プリウスPHV/PHEVに純正4WDはなく、歴代すべて前輪駆動の2WDです。
外部充電を優先するならPHEV、雪道で後輪の駆動力を重視するなら、通常のプリウスHEVに設定される電気式4WD「E-Four」が比較対象になります。
中古車サイトで「プリウスPHV 4WD」と検索して4WD車が表示されても、通常のプリウスE-Fourが混在している可能性があるため、正式車名・型式・駆動方式の確認が必要です。
プリウスPHVに4WDはある?結論を比較表で確認
2026年8月4日時点で、日本国内向けのプリウスPHVおよびプリウスPHEVに、メーカー純正の4WDは設定されていません。
2012年発売の初代プリウスPHV、2017年発売の2代目プリウスPHV、2023年発売の現行プリウスPHEVは、すべて前輪駆動の2WD・FFです。
一方、外部充電機能を持たない通常のプリウスHEVには、前輪駆動の2WDに加えて、後輪をモーターで駆動する「E-Four」が設定されています。
まずは、両車の違いを簡潔に整理します。
比較項目 プリウスPHEV プリウスHEV・E-Four
駆動方式 2WD・前輪駆動のみ 電気式4WD
外部充電 可能 不可
後輪駆動用モーター なし あり
日常での強み EV走行距離、静粛性、力強い加速 雪道や滑りやすい坂での発進補助
向いている人 自宅などで充電できる人 冬も坂道・未除雪路を走る人
現行型の代表型式 6LA-MXWH61 MXWH65、ZVW65など
ここで重要なのは、PHEVとE-Fourのどちらが上かではなく、何を優先するかが異なるという点です。
PHEVは、外部から充電した電気を日常走行へ使うことに価値があります。
E-Fourは、前輪が滑りやすい状況で後輪にも駆動力を与え、発進や加速を支えることに意味があります。
2026年7月版のトヨタ「プリウス主要諸元表」では、現行PHEVのZとGはいずれも「2WD(前輪駆動方式)」と記載されています(資料1)。
車両型式は、Zが「6LA-MXWH61-AHXHB」、Gが「6LA-MXWH61-AHXGB」です。
同じ主要諸元表では、HEVのE-Four車にリアモーターが記載されている一方、PHEVのリアモーター欄には設定がありません。
現行PHEVのメーカー希望小売価格は、2026年7月時点でZが4,645,300円、Gが3,884,100円です。いずれも2WDで、価格や装備は今後変更される可能性があるため、契約時には最新の公式情報を確認してください(資料1・資料2)。
なお、トヨタは「PHEVとPHV」「HEVとHV」を、それぞれ同じ種類の車を示す表記として扱っています。
旧型中古車では「プリウスPHV」、現行車では「プリウスPHEV」という表記が中心ですが、どちらも外部充電可能なプラグインハイブリッド車です。
歴代プリウスPHV/PHEVはすべて2WDなのか?
確認済みの事実として、国内で正規販売された歴代プリウスPHV/PHEVは、すべて2WD・FFです。
「現行型にはなくても、旧型には4WDがあったのではないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、初代から現行型までの公式発表と主要諸元を確認すると、純正4WDが設定された世代はありません。
世代 国内発売日 主な型式 駆動方式 外部充電 雪道での位置づけ
初代プリウスPHV 2012年1月30日 DLA-ZVW35 2WD・FF 可能 除雪された道路を冬用タイヤで走る使い方が基本
2代目プリウスPHV 2017年2月15日 DLA-ZVW52など 2WD・FF 可能 凍結坂や深雪ではE-Fourとの差が出やすい
現行プリウスPHEV 2023年3月15日 6LA-MXWH61 2WD・FF 可能 EV走行距離と動力性能を重視したモデル
現行プリウスHEV 2023年1月10日 MXWH60/65、ZVW60/65など 2WD/E-Four 不可 E-Fourは雪上発進を重視する人向き
※表内の発売日・型式・駆動方式は公式資料に基づく確認済み情報です。雪道での位置づけは、駆動方式の特性と取扱説明書の内容に基づく筆者評価であり、全世代を同一条件で比較した雪上実測結果ではありません。
初代プリウスPHVはZVW35の2WD・FF
初代プリウスPHVは、2011年11月29日に受注が始まり、2012年1月30日に発売されました。
発売時のグレードはS、G、G“レザーパッケージ”で、トヨタの発表資料には、いずれも2WD・FFと記載されています(資料3)。
主な型式はDLA-ZVW35です。
当時のプリウスPHVは、通常のプリウスを基礎に、外部充電機能と駆動用電池を追加したモデルでした。
この時点ですでに、プラグインハイブリッドは外部充電と電動走行を担い、四輪駆動は通常のプリウス側で展開するという役割分担が見え始めていました。
2代目プリウスPHVはZVW52の2WD・FF
2代目プリウスPHVは、2017年2月15日に発売されました。
主要型式はDLA-ZVW52で、こちらも国内仕様は2WD・FFのみです(資料4)。
2代目ではEV走行性能が大きく高められ、JC08モードのEV走行距離は68.2kmとされました。
2019年の一部改良では4人乗りから5人乗りへ変更されましたが、4WDの追加は行われていません。
数字の進化は、プリウスPHVが四輪駆動性能ではなく、「充電した電気でどこまで日常を走れるか」を中心に磨かれてきたことを示しています。
現行プリウスPHEVはMXWH61の2WD・FF
現行プリウスPHEVは、2023年3月15日に発売されました(資料5)。
主な型式は6LA-MXWH61で、発売時から現在まで2WD・FFのみです。
現行PHEVは、システム最高出力164kW・223PS、0-100km/h加速6.7秒という動力性能を持ちます。
トヨタは発売時、現行PHEVをプリウスのハイパフォーマンスモデルとして位置づけました。
ここでいうハイパフォーマンスとは、悪路走破性を高める4WD性能ではなく、電動車らしい応答性、加速性能、EV走行距離を組み合わせた価値です。
歴代を振り返ると、プリウスPHV/PHEVは一貫して、四輪を駆動する車ではなく、外部から受け取った電気を日常へ運ぶ車として設計されてきたと分かります。
なぜプリウスPHEVには4WDが設定されていないのか?
トヨタは、プリウスPHEVに4WDを設定しない理由を、単一の公式見解として公表していません。
したがって、「需要がないから」「技術的に搭載できないから」と断定することはできません。
ここでは、公式資料で確認できる事実と、そこから考えられる筆者の技術的考察を分けて説明します。
確認済み事実:PHEVにはリアモーターがない
現行プリウスHEVのE-Fourは、エンジンからプロペラシャフトを伸ばして後輪を回す一般的な機械式4WDとは異なります。
後輪側に専用モーターを配置し、必要に応じて後輪を駆動する電気式4WDです。
2026年7月版の主要諸元表では、HEVのE-Four車に1WM型リアモーターが搭載され、最高出力30kW、最大トルク84N・mと記載されています(資料1)。
PHEVには、このリアモーターがありません。
前輪側のモーターとエンジンによって走行する構成であり、走行モードを切り替えても後輪へ駆動力が発生することはありません。
確認済み事実:PHEVはHEVより重い
現行PHEVの車両重量は、装備条件により約1,560~1,570kgです。
一方、2.0L HEVは、2WDのGが約1,400kg、Zが約1,420kg、E-FourのGが約1,460kg、Zが約1,480kgとされています(資料1)。
PHEVとHEVでは、電池、モーター、充電機器などの構成が異なるため、この数値だけから「E-Fourを追加すると何kg増える」と計算することはできません。
それでも、PHEVは外部充電に対応する大容量の駆動用電池や充電関連機器を搭載しており、すでにHEVより重い車です。
筆者考察:重量・空間・航続距離の均衡が難しくなる
ここからは、公式に発表された開発理由ではなく、諸元と車両構造に基づく筆者の考察です。
PHEVへE-Fourを追加するには、少なくともリアモーター、減速機構、高電圧配線、制御装置、それらを固定して保護する車体構造が必要になると考えられます。
問題は、単に空いている場所へリアモーターを置けば済むことではありません。
床下には駆動用電池があり、後方には燃料タンク、排気系、サスペンション、荷室などが存在します。
衝突時の電池保護、冷却性能、最低地上高、後席空間、荷室容量、重量配分を同時に成立させなければなりません。
リア駆動系を追加すれば、重量だけでなく、価格や電力消費にも影響する可能性があります。
重量が増えれば、EV走行距離や燃費、ハンドリング、制動、タイヤへの負担も変わります。
現行PHEVの充電電力使用時走行距離は、2026年7月版主要諸元表で、19インチタイヤ装着時が86km、17インチタイヤ装着時が102kmです(資料1)。
いずれもWLTCモードの国土交通省審査値であり、実際の走行距離は気温、速度、エアコン使用、道路状況などで変化します。
個人的には、現行PHEVはE-Fourによる雪上発進性能よりも、EV走行距離、加速性能、低いボディーによる空力性能を優先したモデルだと考えています。
リアモーターを加えて多機能にするより、PHEVとしての特徴を鋭くした。
その選択が、現在の2WD専用という構成に表れているように見えます。
ただし、電動アクスルの小型化や車体設計の変化によって、将来のPHEVに4WDが設定される可能性まで否定することはできません。
現時点で確認できるのは、現行型を含む歴代モデルに4WDが存在しないという事実までです。
中古車サイトの「プリウスPHV 4WD」をどう見分ける?
中古車検索で4WD車が表示されても、その車がプリウスPHV/PHEVとは限りません。
検索サイトは、入力したキーワードと完全に一致する車だけでなく、関連車種、説明文、カテゴリー、広告枠などを含めて結果を表示する場合があります。
そのため、「プリウスPHV 4WD」と検索した画面に、通常のプリウスHEV・E-Fourが混在することがあります。
本稿では中古車サイト全体を対象にした件数調査を行っていないため、「何件中何件が誤表示だった」といった数値は示しません。
ただし、4WDと表示される次のようなグレードは、プリウスPHVではなく通常のプリウスです。
- プリウス 1.8 A E-Four
- プリウス 1.8 Aツーリングセレクション E-Four
- プリウス 2.0 Z E-Four
- プリウス 2.0 G E-Four
- プリウス 1.8 X E-Four
これらは後輪をモーターで駆動できますが、外部充電には対応していません。
中古車の見出しだけを見て契約せず、次の順番で確認してください。
1.正式な車名を確認する
車名が「プリウスPHV」「プリウスPHEV」「プリウス」のどれなのかを確認します。
「プリウス」とだけ記載され、グレード名にE-Fourが付いている場合は、通常のHEVである可能性が高くなります。
2.車両型式を確認する
国内向けPHV/PHEVの代表的な型式は、次のとおりです。
- 初代プリウスPHV:ZVW35
- 2代目プリウスPHV:ZVW52
- 現行プリウスPHEV:MXWH61
型式がMXWH65やZVW65であれば、現行プリウスHEVのE-Fourである可能性を確認してください。
型式にはグレードや認証区分による違いがあるため、最終的には車検証とメーカー資料を照合します。
3.駆動方式欄を確認する
プリウスPHV/PHEVであれば、「2WD」「FF」「前輪駆動」と記載されるのが正しい状態です。
「4WD」「E-Four」と記載されている場合は、車名や掲載カテゴリーが通常のプリウスHEVではないかを確認します。
4.充電口の有無を確認する
PHEVには、外部充電用の充電ポートがあります。
ただし、写真の角度や年式によって見分けにくい場合があるため、画像だけで断定せず、車検証、整備記録、装備表も確認してください。
5.販売店へ車検証情報を確認する
販売店には、次の項目を具体的に問い合わせます。
- 車検証上の車名と型式
- 駆動方式
- 初度登録年月
- 修復歴
- 充電ケーブルの有無
- 冬用タイヤの適合サイズ
- 取扱説明書と整備記録簿の有無
「寒冷地仕様」という表示にも注意が必要です。
寒冷地仕様は、寒い地域での使用を考慮してヒーター、ワイパー、冷却系統などを変更・強化した装備構成であり、4WDを意味する言葉ではありません。
寒冷地仕様のプリウスPHVであっても、駆動方式は2WD・FFです。
また、純正2WDのプリウスPHVを、一般的なカー用品の装着によってE-Four化することもできません。
後輪モーター、高電圧配線、制御プログラム、車体構造、認証などへ大規模な変更が必要になるため、安全性と合法性を確保しながら純正相当の4WDへ変更する現実的な方法とはいえません。
2WDのプリウスPHEVは雪道を走れる?
適切なスタッドレスタイヤを4輪に装着し、除雪された道路を慎重に走るのであれば、2WDのプリウスPHEVでも雪道走行は可能です。
ただし、「雪道を走れる」という言葉だけで、どのような道路でも問題ないと考えてはいけません。
平坦な圧雪路と、凍結した上り坂、除雪前の駐車場、深い新雪では、必要な性能が異なります。
確認済み事実:冬用タイヤは4輪ともそろえる
2026年7月版のプリウスPHEV取扱説明書では、冬用タイヤを使用する場合、4輪とも指定サイズかつ同一銘柄のタイヤを装着するよう案内されています(資料6)。
駆動輪である前輪だけにスタッドレスタイヤを装着すると、発進できても、カーブや下り坂で後輪のグリップが不足するおそれがあります。
冬用タイヤは残り溝だけでなく、ゴムの硬化、ひび割れ、偏摩耗、製造時期、空気圧まで確認してください。
電子制御がどれほど進化しても、車と路面が触れる場所はタイヤの接地面だけです。
雪道で最初に選ぶべき装備は、駆動方式より先に、状態のよい4本の冬用タイヤです。
確認済み事実:19インチ車はチェーン装着不可
現行プリウスPHEVの取扱説明書では、195/50R19タイヤについて、周辺部品との隙間を十分に確保できないため、タイヤチェーンを取り付けないよう案内されています(資料6)。
チェーン規制が行われる可能性のある道路を走る人は、購入前にタイヤサイズと使用可能な滑り止め装置を販売店へ確認してください。
「雪が降ったらチェーンを買えばよい」と考えて19インチ車を選ぶと、必要な場面で装着できない可能性があります。
17インチ仕様についても、すべてのチェーンが無条件に使えるとは限りません。
タイヤサイズ、チェーン形状、車体との干渉、メーカーの適合情報を確認する必要があります。
確認済み事実:PHEVにE-Four用スノーモードはない
2026年7月版のプリウスPHEV取扱説明書に記載される主な走行モードは、ノーマル、エコドライブ、スポーツ、カスタムです(資料6)。
後輪を駆動する装置がないため、モードを変更してもPHEVが4WDへ変わることはありません。
これに対し、HEVの取扱説明書には、装備条件に応じて「スノーエクストラモード」が記載されています(資料7)。
この機能はアクセル操作に対する駆動力を穏やかにし、E-Four車では雪路に合わせて前後輪の駆動力を制御します。
名称に「スノー」と付く機能と、物理的に後輪を駆動するE-Fourは、分けて考える必要があります。
E-Fourとの差が出やすい場面
2WDのPHEVとE-Fourの差が表れやすいのは、主に発進や低速加速の場面です。
- 凍結した上り坂から再発進するとき
- 滑りやすい交差点を発進するとき
- 除雪前の駐車場から出るとき
- 湿った重い雪の中を動き始めるとき
- わだちを斜めに越えるとき
- スキー場へ向かう早朝の山道を走るとき
E-Fourは、前輪だけでは駆動力を路面へ伝えにくいとき、後輪のモーターで発進を助けられます。
一方、4WDだから凍結路で必ず短く止まれるわけではありません。
ブレーキをかければ2WDも4WDも四輪で減速するため、停止距離には速度、タイヤ、路面状態、車間距離が大きく影響します。
「4WDなら滑らない」という安心感は、ときにアクセルを深く踏ませます。
しかし、動き出せる力と、曲がれる力、止まれる力は別です。
雪道では急なアクセル、急ブレーキ、急なハンドル操作を避け、早めに速度を落とすことが基本になります。
深雪では最低地上高にも注意する
現行PHEVの最低地上高は、19インチタイヤ装着時が150mm、17インチタイヤ装着時が145mmです(資料1)。
プリウスは、最低地上高を大きく確保したSUVではありません。
四輪駆動車であっても、車体の底が雪へ乗り上げ、タイヤの接地荷重が抜ければ動けなくなることがあります。
深雪、硬い除雪跡、道路脇の雪塊へ無理に進入しないことも、重要な雪道性能の一部です。

プリウスPHEVとHEV・E-Fourはどちらを選ぶべき?
車を選ぶとき、「雪国だから4WD」「燃費がよいからPHEV」と地域名やカタログ数値だけで決めると、生活とのずれが生まれます。
見るべきなのは、冬にどの道を、何時に、どの頻度で走り、悪天候時に予定を変更できるかです。
プリウスPHEVが向いている人
- 自宅や勤務先で日常的に充電できる
- 通勤や買い物をEV走行中心にしたい
- 主な生活道路が平坦で除雪されている
- 大雪や強い凍結の日は運転を控えられる
- 静粛性や電動車らしい加速を重視する
- 冬の一部場面より、年間を通した電動走行を優先する
現行PHEVは2WDですが、17インチ仕様ではWLTCモード102km、19インチ仕様では86kmの充電電力使用時走行距離を持ちます(資料1)。
自宅で充電でき、日常の移動距離がその範囲に収まる人にとっては、エンジンを頻繁に始動せず生活できることが大きな価値になります。
朝、充電ケーブルを外し、静かに住宅街を離れる。
その体験は、後輪を駆動できるかどうかとは別の方向にある、PHEVならではの豊かさです。
プリウスHEV・E-Fourが向いている人
- 凍結する上り坂を日常的に通る
- 早朝の未除雪路を走る必要がある
- 冬にスキー場や山間部へ頻繁に行く
- 雪が降っても通勤や送迎を変更できない
- 自宅に充電設備を用意しにくい
- EV走行距離より雪上発進の安定性を重視する
E-Fourは雪道での万能性を保証する装置ではありません。
それでも、前輪が滑って車を押し出しにくい場面で、後輪からも駆動力を加えられる意味は明確です。
筆者としては、除雪された都市部が中心で、自宅充電ができ、荒天時に運転を見合わせられるなら、積雪地域でもPHEVは検討できると考えます。
反対に、毎朝の通勤経路に凍結坂があり、未除雪でも必ず車を出さなければならないなら、プリウスHEVのE-Fourを優先するほうが合理的です。
ここで考えたいのは、「年に一度あるかもしれない最悪の日」と「一年の大半を占める普通の日」の両方です。
一度の大雪だけを恐れてE-Fourを選び、毎日使いたかった外部充電を手放す必要があるのか。
あるいは、毎朝凍る急坂を上る人が、EV走行距離だけを理由に2WDを選んでよいのか。
答えは、都道府県名ではなく、自宅から職場までの道路にあります。
車は、機能を多く積んだ一台が正解なのではありません。
朝の充電を暮らしへ変えるPHEVと、雪の坂で後輪にも力を与えるE-Four。
どちらの設計思想が自分の道に合うのかを見極めることが、後悔を減らす選び方です。
まとめ
プリウスPHVおよび現行プリウスPHEVには、メーカー純正の4WD設定がありません。
初代ZVW35、2代目ZVW52、現行MXWH61は、すべて2WD・FFです。
外部充電を利用したい人はPHEV、凍結坂や未除雪路で後輪の駆動力を重視する人は、通常のプリウスHEV・E-Fourが有力な選択肢になります。
中古車サイトで「プリウスPHV 4WD」と表示されたときは、正式車名、車両型式、駆動方式、充電口の有無を確認してください。
2WDのPHEVでも、状態のよいスタッドレスタイヤを4輪に装着し、除雪された道路を慎重に走ることは可能です。
ただし、19インチ車にはチェーンを装着できないこと、深雪では最低地上高が制約になることも忘れてはいけません。
カタログの優劣ではなく、冬の朝に自分が実際に通る道を思い浮かべる。
その道に必要な力を選ぶことが、自分にとっての正しい一台につながります。
よくある質問
プリウスPHVに純正4WDはありますか?
ありません。
2012年発売の初代プリウスPHV、2017年発売の2代目プリウスPHV、2023年発売の現行プリウスPHEVは、すべて前輪駆動の2WDです。
中古車サイトに表示される「プリウスPHV 4WD」とは何ですか?
通常のプリウスHEV・E-Fourが、関連検索結果として混在している可能性があります。
車名だけでなく、型式がZVW35、ZVW52、MXWH61のいずれかに該当するか、駆動方式が2WD・FFと記載されているかを確認してください。
プリウスPHEVは雪道でも走れますか?
4輪に適切なスタッドレスタイヤを装着し、速度を抑えて急操作を避ければ走行できます。
ただし、凍結した上り坂、深雪、未除雪路では、後輪も駆動できるE-Fourより発進しにくい場合があります。
プリウスPHEVにスノーモードはありますか?
2026年7月版のPHEV取扱説明書に記載される主な走行モードは、ノーマル、エコドライブ、スポーツ、カスタムです。
後輪駆動用モーターを持たないため、走行モードを変更しても4WDにはなりません。
19インチのプリウスPHEVにタイヤチェーンは使えますか?
トヨタの取扱説明書では、195/50R19タイヤにタイヤチェーンを取り付けないよう案内されています。
冬の山道やチェーン規制区間を走る予定がある場合は、購入前にタイヤ仕様と使用可能な滑り止め装置を販売店へ確認してください。
プリウスPHVを後付けで4WDにできますか?
一般的なカー用品のように追加できる装備ではありません。
後輪モーター、高電圧配線、制御装置、車体構造、認証などへ大規模な変更が必要になるため、純正2WD車を安全かつ合法的にE-Four化する現実的な方法とはいえません。
参照資料・検証方法
本記事は、2026年8月4日時点で確認した次のトヨタ公式資料を基礎に作成しています。
- 資料1:トヨタ自動車「プリウス 主要諸元表」2026年7月版
- 資料2:トヨタ自動車「プリウス 価格・グレード」2026年7月時点
- 資料3:トヨタ自動車ニュースリリース「プリウスPHVを発売」2011年11月29日
- 資料4:トヨタ自動車ニュースリリース「プリウスPHVをフルモデルチェンジ」2017年2月15日
- 資料5:トヨタ自動車ニュースリリース「新型プリウスPHEVを発売」2023年3月15日
- 資料6:トヨタ自動車「プリウスPHEV 取扱説明書」2026年7月版
- 資料7:トヨタ自動車「プリウスHEV 取扱説明書」2026年7月版
- 資料8:トヨタ認定中古車「プリウスPHV 車種情報・型式情報」
発売日、型式、駆動方式、価格、モーター出力、EV走行距離、最低地上高、タイヤチェーンに関する記述は、上記公式資料との照合を行いました。
雪道での位置づけやPHEVにE-Fourが設定されていない背景は、公式に公表された開発理由ではなく、主要諸元、車体構造、駆動方式の一般的な特性に基づく筆者の考察です。
本記事の作成にあたり、歴代モデルを同一条件で走らせる雪上比較試験や、開発担当者への直接取材は実施していません。
執筆:高坂 遼(自動車ライター|ドライビング・フィロソファー|モーターストーリーテラー)

