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プリウスPHVのEV走行距離はどのくらい?電気だけで走れる限界を検証

早朝の静かな住宅街で、充電ケーブルにつながれたプリウスPHVが朝日を浴びている情景 プリウス

プリウスPHV(2017年〜の2代目)のEV走行距離は、満充電でカタログ値68.2km(JC08モード)です。実際の走行では、価格.comのクチコミで冬は50〜62km前後、好条件の時期は70km台後半までの報告があり、季節による差がはっきり出ます。

この記事は、僕が自分で走って測った検証記事ではありません。トヨタが公表している資料と、オーナーの投稿を整理し、「電気だけで走れる限界」がどこにあるのかを読み解いたものです。

先に結論を書くと、通勤などで毎日使う距離を考えるなら、冬の50〜60kmを基準にするのが安全です。理由は本文で順に説明します。

プリウスPHV(2017年〜)のEV走行距離は?カタログ値68.2kmと世代の違い

満充電からのEV走行距離は、カタログ値で68.2kmです。

トヨタの発表によると、EV走行の最高速度は時速135kmで、通勤や買い物ならほとんどをガソリンなしで済ませられる設計です。

まず、世代の関係を整理しておきます。記事や掲示板で「先代」という言葉が入り混じりやすいためです。

世代登場時期EV走行距離(JC08)備考
初代プリウスPHV2012年26.4km3代目プリウスがベース
2代目プリウスPHV(この記事の主役)2017年68.2km電池容量8.8kWh
現行のプリウスPHEV2023年〜大きく伸びている数値は公式で確認

この表のとおり、2012年型の26.4kmから2017年型の68.2kmまで、EV走行距離は2倍以上に伸びました。

現行型は電池容量がさらに大きくなり、EV走行距離も別次元に伸びています。中古で2017年型を検討する人は、現行型とは別のクルマとして比べるのが正確です。

土台になるのは、容量8.8kWhのリチウムイオンバッテリーです。

トヨタは電費(1kWhあたりの走行距離)を10.54km/kWhと発表しています。これは2019年5月現在のトヨタ調べで、同社はガソリン乗用車のなかでトップレベルの数値だと説明しています。

メーカーオプションの17インチタイヤを選ぶと、この電費は8.65km/kWhに下がります。

同じ電池でもタイヤ次第で電費の数字が変わる、という点は覚えておいてください。後半のタイヤの話で効いてきます。


冬は何km走れる?口コミで見る実際のEV走行距離

口コミでは、冬は50〜62km前後、春〜初夏は70km台後半の表示まで伸びた、という報告があります。

ここで扱うのは、価格.comのクチコミ掲示板に寄せられた数名のオーナーの投稿です。件数は限られ、投稿時期も人によって違うため、統計的な調査ではありません。傾向を見るための材料として読んでください。

投稿を属性で整理すると、次のようになります。

オーナーの属性報告された内容
通勤往復112kmで毎日EV走行を続ける人購入当初は満充電で80km前後の表示。冬は約62kmまで落ち、3月ごろから伸びて70〜78km台まで回復
月ごとの変化を記録した人1月は62km、初夏には76kmまで伸びた
近畿北部で2017年から乗る人良い時で60〜62km、冬は50km前後
満充電でも実走が約50kmだったという人メーターの表示と実際にEVで走れた距離がずれた
※画像はAIによるイメージ

数字を並べてみると、冬と好条件の期間で、10〜20km近い差が出ています。

個人差は大きいのですが、複数の投稿に共通して読み取れるのは、この季節の振れ幅です。

もう一つ大事なのは、メーターの走行可能距離が「保証値」ではないことです。掲示板でも、過去の走り方から算出された予測値だという指摘が繰り返し出ていました。

表示された数字が実際の距離とずれるのは、故障ではなく、そういう仕組みだと考えたほうがよさそうです。

なお、2017年型は登場から年数が経っています。購入当初に80km前後を表示していた個体が、数年後に別の数字を示すこともあり得ます。中古で買う場合は、表示だけでなく実際の走行状況を確認したいところです。


電気だけで走れる限界とは?EV走行が終わる条件

電気だけで走れる限界は、電池残量だけでなく、急加速・暖房・登坂・高速走行といった条件でも決まります。

68.2kmという数字は、定められた試験条件での値です。トヨタ自身も、天候・渋滞・急発進・エアコンの使用などで電力消費率が大きく変わると説明しています。

特に影響が大きいのは、1日あたりの走行距離、バッテリーの充電状態、エアコンの使用だとされています。

さらに、バッテリー残量があっても、EV走行が解除されてエンジンがかかることがあります。

  • エンジンや駆動用バッテリーの状態による場合
  • エアコンの使用状況による場合
  • 急加速や、所定の車速を超えた場合
  • 登坂など道路状況による場合

つまり「限界」は、距離だけで決まるものではありません。電池の残りと、走り方と、環境の掛け算です。

一方、トヨタは、アクセルを強めに踏んだり暖房を使ったりしてもエンジンがかかりにくいように作り込んだと説明しています。

その背景には、2017年の発表でトヨタが「量産車として世界初」とうたったガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコンがあります。

加えて、外部充電中にバッテリー温度を保つ専用ヒーターも備わっています。

冬にEVの航続距離が縮む最大の理由は、暖房と電池の低温化です。設計の狙いは、まさにそこに向けられていると読めます。

ただし、これはメーカーの説明であり、実際にどこまで効いているかは、先ほどのオーナーの冬の数字が示すとおりです。


タイヤ交換とバッテリー劣化でEV走行距離は変わる?

タイヤ交換の直後に表示距離が落ちる例が報告されていますが、その原因はタイヤとバッテリー劣化のどちらとも断定できません。

掲示板で特に議論が白熱していたのが、この点です。

ある投稿者は、タイヤ3本を交換した直後に、満充電での表示が80km前後から62kmへ落ちたと報告しました。自宅の数km手前でEV走行が終わるようになったそうです。

これに対して、別の参加者は「タイヤは摩耗するほど転がり抵抗が小さくなり、見かけの電費が良くなる」と説明していました。これは投稿者個人の意見で、確立された事実として示された情報ではありません。

その主張が正しければ、こういう見方ができます。

新品タイヤに替えると、それまでタイヤの摩耗で隠れていた電費の悪化が、急に表に出たように見える。

この場合、電池の劣化が、摩耗したタイヤに隠されていた可能性もあります。

別のオーナーは、サマータイヤをレグノに交換したところ、電費が悪化したと感じたそうです。

ただし静粛性と乗り心地は格段に良くなり、EV走行時の騒音や振動も減ったと述べています。電費だけなら低燃費タイヤが有利、という所感も添えられていました。

空気圧の左右差や、ディーラーの計測器の不具合を疑う声もありました。アクセルを大人しく操作するほど電費が良くなる、という体験談も見られます。

電池劣化については何が分かっている?

長く乗るほど気になるのが、バッテリーの劣化です。

掲示板では、トヨタの資料をもとにした情報が共有されていました。それによると、先代モデルは10年後の容量残存が75%となるよう開発されているとのことです。ただし、投稿者はグラフの形から、最初の数年で劣化が進み、その後は緩やかになる傾向だと読み取っています。

注意したいのは、この資料が先代世代のもので、2017年型に当てはまるかどうかは掲示板の情報だけでは確認できない点です。

また、他社のEV・PHEVには8年16万kmの容量保証を設けている例があります。一方、プリウスPHVの容量保証については、掲示板の投稿者も確認できなかったと述べています。購入前にディーラーで確認するのが確実です。

劣化を遅らせる工夫としては、掲示板の投稿で次のような点が挙がっていました。根拠は個人の意見が中心で、公式資料で裏づけられたものではありません。

  • 急速充電を多用せず、自宅で夜間にゆっくり充電する
  • 長期間乗らない時は満充電にしない
  • 急速充電は電池容量約80%で電流が絞られる仕様なので、そこまでの利用を基本にする

電気を使い切ったらどうなる?HVモードと充電の目安

電池残量が尽きても立ち往生することはなく、自動的にハイブリッド走行に切り替わります。

トヨタが発表したHV走行時の燃費は、JC08モードで37.2km/Lです。EV走行が終わっても、プリウスをベースにしたハイブリッドとして走り続けられます。

これがPHVの心強さで、電気の航続距離への不安を、エンジンという保険が受け止めてくれます。

充電については、要点だけ押さえておきます。

空の状態から満充電までに、200V普通充電で約6.5kWhが必要です。夜間電力で満充電にすると約80円、という試算が掲示板で紹介されていました。

この試算は、1kWhあたり12円台前後の単価を想定した数字と考えられます。電気料金は契約やプランで変わるため、現在の条件で計算し直してください。

外出先の充電器の数や、ルーフのソーラー充電の性能は、記事執筆時点の資料では2019年5月時点の情報にとどまります。充電インフラは日々変化しますので、最新は公式サイトや販売店でご確認ください。


プリウスPHVのEV走行距離、冬は50kmを基準に考えるべき理由

ここからは、公開資料と口コミを整理したうえでの、筆者の見解です。事実と意見を混ぜないよう、私見として書きます。

口コミの振れ幅は、何で説明できるか

冬が50〜62km、春〜初夏が70km台という差は、単一の原因ではないと考えられます。

一般的な説明としては、次の3つが重なっている可能性が高いです。

  • 気温:低温では電池の性能が下がりやすく、使える電力量が減る
  • 暖房:暖房の電力消費が、走行に回せるエネルギーを削る
  • 走行抵抗:冬は路面やタイヤの条件で、走りが重くなりやすい

トヨタが専用ヒーターやヒートポンプで対策したと説明しているのは、これらの要因への回答だと読み取れます。それでも冬に10km以上落ちるという報告がある以上、対策で「ゼロ」になるわけではない、というのが素直な受け止めです。

タイヤ交換後の低下を切り分ける方法

タイヤ交換のあとに距離が落ちた場合、原因を切り分ける基準を持っておくと落ち着いて判断できます。

私見ですが、次の手順が現実的だと考えます。

  • 同じルート・同じ時間帯・同じ空気圧で、数日分の実走距離を記録する
  • 気温が近い日どうしを比べる(メーターの表示ではなく、実際に走れた距離で見る)
  • 春になって気温が上がっても戻らないなら、電池の状態も疑う

気温が上がるにつれて距離が回復するなら、原因は季節やタイヤの可能性が高いでしょう。回復しない場合は、ディーラーで電池の状態を点検してもらうのが確実です。

通勤距離別に見る「EVだけで足りるか」の目安

冬の50〜60kmを基準にすると、日常の通勤で電気だけで足りるかどうか、大まかな目安が立ちます。

通勤距離(片道)往復冬のEV走行だけで足りるか(目安)
20km40km余裕がある。冬でも足りる可能性が高い
30km60kmぎりぎり。職場に充電環境があると安心
40km80km全行程EVは難しく、後半はHV走行になる前提

通勤往復112kmでEV走行を続けているオーナーの例は、電池が尽きたあとはHV走行で補いつつ、毎日充電して使い切るスタイルだと読めます。

この目安は、口コミの数字から筆者が導いたもので、走行環境や個体によって変わります。

他のクルマとの文脈で見ると

寒い時期に電気の航続距離が縮むのは、PHV固有の弱点ではありません。電気自動車全般で知られている現象です。

同時代のPHEVであるアウトランダーPHEVも、EV走行距離は60km台前後とされてきました(数値は年式で異なるため、正確には公式で確認してください)。68.2kmという数字は、その競合と同じ土俵で戦えるレベルだったと考えられます。

つまり68.2kmは、この分野のなかでも「実力に近い、誠実な数字」だと筆者は評価しています。ただし、それはあくまで好条件での話です。

劣化は心配しすぎなくてよいか

トヨタが先代で設計目標にした「10年後に容量75%」という情報は、安心材料にはなります。

ただし、先ほど書いたとおり、この資料が2017年型に当てはまるかは確認できません。走行距離別の実際の劣化データも、今回の資料からは見つかりませんでした。

そのため、日常使いで困る状況は多くないだろうとは思いますが、断定はできません。中古車を検討する人は、電池の劣化診断ができるかどうかを、購入前に販売店へ確認してほしいと思います。

今後、EVもPHVも、電池の健康状態が数字で見えることが当たり前になっていくと考えられます。オーナーが「自分のクルマの電池の状態を知りたい」と願うのは、自然な欲求です。

最後に、PHVという選択の本質を一言で言えば、こうなります。

電気で走れる日は電気で、足りなければガソリンで、迷わず走り続けられること。

その安心感こそが、PHVの魅力だと筆者は考えています。


まとめ

プリウスPHV(2017年〜)のEV走行距離は、満充電でカタログ値68.2km(JC08)です。初代の26.4kmから2倍以上に伸びました。

一方で、口コミでは冬は50〜62km前後、好条件では70km台後半の表示も報告されています。季節による差は10〜20km近くあり、通勤で使うなら冬の50〜60kmを基準に考えるのが無難です。

電気を使い切ってもハイブリッドとして走り続けられます。電池の劣化については、2017年型の確かなデータは限られるため、購入前の確認が大切です。


よくある質問

プリウスPHVは満充電で何km走れますか?

カタログ上のEV走行距離は68.2km(JC08モード)です。口コミでは、冬は50〜62km前後、好条件では70km台後半まで表示されたという報告があります。

冬になるとEV走行距離は短くなりますか?

短くなる傾向があります。オーナーの投稿では、冬は約62km、地域によっては50km前後まで落ちた例がありました。暖房の使用や電池の低温化が主な要因と考えられます。

電気を使い切ったらどうなりますか?

自動的にハイブリッド走行に切り替わります。トヨタの発表では、HV走行時の燃費はJC08モードで37.2km/Lなので、EV走行が終わっても走行を続けられます。

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