夜のバイパスを流していると、ベンツAクラス AMGは、ただのプレミアムコンパクトという輪郭を静かに脱ぎ捨てる。アクセルをわずかに深く沈めた瞬間、景色は線になり、ステアリング越しの空気まで密度を変える。僕はこれまで、速さを語るクルマを何台も見てきたけれど、A35にもA45 Sにも共通しているのは、スペック表の数字だけでは届かない“感情の立ち上がり”だ。けれど同時に、その昂りの裏側には、燃料計が示すもうひとつの真実がある。速さは美しい。だが、その美しさには、いつだって現実が伴う。
ベンツAクラス AMGの燃費を考えるとき、大切なのは単に「良い」「悪い」で切ってしまわないことだ。A35とA45 Sでは性格も熱量も違い、公式カタログに記されたWLTCモード燃費と、実際の走行シーンで見えてくる数字のあいだにも、無視できない差がある。この記事では、メーカー公表データを軸にしながら、試乗レビューで見えてきた実燃費や走りの実像も重ね合わせ、ベンツAクラス AMGの燃費を立体的に読み解いていく。速さの代償として何を失い、そして何を得るのか。その答えを、表面的な数値比較ではなく、クルマとしての本質から丁寧に掘り下げたい。
ベンツAクラス AMGの燃費は実際どうなのか【まずは結論】

まず結論からはっきり言います。ベンツAクラス AMGの燃費は、Aクラス全体で見れば決して良くありません。現行日本仕様では、Mercedes-AMG A 35 4MATICのWLTCモード燃費が11.5km/L、Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+が11.1km/L。A 180 Urban Starsの16.9km/L、A 200 d Urban Starsの19.1km/Lと比べれば、その差はかなりはっきりしています。
ただ、ここがAクラスAMGのおもしろいところです。数字だけ見ればたしかに厳しい。けれど、306PSのA35、421PSのA45 Sが見せてくれる加速、レスポンス、4WDならではの安定感まで含めて考えると、この燃費は単純に「悪い」で片づけたくなくなるんです。実際、僕もこのテーマは燃費の話なのに、書いているうちに何度もAクラスAMGの走りの魅力へ引き戻されました。燃料を使っているのは事実です。でも、その先で手に入るものが、あまりにも濃い。
だからこの記事では、「AMGだから燃費が悪い」で終わらせません。ベンツAクラスの標準モデルと比べるとどれくらい違うのか。A35とA45 Sではどちらが現実的なのか。そして、その燃費を受け入れてもなお欲しくなる理由は何なのか。そこまで踏み込んで、数字と体験の両方から見ていきます。
結論のポイント
- A35の公式燃費はWLTCモード11.5km/L
- A45 Sの公式燃費はWLTCモード11.1km/L
- Aクラス標準モデルと比べると燃費はかなり不利
- ただし高性能4WDホットハッチとして見ると印象は変わる
- 数字だけでは語れない魅力がAクラスAMGにはある
ベンツAクラス AMGの公式燃費はどれくらい?A35とA45 Sを比較

ここはかなりおもしろいポイントです。ベンツAクラス AMGの燃費を見ていくと、単純に「燃費がいいか悪いか」では片づけられないことがすぐわかります。なぜなら、A35とA45 Sは同じAクラスをベースにしながら、数字の奥にあるキャラクターがまるで違うからです。まずは公式燃費とスペックを並べて、その違いをはっきり見ていきましょう。
A35 4MATICの公式燃費とスペック
現行のMercedes-AMG A 35 4MATICは、WLTCモード燃費11.5km/L。市街地モード8.1km/L、郊外モード11.9km/L、高速道路モード13.8km/Lという内訳です。最高出力は306PS、最大トルクは400Nm。駆動方式は4WDで、2.0L直列4気筒ターボを搭載しています。
この数字、冷静に見ると十分に刺激的です。306PSという時点で、もう“ちょっと速いAクラス”ではありません。それでいて燃費は11.5km/Lにまとめてきている。ここがA35のうまさです。AMGらしい熱さはしっかりあるのに、まだ日常の中で付き合える感じが残っている。速さにワクワクしたいけれど、現実もちゃんと見ておきたい。A35は、そんな人にすごく刺さる立ち位置です。
A45 S 4MATIC+の公式燃費とスペック
一方、Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+のWLTCモード燃費は11.1km/L。市街地モード7.6km/L、郊外モード11.5km/L、高速道路モード13.5km/Lです。最高出力は421PS、最大トルクは500Nm。A35より燃費はわずかに低いだけですが、スペックを見ると一気に空気が変わります。
421PSです。しかもコンパクトハッチで、4WDで、この数字です。正直、数値を追っているだけでも楽しい。A45 Sは、Aクラスのハイグレード版というより、“AMGが本気で作った異次元のコンパクト”と見たほうがしっくりきます。燃費差はたった0.4km/L。それなのに、キャラクターの濃さは一段どころか、もう別世界です。こういう数字の並びを見ると、A45 Sがただものではないことが本当によくわかります。
A180やA200 dと比べると、どれだけ燃費差があるのか
では、ベンツAクラス AMGの燃費をAクラス全体の中で見るとどうなのか。ここでA180やA200 dと比べると、違いはかなりはっきりします。A 180 Urban Starsは16.9km/L、A 200 d Urban Starsは19.1km/L。これをAMGモデルと並べると、同じAクラスという名前でも、狙っているものがまったく違うことが見えてきます。
| モデル | WLTCモード燃費 | 最高出力 | 駆動方式 |
|---|---|---|---|
| A 180 Urban Stars | 16.9km/L | 136PS | 前輪駆動 |
| A 200 d Urban Stars | 19.1km/L | 150PS | 前輪駆動 |
| Mercedes-AMG A 35 4MATIC | 11.5km/L | 306PS | 4WD |
| Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+ | 11.1km/L | 421PS | 4WD |
この比較はかなり雄弁です。A180やA200 dが日常の使いやすさや燃費性能を大切にしているのに対して、A35とA45 Sは、そこに“走りの高揚感”を本気でねじ込んでいます。だから、ベンツAクラス AMGは燃費の延長線上にある上級グレードではありません。数字を見れば見るほど、これはもう別ジャンル。燃費だけを基準に選ぶクルマではないけれど、スペックを眺めているだけでワクワクしてくる人にとっては、それだけでもう十分に魅力的です。
ベンツAクラス AMGの実燃費は?街乗り・高速・スポーツ走行で見える現実

ここからが、ベンツAクラス AMGの本当のおもしろさです。カタログ燃費を見るだけでも傾向はわかりますが、実際の走りまで目を向けると、A35とA45 Sのキャラクターがさらにくっきりしてきます。数字はたしかに現実です。ですが、その数字の動き方にこそ、AMGらしさがしっかり表れています。
A45 Sの実燃費は8km/L台まで落ちることがある
まずA45 Sですが、ここはやはり想像どおりというか、期待どおりというか、かなり濃いです。webCGの試乗レビューでは、A45 S 4MATIC+の参考燃費として8.5km/L(満タン法)、車載燃費計で8.6km/Lという結果が示されています。WLTCモード燃費は11.1km/Lなので、実際の走行では8km/L台に入ることも十分ある、ということです。
でも、これが実にA45 Sらしいんです。421PSのハイパフォーマンスを持つコンパクトで、しかもアクセルを踏んだときの反応があそこまで鋭い。そう考えると、実燃費がきれいに優等生の数字で収まるほうが、むしろこのクルマらしくありません。A45 Sは、走れば走るほど「なるほど、だからこの燃費なんだ」と納得させてくるタイプです。数字だけ見れば厳しい。でも、その理由がちゃんと魅力とつながっている。そこがたまらなくおもしろいところです。
A35はA45 Sより現実的だが、節約志向の車ではない
一方でA35は、このバランス感覚が本当にうまいです。webCGのA35試乗記では、当時のテスト車データとしてWLTCモード燃費12.2km/Lが紹介されています。現行日本仕様では11.5km/Lなので、モデルイヤー差はあるものの、A45 Sよりわずかに現実寄りという立ち位置はしっかり見えてきます。
A35のいいところは、AMGの楽しさをちゃんと味わわせながら、まだ“日常で付き合える感覚”を残しているところです。もちろん、燃費最優先の人に向くクルマではありません。街乗り中心、短距離移動中心なら、標準のAクラスのようにスイスイ伸びる燃費は期待しにくいです。ただ、それでもA35には「これくらいがちょうどいい」と思わせる説得力があります。速さも欲しい、でも現実も無視したくない。そういう人にとって、A35はかなり魅力的な着地点です。
燃費がぶれる最大要因はアクセルの踏み方と走行モード
そして、この章でいちばん伝えたいのがここです。ベンツAクラス AMGの燃費は、単純にスペック表だけでは決まりません。Responseによれば、A35は0-100km/h加速4.7秒を誇り、走行モードには「スリッパリー」「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「インディビジュアル」が用意されています。コンフォートモードは燃費重視で、アイドリングストップも作動します。
つまり、このクルマは乗り手の気分がそのまま燃費に出やすいんです。コンフォートで穏やかに流せば数字は整いやすい。逆にスポーツやスポーツ+でアクセルを積極的に使えば、燃費は一気に動きます。でも、ここがAMGの面白さでもあります。燃費がぶれるということは、それだけクルマがドライバーの入力に敏感だということでもあるからです。AクラスAMGは、ただ移動するための道具ではありません。走り方ひとつで表情が変わる。その変化まで含めて楽しめる人にとって、この実燃費の現実は、欠点というより“AMGらしさの証拠”に見えてきます。
なぜベンツAクラス AMGは燃費が厳しくなるのか

ここはAクラスAMGの面白さが一番よく出るところです。燃費の数字だけを見ていると「やっぱり厳しいな」で終わってしまいますが、中身を見ていくと印象はかなり変わります。なぜならA35もA45 Sも、最初から“燃費を最優先にしたクルマ”ではなく、“走った瞬間に気持ちを持っていくクルマ”として作られているからです。だからこそ、燃費が厳しくなる理由を知ると、欠点というよりキャラクターの必然に見えてきます。
高出力2.0Lターボと4WDが前提にある
A35は306PS、A45 Sは421PS。どちらも2.0L直列4気筒ターボで、しかも4WDです。これだけでもう、普通のAクラスとは狙っている世界が違います。燃費を穏やかに伸ばすためのセットアップではなく、アクセルを踏んだ瞬間の反応、路面をしっかりつかむトラクション、そして一気に加速していく力強さを優先しているわけです。
このスペックをあらためて眺めると、むしろ11km/L前後に収まっていること自体が興味深いくらいです。特にA45 Sの421PSという数字は、コンパクトハッチで見るとやはりインパクト抜群です。燃費が厳しくなるのは事実ですが、それは“無駄に食う”というより、“この走りを成立させるために必要なエネルギーを使っている”と考えたほうがしっくりきます。
A45 Sは“世界観ごと速い”から、燃費も代償になる
A45 Sが面白いのは、ただ馬力が高いだけではないことです。Car Watchの試乗インプレでは、M139エンジンにF1由来のナノスライド技術やローラーベアリング採用によるフリクション低減が紹介されています。こういう話を読むと、A45 Sは単なるパワー自慢ではなく、かなり本気で作り込まれたエンジンだとわかります。
ただ、その技術の向かう先は“燃費最優先”ではありません。目指しているのは、高出力でも鋭く回り、踏んだ瞬間に反応し、AMGらしい走りをしっかり成立させることです。ここがA45 Sのたまらないところで、速さのために雑に燃料を使っているのではなく、速さを成立させたうえで無駄を削っている。だからA45 Sの燃費を見ていると、単なる欠点というより「このクルマ、やっぱりそういう思想で作られているんだな」と妙に納得してしまいます。
A35は理性寄り、A45 Sは情熱寄り
A35とA45 Sは、同じAMGでもキャラクターがかなり違います。A35は、日常でもしっかり使えるサイズ感と実用性を持ちながら、AMGらしい刺激をちゃんと感じさせてくれるモデルです。速いけれど、まだ現実の中に置いておける。そこがA35のうまさです。
一方のA45 Sは、その一歩先にいます。実用性がないわけではありませんが、主役はあくまで走りです。A35が「速い実用車」なら、A45 Sは「日常でも使える本気のハイパフォーマンスモデル」と言ったほうが近いかもしれません。この違いが見えてくると、燃費への向き合い方も自然に変わります。A35は“現実とのバランス”を楽しむクルマ。A45 Sは、その現実ごと飲み込んでしまう熱量を楽しむクルマです。ここがわかると、AクラスAMGの燃費の見え方もぐっと面白くなります。
ベンツAクラス AMGは燃費が悪くても買う価値があるのか

ここは、このテーマのいちばん面白いところかもしれません。ベンツAクラス AMGは、燃費だけを見ればたしかに厳しいです。Aクラス全体で比べても、明らかに効率重視のモデルではありません。ですが、それでもなお気になってしまう。むしろ数字を見たあとでも「それでも欲しい」と思わせてくるところに、AクラスAMGの強さがあります。では、その価値はどこにあるのか。ここをしっかり見ていきます。
燃費だけで見ればおすすめしにくい人
まず正直に言うと、通勤中心で短距離移動が多い人、維持費をなるべく抑えたい人、ハイオク代まで含めて毎月の支出をシビアに見たい人には、ベンツAクラス AMGは素直にはすすめにくいです。Aクラスの中でもA180やA200 dのほうが、燃費と実用性のバランスはかなり優秀です。
このあたりは、無理に夢を見せないほうがむしろ信頼できます。AクラスAMGは、節約のために選ぶクルマではありません。だからこそ、ここを曖昧にせずに言い切ったうえで、それでも惹かれる理由があるのかを見ていくのが大事です。
それでもAクラスAMGを選ぶ人がいる理由
でも、ここからがAクラスAMGのすごいところです。燃費では説明しきれない魅力が、ちゃんとあるんです。サイズ感は扱いやすいのに、アクセルを踏んだ瞬間の加速は想像以上に鋭い。街中でも取り回しやすいのに、ひとたび走らせると一気に表情が変わる。このギャップがとにかく面白いです。
A35は、日常の中にAMGの刺激を持ち込める絶妙な一台ですし、A45 Sになると、その世界が一気に濃くなります。特にA45 Sは、ただ速いだけではありません。加速の立ち上がり、4WDの安定感、ステアリングを切ったときの反応、全部が「本気で作っているな」と感じさせてくれます。こういうクルマって、スペック表を見ているだけでも楽しいのに、走りまで想像するとさらにワクワクしてくるんです。
つまりAクラスAMGは、燃費の数字で買うクルマではなく、乗ったときに得られる体験で欲しくなるクルマです。ここに価値を感じる人にとっては、燃費の弱さがあっても、それを上回る魅力があります。
後悔しない選び方は「燃費を許せるか」で決まる
AクラスAMGで後悔しやすいのは、「Aクラスの上級版」くらいの感覚で選んでしまう人です。その見方だと、給油のたびに現実がちらつきますし、思ったより維持費が重く感じることもあります。
逆に満足しやすいのは、最初から「AMGは別物」と理解している人です。燃費の数字も把握したうえで、それでもA35のバランスに惹かれるのか、それともA45 Sの圧倒的な熱量に惹かれるのか。そこがはっきりしていると、買ったあとの納得感はかなり変わります。
燃費を見て悩むのは自然です。むしろ、ちゃんと考えている証拠です。でも、その悩みを越えてなお「やっぱりこれがいい」と思えるなら、AクラスAMGはかなり満足度の高い選択になります。数字だけ見ると厳しい。けれど、その数字の先にある走りの楽しさを知ってしまうと、簡単には忘れられない。そこがAクラスAMGのいちばん魅力的なところです。
ベンツAクラス AMGを選ぶならA35とA45 Sのどちらがいい?

ここは本当に悩ましいところです。ベンツAクラス AMGに惹かれた人なら、一度は必ず「A35で十分なのか、それともA45 Sまで行くべきか」で立ち止まるはずです。しかもこの2台、どちらも魅力がはっきりしているから余計に迷います。A35はバランスが抜群にいいですし、A45 Sは数字を見ているだけでもテンションが上がる。だからこそ、この比較はかなり面白いんです。
A35がおすすめな人
- AMGの世界に初めて入る人
- 日常使用も多く、使い勝手を重視したい人
- 速さと現実のバランスを大切にしたい人
A35の魅力は、ひと言でいえば“ちょうどいい熱さ”です。306PS、4WD、AMGらしい刺激をしっかり持ちながら、まだ日常の中で付き合える感覚がちゃんと残っています。ここが本当にうまいところで、速さを楽しみたい気持ちにも応えてくれるし、毎日の使いやすさも大きく崩さない。だからA35は、ただの入門グレードではなく、むしろ完成度の高い一台としてかなり魅力的です。
実際、A35を見ていると「これで十分どころか、かなりいいところを突いているな」と感じます。AMGらしいワクワク感は欲しい。でもA45 Sほど振り切らなくてもいい。そんな人には、このバランスが本当に刺さります。冷静に考えて選んだつもりが、気づけばかなり気に入っている。A35は、そういう満足感につながりやすいモデルです。
A45 Sがおすすめな人
- 燃費よりも体験価値を優先したい人
- AMGの本気を味わいたい人
- どうせ乗るなら頂点がいいと思う人
A45 Sは、見れば見るほど特別です。421PSという数字の時点で十分に強烈ですが、面白いのはそこだけではありません。コンパクトなAクラスのボディに、ここまで本気のAMGを詰め込んでいる。その事実だけで、もうかなりワクワクします。しかも燃費差はA35と大きく離れていないのに、キャラクターの濃さはぐっと増す。この感じがたまりません。
A45 Sは、理屈でじっくり比較しているうちに、最後は感情が勝ってしまうタイプのクルマです。数字を見ても楽しいし、スペックを追うだけでも面白いし、走りを想像するとさらに欲しくなる。燃費を気にしていないわけではない。でも、それでも惹かれてしまう。その感覚があるなら、A45 Sはかなり有力です。こういうクルマは、頭で納得するというより、心が先に決めてしまうんですよね。
結局のところ、A35は“現実の中でAMGを楽しみたい人”にぴったりで、A45 Sは“せっかくならAMGの本気を味わいたい人”にぴったりです。どちらが優れているというより、どちらの熱量が自分に合うか。その目線で選ぶと、この2台の違いが一気に面白く見えてきます。
ベンツAクラス AMGの燃費を少しでも良くする乗り方

ベンツAクラス AMGは、もともと燃費最優先で選ぶクルマではありません。ですが、だからといって何も気にしなくていいわけでもないんです。実際、このクルマは乗り方ひとつで数字の出方がかなり変わります。ここがまた面白いところで、AクラスAMGはただ速いだけではなく、付き合い方までちゃんとクルマ好きに考えさせてくれるんです。
しかも、燃費を良くするコツといっても、我慢ばかりではありません。大事なのは、AMGの楽しさを消すことではなく、気持ちよく走る場面と、落ち着いて流す場面をうまく分けることです。ちょっとした意識だけでも、A35やA45 Sとの付き合い方はかなり変わってきます。
- 発進時にアクセルを踏み込みすぎない
信号待ちからのスタートで毎回しっかり踏んでしまうと、AクラスAMGはすぐに本気を見せてきます。もちろんそれが魅力なのですが、街中では少し丁寧に踏むだけでも燃費の悪化を抑えやすくなります。 - 短距離移動をなるべく減らす
AMGに限らず、短距離走行が続くと燃費は伸びにくくなります。特にAクラスAMGのような高性能モデルは、その影響がわりとわかりやすく出ます。細かく何度も乗るより、移動をまとめたほうが効率は良くなりやすいです。 - 高速では一定巡航を意識する
高速道路は、AクラスAMGの燃費が比較的落ち着きやすい場面です。ここで速度変化を少なくして走ると、街乗りよりも数字が整いやすくなります。速いクルマだからこそ、淡々と巡航している時間にも余裕があって、この感覚もけっこう気持ちいいんです。 - 市街地ではコンフォートモードを活用する
いつでもスポーツやスポーツ+で走りたくなる気持ちはすごくわかります。でも、市街地ではコンフォートモードのほうがクルマの動きも穏やかで、燃費も安定しやすくなります。必要なときだけAMGらしさを解放する、このメリハリが意外と満足度を上げてくれます。 - タイヤ空気圧やメンテナンス状態を適正に保つ
こういう基本的な部分も、AクラスAMGでは意外と効きます。高性能タイヤを履き、走りの精度が高いクルマだからこそ、コンディションが整っているかどうかで走りの質も燃費も変わってきます。せっかくAMGに乗るなら、こういうところまで気を配るのも楽しい部分です。
AMGに乗るうえで大事なのは、速さを我慢することではありません。むしろ、楽しむところはしっかり楽しんで、流すところは上手に流すことです。ずっと全開で付き合うより、メリハリをつけたほうが、このクルマの良さはもっと見えてきます。燃費を少しでも良くしたいなら、AクラスAMGの速さを封印するのではなく、上手に付き合う。その感覚がいちばんしっくりきます。
よくある質問(FAQ)

ベンツAクラス AMGの燃費は悪いですか?
結論から言うと、Aクラス全体で比べれば低めです。現行日本仕様ではA35が11.5km/L、A45 Sが11.1km/Lで、A180やA200 dより燃費ははっきり不利です。ただ、ここがAクラスAMGの面白いところでもあって、単純に「燃費が悪い」で終わらせにくいんです。なぜなら、そのぶん走りの熱量がかなり高いからです。
A35とA45 Sではどちらのほうが燃費がいいですか?
現行公式値ではA35のほうがわずかに良く、A35が11.5km/L、A45 Sが11.1km/Lです。差は大きくありませんが、A45 Sは421PSという強烈なスペックを持っているので、この数字を見ると逆にその濃さがよくわかります。燃費差以上に、キャラクターの違いがかなり大きい2台です。
A45 Sの実燃費はどれくらいですか?
試乗レビューでは8.5km/L前後の参考燃費が示されており、走り方によっては8km/L台を想定したほうが現実的です。ここはやはりA45 Sらしいところで、アクセルを踏めば踏むほど、このクルマの本気がそのまま数字に出てきます。実燃費まで含めて、かなりキャラクターがわかりやすいモデルです。
燃費を重視するならAクラスAMGはやめたほうがいいですか?
燃費最優先で考えるなら、A180やA200 dのほうが向いています。これはかなりはっきりしています。ただ、それでもAクラスAMGが気になるなら、それはもう数字だけでは説明できない魅力に反応しているということです。走る楽しさやAMGらしい濃い体験を重視するなら、AクラスAMGはしっかり期待に応えてくれるモデルです。
まとめ|ベンツAクラス AMGの燃費は“悪い”が、それだけでは語れない

結論として、ベンツAクラス AMGの燃費はAクラス全体の中で見ればたしかに厳しめです。A35で11.5km/L、A45 Sで11.1km/L。走り方や使い方によっては、実燃費が8km/L台に入ることもあります。ここだけを見ると、燃費のいいクルマとは言えません。
でも、このテーマを最後まで見てくると、AクラスAMGの面白さはそこでは終わらないんです。A35には、日常と刺激のバランスがうまい魅力がある。A45 Sには、421PSという数字から想像する以上の“本気”がある。しかもどちらも、ただ速いだけではなく、乗る人の気分をしっかり持ち上げてくれる力があります。燃費の数字はたしかに現実です。でも、その現実をわかったうえでなお欲しくなる理由が、この2台にはちゃんとあります。
実際、こうして燃費、実燃費、スペック、キャラクターの違いまで追っていくと、AクラスAMGは“燃費が悪いクルマ”というひと言ではまったく足りないと感じます。むしろ面白いのはその先です。A35の絶妙なバランスに惹かれるのか、A45 Sの突き抜けた熱量に惹かれるのか。その悩みまで含めて、このクルマはかなり楽しい。
燃費の現実を受け止めたうえで、それでもなお「乗りたい」と思えるか。ベンツAクラス AMGを選ぶかどうかは、結局そこに尽きます。そして、その答えが“YES”なら、このクルマはきっと期待を裏切りません。数字に少し悩まされても、それ以上に乗るたび気分が上がる。AクラスAMGは、そういう魅力をちゃんと持った一台です。
情報ソース・参考文献
本記事では、まずメルセデス・ベンツ日本の公式資料を基準に、現行日本仕様の主要諸元、WLTCモード燃費、価格情報を確認しています。そのうえで、A35とA45 Sの走りや実燃費の感覚をより立体的に捉えるために、webCG、Response、Car Watchなどの試乗記事・ニュース記事も参考にしました。
ベンツAクラス AMGは、カタログの数字だけ見ても十分に面白いのですが、実際はそこに走りのキャラクターやモデルごとの熱量の違いが重なることで、もっと魅力が見えてきます。だからこそ今回は、公式データで事実を押さえつつ、専門メディアのレビューもあわせてチェックしながら構成しています。なお、A35の一部試乗記事にはモデルイヤーの差があるため、購入を検討する際は現行公式カタログと正規販売店の最新案内を必ず確認してください。
