50系プリウスPHVは、自宅充電・定員・荷室・雪道条件が合わない人ほど、中古購入後に後悔しやすい車です。
対象は2017年2月に発売されたZVW52型、いわゆる50系プリウスPHVです。現行の60系プリウスPHEVとは、EV走行距離、動力性能、荷室設計、装備体系が異なります。
この記事では、デメリット7つに加え、2019年5月9日の一部改良前後の違い、中古相場、狙い目年式、駆動用バッテリー、修理費、充電工事まで具体的に解説します。
50系プリウスPHVのデメリット7選とは?
50系プリウスPHVの弱点は、燃費性能が低いことではありません。
充電場所、乗車人数、荷物量、雪道環境という生活条件を強く選ぶことが、最大の注意点です。
デメリット 公式情報・確認できる事実 中古購入時の確認方法
車両価格が高め 2017年発売時のSは326万1,600円 通常プリウスとの差ではなく支払総額で比較
自宅充電できないと利点が薄い 200V満充電は約2時間20分 駐車場所、専用回路、充電頻度を確認
外出先充電が割高になり得る 急速充電は約20分で約80% 現在の料金、月額料、待ち時間を計算
荷室が小さく床が高い 容量は後席使用時360Lとされる 普段の荷物を実際に積む
改良前モデルは4人乗り 2019年5月9日の一部改良で5人化 車検証の乗車定員と後席中央を確認
E-Fourを選べない 全車が前輪駆動 雪道、坂道、生活道路の条件を整理
中古車ごとの仕様差が大きい 改良時期で安全・給電装備が異なる 初度登録だけでなく現車装備を照合
2017年2月発売時の50系プリウスPHVは、8.8kWhのリチウムイオン電池を搭載し、JC08モードで68.2kmのEV走行距離を実現しました。AC200V・16Aでは満充電まで約2時間20分、AC100V・6Aでは約14時間、一部仕様の急速充電では約20分で約80%まで充電できます。
ただし、68.2kmは一定の試験条件で測定されたJC08モード値です。
エアコンの使用、気温、速度、急加速、上り坂、駆動用バッテリーの状態によっては、電池残量があってもエンジンが始動します。毎日必ず68.2kmを電気だけで走れるという意味ではありません。
※主要諸元の出典:トヨタ自動車「Toyota Launches Redesigned “Prius PHV” in Japan」(2017年2月15日)、「プリウスPHV主要諸元表 2017年2月版」。確認日:2026年8月5日。
50系プリウスPHVで中古購入後に後悔する7つの理由
1.通常の50系プリウスより購入総額が高くなりやすい
2017年2月発売時の50系プリウスPHV「S」は、消費税8%込みで326万1,600円でした。
一方、通常の50系プリウス「S」は、2015年12月発売時に247万9,091円です。発売時期が異なるため厳密な同時比較ではありませんが、エントリーグレード同士では約78万円の差がありました。
中古車になると、この価格差は縮まります。
しかし、50系プリウスPHVでは、車両本体以外に次の費用が発生する可能性があります。
- 200V充電用コンセントの設置工事
- 分電盤から駐車場までの専用配線
- 欠品している充電ケーブルの調達
- 補機バッテリーやタイヤの交換
- 保証対象外となる高電圧部品への備え
- 急速充電口や普通充電口の修理
- 古いナビや通信サービスへの対応
たとえば、車両の支払総額が150万円でも、充電工事を仮に8万円、補機バッテリーを3万円、タイヤを8万円と見込めば、購入初年度の負担は169万円になります。
これは相場を示した数字ではなく、車両価格だけで判断しないための試算例です。工事費や部品価格は住宅条件、商品、販売店によって変わります。
50系プリウスPHVのモーター走行には、住宅街を滑るように抜けていく静けさがあります。
けれど、その静けさを日常的に使わない人にとって、PHVの価格差は、使わない機能へ支払った費用になりかねません。
2.自宅や勤務先で充電できないとPHVの魅力が薄い
50系プリウスPHVは、外部から充電しなくても走行できます。
駆動用電池の残量が少なくなると、エンジンとモーターを使うハイブリッド走行へ自動的に移行するためです。
問題は、充電しなくても走れることと、充電しなくても買う価値が変わらないことは別だという点です。
2017年型の車両重量は、グレードやオプションによっておおむね1,510~1,550kgです。大容量電池と充電装置を搭載した分、通常のプリウスより重くなっています。
購入前に確認するべきなのは、「近所に充電器があるか」ではありません。
- 週に何回、自宅または勤務先で充電できるか
- 帰宅時に毎回ケーブルを接続できるか
- 分電盤から駐車場所まで配線できるか
- 集合住宅や月極駐車場で工事許可を得られるか
- 引っ越し後も同じ環境を維持できるか
- ケーブルを雨や盗難から守れるか
Panasonicは、EV・PHV充電設備の工事費について、分電盤からの配線距離、契約電力量、基礎工事などの設置条件で変わるため、住宅会社や電気工事業者への相談が必要だと案内しています。
つまり、ネット上の「コンセント工事は○万円」という数字だけでは、自宅の費用を判断できません。
車両を契約する前に、現地調査を伴う見積もりを取り、専用回路、アース、漏電遮断器、配線経路まで確認するのが安全です。
100V充電に対応しているからといって、一般的な延長コードや変換アダプターを使ってよいわけではありません。
コンセントが存在することと、長時間の車両充電に耐えられる設備であることは、まったく別の話です。

3.外出先の急速充電は料金と時間で不利になる場合がある
50系プリウスPHVは、一部仕様で急速充電に対応しています。
2017年発売時の公式値では、約20分で駆動用電池の約80%まで充電できます。
便利な機能ですが、急速充電を使えば必ずガソリンより安くなるわけではありません。
料金が時間制の場合、次の要素が重なります。
- 充電スポットまでの迂回距離
- 先客がいる場合の待ち時間
- 充電サービスの月額基本料
- 1回または1分当たりの利用料
- 施設の駐車料金
- 充電後に得られる実走行距離
たとえば、充電そのものが20分でも、スポットへの移動、認証、待機を含めて40分かかれば、失うのは料金だけではありません。
僕は、外出先充電では「1km当たりの電気代」に加えて「1kmを補給するために使った時間」も費用として考えるべきだと思っています。
買い物、食事、宿泊中に普通充電できるなら、その時間はほとんど負担になりません。
反対に、充電だけを目的に高速道路を降りたり、空くまで車内で待ったりする運用では、節約できた燃料費より時間の損失が大きくなる可能性があります。
充電サービスの料金や提供条件は変更されます。購入時点で利用予定のサービス公式情報を確認してください。
4.荷室容量が小さく、床が高い
50系プリウスPHVは、大容量の駆動用電池を荷室床下に搭載しています。
そのため、通常の50系プリウスと比べて荷室床が高く、背のある荷物を積みにくい設計です。
自動車専門媒体CARPRIMEによる実車解説では、後席使用時の荷室容量は360L、後席を倒した状態では最大1,200Lとされています。荷室寸法は、後席使用時で奥行き約854mm、最大幅約1,360mm、高さ約533mmと紹介されています。
荷室容量は測定方法や仕様による違いがあるため、数字だけで判断するのは危険です。
とくに影響を受けやすい荷物は次のとおりです。
- A型や大型のベビーカー
- 高さのあるクーラーボックス
- 大型スーツケース
- キャンプ用収納ボックス
- 複数本のゴルフバッグ
- 車いすや歩行補助具
- ペット用の大型クレート
容量が360Lあっても、床が高いと、箱の上部がバックドアガラスやトノカバーに干渉します。
中古車販売店では、荷室を目で見るだけでなく、普段使う荷物の寸法を測り、可能なら現物を持ち込んでください。
僕が荷室で重視するのは、カタログ上のリットル数よりも、持ち上げる高さ、開口部、床面、バックドアの傾斜がつくる立体的な余白です。
クルマの荷室は、数字ではなく、生活の形を飲み込めるかどうかで決まります。
5.2019年5月9日の一部改良前モデルは4人乗り
ここは中古購入で最も間違えやすいポイントです。
50系プリウスPHVは、2017年式や2018年式だけが4人乗りなのではありません。
2019年5月9日に発売された一部改良車より前の仕様が4人乗りで、改良車以降が5人乗りです。したがって、2019年に登録された車両でも、改良前仕様なら4人乗りになり得ます。
改良前モデルの後席中央には、通常の座席ではなく、大型センターアームレストが設けられています。
中古車情報に「2019年式」と書かれていても、次を確認しなければ判別できません。
- 車検証に記載された乗車定員
- 後席中央の座面形状
- 中央席用シートベルトの有無
- 中央席用ヘッドレストの有無
- 販売店が示す改良前・改良後の根拠
2019年5月9日の一部改良では、乗車定員が4人から5人へ変更されました。
同時に、V2H対応機能、リヤクロストラフィックアラート、パノラミックビューモニターなどの設定も拡大されています。ただし、これらは全車一律装備ではなく、グレードやオプションによって異なります。
夫婦や1~2人で使うなら、4人乗りでも困らないかもしれません。
しかし、子ども3人、友人の送迎、祖父母を含む移動が一度でも想定されるなら、使えない中央席は小さくない制約です。
6.E-Fourを選べず、全車が前輪駆動
50系プリウスPHVの駆動方式は前輪駆動です。
通常の50系プリウスには電気式4WDのE-Fourが設定された仕様がありますが、50系プリウスPHVには設定されていません。
FFでも、適切な冬用タイヤを装着し、路面に合わせた速度で走れば、雪道を走行できる場面はあります。
ただし、次の条件では4WD車との比較が必要です。
- 豪雪地域に住んでいる
- 除雪前の早朝に出発する
- 自宅や職場に急な坂がある
- 冬季にスキー場へ頻繁に行く
- 凍結した峠道を避けられない
- 深い雪が残る生活道路を走る
4WDは、曲がる性能や止まる性能を万能に高める装備ではありません。
それでも、滑りやすい坂道から発進するとき、駆動輪が増えることには明確な意味があります。
雪国での安心を最優先する人にとって、50系プリウスPHVは「燃費がよいから」という理由だけで選ぶべき車ではありません。
7.年式・装備・バッテリー状態の差が大きい
50系プリウスPHVの中古車は、外観が似ていても中身が同じではありません。
2017年発売時には、11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステムがSを除くグレードに標準設定されました。先進的な縦型画面ですが、物理スイッチが少なく、空調やナビ操作の手順が合わない人もいます。
2020年7月の一部改良では、Toyota Safety Senseの検知対象拡大、レーントレーシングアシスト、ロードサインアシスト、パーキングサポートブレーキの全車標準化などが行われました。
同時に、プリウスPHVではAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントと外部給電機能が全車標準装備になっています。
中古車では、グレード名だけで装備を決めつけないでください。
- 急速充電口
- V2H対応
- ソーラー充電システム
- パノラミックビューモニター
- ブラインドスポットモニター
- リヤクロストラフィックアラート
- AC100V・1500W電源
- 充電ケーブル
- Toyota Safety Senseの機能
- 純正ナビと通信機能
これらは、年式、改良時期、グレード、メーカーオプションによって変わります。
同じ「A」でも、装備表を照合しなければ、欲しかった機能が付いていない可能性があります。
50系プリウスPHV中古の相場と狙い目年式は?
2026年8月5日にグーネットのZVW52型掲載ページを確認したところ、掲載価格帯は90.9万~390.5万円でした。
ただし、この幅には低走行車、GR SPORT、上級グレード、カスタム車などが含まれます。価格帯の上限と下限だけでは、一般的な購入予算を判断できません。
掲載車の具体例には、次のような個体がありました。
- 2017年式A、走行7.9万km、支払総額124.2万円
- 2017年式Sナビパッケージ、走行8.9万km、支払総額143.4万円
- 2018年式Aプレミアム、走行7.5万km、支払総額189.9万円
- 2019年式Sセーフティパッケージ、走行6.8万km、支払総額174.9万円
いずれも確認時点の掲載車であり、在庫、価格、保証条件は変動します。
この調査から見えるのは、50系プリウスPHVの価格が年式や走行距離だけで決まらないことです。
11.6インチナビ、革内装、GR SPORT、急速充電口、保証期間、販売店の整備内容によって、同年式でも数十万円の差が生まれます。
価格を優先するなら改良前モデル
2017年から2019年5月9日の一部改良前までの車両は、比較的価格を抑えやすい選択肢です。
主に1~2人で乗り、4人乗りでも困らず、初期型の安全装備で納得できる人には候補になります。
ただし、登録から年数が経っているため、駆動用電池、補機バッテリー、タイヤ、充電口、ケーブル、足回りまで含めて確認してください。
実用性とのバランスなら2019年5月改良車以降
5人乗りを必要とするなら、2019年5月9日の一部改良車以降が基本です。
V2H対応機能やパノラミックビューモニターなどの選択肢も増えていますが、装着は仕様ごとに異なります。
2019年登録車には改良前車が混在し得るため、「2019年式だから5人乗り」と判断せず、車検証を確認してください。
安全装備を優先するなら2020年7月改良車以降
2020年7月改良車以降は、Toyota Safety Senseの機能向上やパーキングサポートブレーキの全車標準化が大きなポイントです。
価格は上がりやすいものの、家族が運転する場合や、駐車時の支援機能を重視する場合には有力です。
中古車選びでは、「新しい年式だから安心」と考えるのではなく、価格差に対して欲しい機能が増えているかを見てください。
駆動用バッテリーと修理費はどう確認する?
50系プリウスPHVの中古購入で、最も金額の大きな不安になりやすいのが駆動用リチウムイオンバッテリーです。
トヨタは、ハイブリッド車の駆動用バッテリーには寿命がある一方、使用方法や走行条件で差が生じるため、一律の交換時期を示していません。新車時の駆動用バッテリーは特別保証の対象で、保証期間は新車登録から5年間、または走行距離10万kmの早い方までです。
2026年8月時点では、2017~2020年ごろの車両の多くが5年を超えています。
ただし、年数を超えたから直ちに交換が必要になるわけではなく、後期の低年式車では保証期間が残っている場合もあります。
購入時は、少なくとも次の項目を販売店へ確認してください。
車両と高電圧系
- 警告灯や故障コードの有無
- 駆動用電池に関する診断結果
- 絶縁異常や充電異常の履歴
- 普通充電と急速充電の動作
- 充電口の割れ、腐食、端子の損傷
- 満充電後のEV走行状態
- 冷却用吸入口周辺の汚れ
- リコールやサービスキャンペーンの実施状況
一般的な中古車点検
- 補機バッテリーの電圧と交換歴
- タイヤの製造年と残り溝
- ブレーキの摩耗や固着
- ショックアブソーバーからの漏れ
- 床下、サブフレーム、配管の腐食
- CFRP製バックドア周辺の修復状態
- 点検記録簿と修復歴
- 水没や浸水の痕跡
付属品と保証
- 純正または適合する充電ケーブル
- 200V用プラグと100V用コードの有無
- ケーブルの被覆傷、変形、発熱跡
- 中古車保証で駆動用電池が対象になるか
- 保証の免責額と修理上限額
- 代車、レッカー、遠方故障時の対応
満充電時に表示されるEV走行可能距離だけでは、劣化率を正確に判定できません。
表示距離は、直近の運転、気温、暖房や冷房の使用状況によって変わるためです。

修理費について、トヨタは車両状態、部品価格、工賃が異なるため、全国一律の駆動用バッテリー交換価格を公開していません。
民間の中古車・整備事業者が2026年に公開した目安では、ZVW52型の純正新品交換を50万~60万円程度、リビルト品を15万~25万円程度、補機バッテリーを2万~4万円程度としています。
ただし、これはトヨタ公式価格ではなく、店舗独自の参考相場です。診断結果、部品供給、工賃、保証内容によって変わるため、購入判断にはディーラーと高電圧部品に対応する専門店の見積もりを使ってください。
僕なら、車両価格が10万円安い無保証車より、次の条件を満たす個体を選びます。
- 診断内容を書面で示せる
- 充電動作を現車で確認できる
- 保証対象部品が明記されている
- 高額修理時の上限額が分かる
- 納車前整備の交換部品が明確である
中古PHEVでは、走行距離の少なさより、何を点検し、故障時に誰が負担するのかが見えることのほうが安心につながります。
電気代とガソリン代で元は取れる?
50系プリウスPHVは、自宅で充電できる割合が高いほど、経済性を生かしやすくなります。
2017年型の公式値では、AC200V・16A充電時の一充電消費電力量は6.47kWh、EV走行距離はJC08モードで68.2kmです。
以下は、条件を固定した単純な試算です。
走行方法 仮定 68.2km相当の費用 1km当たり
自宅充電 31円/kWh 約201円 約2.9円
自宅充電 40円/kWh 約259円 約3.8円
外出先充電 1回500円 500円 約7.3円
ガソリン 175円/L・実燃費30km/L 約398円 約5.8円
自宅充電の計算式は「6.47kWh×電力量単価」です。
ガソリン走行は「68.2km÷30km/L×175円」で計算しています。
これは、実際の費用を保証するものではありません。
68.2kmはJC08モード値であり、冬の暖房、高速走行、上り坂、バッテリー状態によって実走行距離は短くなります。電気料金、ガソリン価格、充電料金も変動します。
購入前には、僕が「充電可能率」と呼んでいる数字を出してみてください。
充電可能率=自宅や勤務先で補給した電力によって走れる距離÷年間総走行距離
たとえば年間1万kmのうち、8,000kmを自宅充電によるEV走行へ置き換えられるなら、充電可能率は80%です。
一方、週末の遠出が中心で、自宅充電によって走れる距離が年間2,000kmなら20%です。
この割合が低いほど、PHVの価格差、充電工事費、大容量電池を生かしにくくなります。
50系プリウスPHVは、「ガソリン代だけで必ず元が取れるクルマ」ではありません。
毎朝、自宅で充電された状態から出発できること、短距離を静かに走れること、遠出ではガソリンで走り続けられること。その組み合わせに価値を感じる人のためのクルマです。
50系プリウスPHVを買うべき人・やめたほうがよい人
50系プリウスPHVを買って満足しやすいのは、次のような人です。
- 自宅または勤務先で日常的に普通充電できる
- 1日の走行距離が数十km程度
- 主に1~2人で乗る
- 荷物が比較的少ない
- FFで困らない地域に住んでいる
- 静かで滑らかな走行感を好む
- 年式ごとの装備差を確認できる
- 長距離ではHV走行を自然に使い分けられる
反対に、次の条件では通常プリウスや別のPHEV、4WD車も比較するべきです。
- 自宅にも勤務先にも充電設備がない
- 5人乗車を頻繁に行う
- ベビーカーやキャンプ用品を常時積む
- 豪雪地域で4WDを必要とする
- 強い加速やスポーティな走りを最優先する
- 外出先で毎回充電しなければ損だと感じる
- バッテリー診断や保証確認を省略したい
契約前の確認は、次の3群に分けると整理しやすくなります。
車両
- 型式がZVW52であること
- 車検証の乗車定員
- 改良前・改良後の仕様
- 荷物を積んだ状態でのバックドア開閉
- 坂道と合流を含む試乗
- 床下腐食、修復歴、浸水歴
充電環境
- 自宅充電設備の現地見積もり
- 充電ケーブルの付属と動作
- 普通充電口と急速充電口の状態
- 契約する電気料金プラン
- 外出先充電サービスの料金
保証と装備
- 駆動用電池の診断内容
- 中古車保証の対象部品
- 保証上限額と免責
- Toyota Safety Senseの機能
- V2H、急速充電、ソーラーの有無
- リコール対応履歴
僕が考える50系プリウスPHV最大のデメリットは、「プリウス」という名前が、誰にでも合う合理的な車だと思わせてしまうことです。
通常のプリウスは、充電を意識せず、比較的大きな荷室を使い、E-Fourも選択できます。
50系プリウスPHVは、それより個人的です。
充電する場所を持ち、使う席数を理解し、荷物を選び、FFを受け入れた人に、静かなEV走行という時間を返してくれます。
条件が合えば、早朝の住宅街をエンジン音なしで離れ、長距離ではガソリンを使って遠くまで走れます。
条件が合わなければ、高い荷室床、使わない充電口、座れない5人目、保証の切れた電池が目につくでしょう。
筆者としては、購入前に問うべきなのは「PHVは得か」ではないと考えています。
自分の一週間に、何回充電でき、何人を乗せ、何を積み、どの道を走るのか。
その答えが具体的なら、50系プリウスPHVの制約は、納得して受け入れられる個性になります。
答えが曖昧なら、通常のプリウスや荷室の広いPHEV、E-Fourを備えた車のほうが、暮らしと穏やかに歯車がかみ合うはずです。
まとめ
50系プリウスPHVの主なデメリットは、購入総額の高さ、自宅充電への依存、外出先充電の費用と時間、360Lとされる荷室、改良前モデルの4人乗り、E-Four非設定、中古車ごとの装備・電池状態の差です。
とくに注意したいのは、4人乗りの区分を年式だけで判断しないことです。
2019年5月9日の一部改良車から5人乗りになったため、2019年登録車でも改良前仕様なら4人乗りになり得ます。必ず車検証と後席中央を確認してください。
中古相場は幅が広く、安い車両ほど得とは限りません。
充電工事、タイヤ、補機バッテリー、高電圧部品の保証まで含めた総額と、診断結果を書面で説明できる販売店かどうかで判断することが大切です。
50系プリウスPHVは、欠点の多いプリウスではありません。
充電できる生活と静かな移動を好む感性が重なったとき、本来の魅力を発揮する、少し繊細で美しい選択肢です。
よくある質問
50系プリウスPHVは充電しなくても走れますか?
走行できます。
駆動用電池の残量が少なくなると、エンジンとモーターを使うハイブリッド走行へ移行します。ただし、充電しない使い方では、PHVの大容量電池やEV走行性能を生かしにくくなります。
50系プリウスPHVは何年式から5人乗りですか?
正確には、2019年5月9日に発売された一部改良車から5人乗りです。
年式や初度登録年月だけでは判断せず、車検証に記載された乗車定員と、後席中央のシートベルト、ヘッドレスト、座面を確認してください。
50系プリウスPHVに4WDはありますか?
ありません。
50系プリウスPHVは全車が前輪駆動です。積雪地域や冬の山道で4WDを必要とする場合は、通常プリウスのE-Fourや別のPHEVも比較してください。
駆動用バッテリーの保証は何年ですか?
トヨタの新車時特別保証は、新車登録から5年間または走行距離10万kmの早い方までです。
中古車保証が付く場合は、駆動用バッテリーが対象か、容量低下だけでも保証されるか、免責や修理上限額があるかを書面で確認してください。
執筆:高坂 遼(自動車ライター|ドライビング・フィロソファー|モーターストーリーテラー)

