸元と装備差から中古車としての適性を判断しています。
価格を抑え、4人乗りで困らないなら2017~2018年
普段の乗車人数が4人以下で、後席中央席を必要としないなら、初期型は候補になります。
特に2018年のS“Safety Plus”は、急速充電インレットや駐車支援装備を含むため、通常のSより装備内容を読みやすい仕様です。価格だけでなく、特別仕様車の装備が残っているかを確認してください。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
初期型を買うときは、年式の古さそのものより、充電回数、保管環境、定期点検の履歴を見るべきです。
満充電時の航続可能距離表示だけでは、駆動用電池の状態を正確に断定できません。販売店へ点検記録、保証範囲、警告履歴、普通充電と急速充電の作動確認を依頼しましょう。
5人乗りとV2Hを求めるなら2019年5月以降
5人で乗る可能性がある家庭は、2019年5月以降が前提です。
V2H対応車を探す場合は、年式だけで判断せず、急速充電インレットの有無とV2H対応装備を確認してください。2019年モデルだから自動的にV2H付きになるわけではありません。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
僕が2019年型に感じる魅力は、50系の個性的なデザインを保ちながら、家族車としての制約を減らした点です。
初期型のパーソナルな4座空間から、より多くの暮らしを受け入れる5座へ。車の思想が少し社会へ開かれた年式といえます。
安全装備と給電を重視するなら2020年7月以降
夜間歩行者や昼間自転車運転者への対応、パーキングサポートブレーキ、1,500W外部給電を重視するなら、2020年7月以降が選びやすいでしょう。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
親世代と車を共有する家庭、駐車時の踏み間違い対策を重視する人、停電時に車から電気を取り出したい人に向いています。
ただし、支援機能の有無だけで安心してはいけません。
フロントガラスやバンパーの交換歴、カメラやレーダー周辺の修復、警告灯、エーミング作業の履歴も確認してください。装置は付いていることより、正しく働ける状態であることが重要です。
オーディオ周辺を分かりやすく選ぶなら2021年6月型
2021年6月型は、8インチディスプレイオーディオを標準化し、従来のナビパッケージ中心の構成を整理しています。
中古車の商品説明を比較しやすい一方、ナビキットや通信契約の有無によって利用できる機能が変わります。購入前の実機確認は欠かせません。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
最終期に近い車両は高年式という安心感がありますが、それだけで状態が優れているとは限りません。
短距離走行の繰り返し、長期間の放置、充電ケーブルの欠品など、使われ方による差があります。年式は入口であり、状態こそが答えです。
15インチ・17インチ・GRスポーツは生活道路で選ぶ
効率、小回り、タイヤ費用を優先するなら15インチ。
外観と操舵の応答を重視するなら17インチ。専用の足回りと強い個性を求めるならGRスポーツが候補になります。
僕なら、通勤や買い物が中心で狭い道を走る人には15インチを勧めます。
17インチや18インチの魅力は、停車しているときにも伝わります。しかし、車は眺める時間より、暮らしの角を曲がる時間の方が長い。毎日の切り返しや段差で生まれる小さな負担まで想像して選びたいところです。
自宅充電できない場合はPHVの価値を再確認する
50系プリウスPHVの大きな魅力は、外部から充電した電気を日常走行に使えることです。
自宅や勤務先で定期的に充電できなければ、ハイブリッド走行の割合が増え、8.8kWhの電池と充電機能を十分に生かしにくくなります。
反対に、200V充電設備があり、毎日の移動距離がEV走行可能距離に収まる家庭では、エンジンを始動する頻度を減らせる可能性があります。
まず「PHVが欲しい」と考えるのではなく、1日に何km走るのか、夜間にどこへ駐車するのか、コンセントから車まで何mあるのかを書き出してください。
カタログの数字が暮らしの輪郭に重なったとき、PHVは初めて本来の力を見せます。
まとめ
50系プリウスPHV(ZVW52)の標準車は、全長4,645mm、全幅1,760mm、全高1,470mm。2021年の15インチ仕様はWLTCモード燃費30.3km/L、EV走行距離60km、17インチ仕様は26.2km/L、50kmです。
年式差では、2019年5月の5人乗り化、2020年7月の安全・外部給電機能強化、2021年6月の8インチディスプレイオーディオ標準化が大きな節目となります。
急速充電、V2H、ソーラー充電は、年式だけでなく個体ごとの装備確認が必要です。車検証、充電口、装備表、点検記録、実機操作を照合してください。
この記事で主に照合した一次資料は、次のとおりです。
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスPHVをフルモデルチェンジ」2017年2月15日発表
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスPHVにサポカーS<ワイド>の特別仕様車を設定」2017年12月25日発表
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスPHVを一部改良」2019年5月9日発表
- トヨタ自動車「TOYOTA、プリウスならびにプリウスPHVの安全・安心機能を強化」2020年7月1日発表
- トヨタ自動車「プリウスにブラックカラーの特別仕様車を設定」2021年6月3日発表
- トヨタ自動車「プリウスPHV 主要諸元表・主要装備一覧表」2021年6月版、主要諸元表P114~116、GR SPORT主要諸元表P151~152 トヨタ自動車WEBサイト+5トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+5トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+5
カタログは、車を選ぶための地図です。
けれど最後に確かめるべきなのは、数字の美しさではありません。駐車場の幅、家族の人数、毎日の走行距離、充電ケーブルを差し込む夜の風景。その暮らしの中で、無理なく呼吸できる一台かどうかです。
よくある質問
50系プリウスPHVは何人乗りですか?
2017年2月の発売時は4人乗りです。2019年5月9日の一部改良以降は5人乗りになりました。
中古車写真だけでは判断しにくい場合があるため、車検証の「乗車定員」と後席中央のシートベルトを確認してください。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
EV走行距離が60kmと68.2kmの2種類あるのはなぜですか?
測定モードと年式が異なるためです。
2017年型の68.2kmはJC08モード、2021年型15インチ車の60kmはWLTCモードです。2021年型の17インチ車はWLTCモードで50kmとなります。数字だけを直接比較せず、測定モードとタイヤサイズを確認してください。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
急速充電口はどこを確認すればよいですか?
車両右側の充電リッドを開け、普通充電用とは別に急速充電用インレットがあるか確認します。
中古車では装備表、新車時注文書、取扱説明書の対象年式も照合してください。2017年発売時はSを除く車両に標準、Sにはオプション設定でした。後年も装備構成によって異なります。トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト+1
DLA-ZVW52と6LA-ZVW52は別の世代ですか?
どちらも50系プリウスPHVのZVW52です。
DLAや6LAは型式指定上の記号を含む表記で、発売時期によって異なります。装備内容は型式の先頭記号だけで決めつけず、初度登録年月、車台番号、乗車定員、グレードを併せて確認してください。
中古車で最初に確認すべき装備は何ですか?
優先順位は、乗車定員、急速充電・V2H対応、タイヤサイズ、1,500W外部給電、ナビ・ディスプレイオーディオの順です。
その後に駆動用電池の点検記録、充電ケーブル、警告履歴、修復歴、保証内容を確認すると、カタログと実車の食い違いを減らせます。
執筆:高坂 遼(自動車ライター|ドライビング・フィロソファー|モーターストーリーテラー)

