A45の燃費はWLTCモード11.1km/L、A35は11.5km/Lで、実走行では8km/L台になる場合もあります。
ベンツAクラス AMGは、燃費の良さを最優先にしたクルマではありません。ただし、306PSのA35と421PSのA45 Sが備える性能まで考えれば、単に「燃費が悪い」で片づけるのも正確ではないでしょう。
この記事では、A45の燃費、A35の燃費、試乗レビューで確認された実燃費、標準Aクラスとの差、燃料消費を抑える乗り方まで詳しく解説します。速さの代償として何を失い、その先で何を得られるのか。数字と走りの思想、その両方から読み解いていきます。
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A45・A35 AMGの燃費は?まず結論
ベンツAクラス AMGの公式燃費は、A35 4MATICが11.5km/L、A45 S 4MATIC+が11.1km/Lです。いずれもWLTCモードの数値で、Aクラスの標準モデルより低くなっています。
検索では「ベンツAAMG」と入力されることもありますが、一般にAクラスのAMGモデルとして比較されるのは、Mercedes-AMG A 35 4MATICとMercedes-AMG A 45 S 4MATIC+です。
まず、この記事の重要な数字を整理します。
- A35の公式燃費はWLTCモード11.5km/L
- A45 Sの公式燃費はWLTCモード11.1km/L
- A45 Sの試乗レビューでは実燃費8.5km/L前後
- A180の公式燃費は16.9km/L
- A200 dの公式燃費は19.1km/L
- 燃費と日常性のバランスならA35
- 性能と体験価値を優先するならA45 S
Aクラス全体で比べれば、AMGの燃費は決して良くありません。A180やA200 dとの差は明確であり、燃料代を第一に考える人には不向きです。
ただし、A35は306PS、A45 Sは421PSを発生し、どちらも高性能な2.0Lターボエンジンと4WDシステムを搭載しています。特にA45 Sは、一般的なコンパクトカーの尺度では語れない性能を持っています。
僕がこの2台の数字を見て興味深いと感じるのは、A35とA45 Sの公式燃費差がわずか0.4km/Lであることです。出力差は115PSありますが、カタログ燃費の差は意外なほど小さく抑えられています。
もっとも、実際の燃費は走行環境やアクセル操作によって大きく変わります。市街地で短距離走行を繰り返したり、スポーツモードで積極的に加速したりすれば、8km/L台、状況によってはそれ以下になる可能性も考えておくべきでしょう。
A45とA35は、燃費を競うクルマではなく、使った燃料をどれだけ濃い運転体験へ変えられるかを問うクルマです。ここを理解して選べるかどうかが、購入後の満足度を左右します。
A45 AMGとA35の公式燃費を比較
A45 AMGとA35の燃費を比較すると、公式値ではA35がわずかに優れています。ただし、その差は0.4km/Lであり、燃費だけで両車を選び分けるほど大きな違いではありません。
同じAクラスをベースにしていても、A35とA45 Sの性格は大きく異なります。まずは、燃費と主要スペックを具体的に見ていきましょう。
A35 4MATICの燃費とスペック
現行のMercedes-AMG A 35 4MATICは、WLTCモード燃費11.5km/Lです。
走行環境別の公式燃費は、次のように公表されています。
- 市街地モード:8.1km/L
- 郊外モード:11.9km/L
- 高速道路モード:13.8km/L
最高出力は306PS、最大トルクは400Nm。2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、駆動方式には4WDを採用しています。
306PSという数字は、単なる「少し速いAクラス」の範囲を超えています。それでも総合燃費を11.5km/Lにまとめている点に、A35のバランス感覚があります。
AMGらしい加速と安定感を備えながら、日常生活にも持ち込みやすい。速さに心を動かされつつも、維持費や使い勝手という現実を完全には手放したくない人にとって、A35は魅力的な着地点です。
A45 S 4MATIC+の燃費とスペック
Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+の公式燃費は、WLTCモード11.1km/Lです。
走行環境別の公式燃費は、次のとおりです。
- 市街地モード:7.6km/L
- 郊外モード:11.5km/L
- 高速道路モード:13.5km/L
最高出力は421PS、最大トルクは500Nm。A35と同じく2.0L直列4気筒ターボを採用していますが、その性能とキャラクターはさらに先鋭的です。
421PSという出力を、Aクラスのコンパクトなボディで受け止める。その構成だけでも、A45 Sが標準車の延長線上にないことがわかります。
A35より115PSも高出力でありながら、WLTCモード燃費の差は0.4km/Lです。もちろん、実燃費まで同程度になるとは限りませんが、公式値だけを比べれば、A45 Sの効率は想像するほど極端に悪くありません。
A45 Sは、Aクラスの最上級グレードというより、AMGがAクラスのボディを使って作り上げた本格的なハイパフォーマンスモデルです。数字を見るだけでも、その設計思想の熱量が伝わってきます。
A180やA200 dとはどれくらい違う?
Aクラス AMGの燃費を正しく理解するには、標準モデルとの比較が欠かせません。
A 180 Urban Starsは16.9km/L、A 200 d Urban Starsは19.1km/Lです。AMGモデルと並べると、同じAクラスでも目指している価値がまったく異なることがわかります。
モデル WLTCモード燃費 最高出力 駆動方式
A 180 Urban Stars 16.9km/L 136PS 前輪駆動
A 200 d Urban Stars 19.1km/L 150PS 前輪駆動
Mercedes-AMG A 35 4MATIC 11.5km/L 306PS 4WD
Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+ 11.1km/L 421PS 4WD
A180とA35の燃費差は5.4km/L、A200 dとA45 Sの差は8.0km/Lです。年間走行距離が長いほど、この差は給油回数や燃料代となって表れます。
一方で、出力にも大きな差があります。A35はA180の2倍を超える最高出力を持ち、A45 SはA200 dの約2.8倍に相当する421PSを発生します。
A180やA200 dは、日常の使いやすさと燃料効率を大切にしたモデルです。A35とA45 Sは、そこへ加速性能、トラクション、応答性、高揚感を強く盛り込んでいます。
つまり、Aクラス AMGは標準モデルの豪華版ではありません。同じ車体形式を共有しながら、異なる目的で作られたクルマと捉えたほうが、燃費差にも納得しやすくなります。
年間1万km走ると燃料消費量はどれくらい違う?
燃費の数字だけでは、所有時の差をイメージしにくいものです。そこで、カタログ燃費どおりに年間1万km走った場合の理論上の燃料消費量を計算すると、次のようになります。
モデル 年間1万km走行時の燃料消費量の目安
A 180 Urban Stars 約592L
A 200 d Urban Stars 約524L
A35 4MATIC 約870L
A45 S 4MATIC+ 約901L
A35とA45 Sの差は年間約31Lです。公式燃費を基準にする限り、両車の燃料消費量には決定的な差がありません。
一方、A45 SとA200 dでは年間約377Lの差が生じます。実際の燃料代は、燃料の種類、価格、走行条件、渋滞の有無によって変わるため、購入検討時は次の式で計算するとわかりやすいでしょう。
年間燃料代の目安=年間走行距離÷想定実燃費×1Lあたりの燃料価格
ここから見えてくるのは、A35かA45 Sかで迷う場合、燃費差よりも車両価格、タイヤ、保険、整備費、そして欲しい走行体験を重視したほうがよいということです。
A45 AMGの実燃費は8km/L台?街乗り・高速で検証
A45 Sの実燃費は、試乗レビューでは8.5km/L前後が記録されています。WLTCモード11.1km/Lに対し、実際の走行では2〜3km/Lほど低くなるケースがあるということです。
ただし、実燃費は一定ではありません。市街地、高速道路、走行モード、渋滞、気温、エアコン使用、アクセル操作などによって変動します。
A45 Sの試乗実燃費は8.5km/L前後
webCGの試乗レビューでは、A45 S 4MATIC+の参考燃費として、満タン法で8.5km/L、車載燃費計で8.6km/Lという結果が示されています。
WLTCモード燃費は11.1km/Lなので、試乗時の実燃費は公式値に対して約77%です。
試乗記事では、燃費測定だけを目的に一定速度で走るとは限りません。加速性能や走行モード、ハンドリングを確認するためにアクセルを積極的に使う場面も含まれるため、すべてのオーナーが同じ数値になるわけではありません。
それでも、A45 Sを所有するなら、日常の実燃費が必ず11km/L前後になるとは考えないほうが安全です。市街地中心なら8km/L台をひとつの現実的な目安として受け止め、走行条件によってはさらに低下する可能性も見込んでおくべきでしょう。
僕は、この8.5km/Lという数字にA45 Sの性格がよく表れていると感じます。421PSの性能を持ち、アクセル操作に鋭く反応するクルマです。走りを試したくなる場面が増えるほど、燃料計の針もまた正直に動きます。
数字だけなら厳しい。しかし、その燃料が加速、音、トラクション、ステアリングの反応へ変換されていることが伝わるため、単なる浪費とは感じにくい。そこがA45 Sの不思議な説得力です。
A35の実燃費はA45 Sより現実的
A35は、A45 Sよりわずかに燃費が良く、性能と日常性のバランスを重視したモデルです。
webCGのA35試乗記では、当時のテスト車データとしてWLTCモード燃費12.2km/Lが紹介されています。現行日本仕様の公式値は11.5km/Lであり、モデルイヤーによる違いには注意が必要です。
A35も306PSを発生する高性能車なので、燃費重視のクルマではありません。街中の短距離移動や渋滞が多ければ、カタログ値から大きく下がる可能性があります。
それでも、A45 Sほどアクセルを踏みたくなる衝動が強くなく、コンフォートモードで穏やかに走れば、比較的落ち着いた数字を狙いやすいでしょう。
A35の価値は、AMGの刺激を薄めたことではありません。必要な熱を残したまま、毎日の生活へなじませる余白を持たせたことです。
朝の通勤にも使い、週末には山道や高速道路を楽しみたい。そんな使い方なら、A35のほうが燃費、性能、疲労感のバランスを取りやすいと僕は考えます。
街乗りでは燃費が低下しやすい
A35とA45 Sは、どちらも市街地モードの公式燃費が低めです。
A35は8.1km/L、A45 Sは7.6km/Lであり、WLTC総合値より明確に低くなっています。
市街地では、次のような条件が燃費を悪化させます。
- 信号による発進と停止が多い
- エンジンが温まる前に到着する
- 渋滞で低速走行が続く
- エアコンの負荷が大きい
- 発進時に強い加速を繰り返す
- スポーツ系モードを常用する
高性能エンジンは、アクセルを少し深く踏むだけでも豊かなトルクを発生します。本人は強く加速したつもりがなくても、一般的なAクラスより多くの燃料を使って速度を上げている場合があります。
特に短距離走行では、エンジンや駆動系が適温になる前に目的地へ着くため、燃費が伸びにくくなります。近所への買い物が中心なら、A35でもA45 Sでもカタログ値との差を感じやすいでしょう。
高速道路では13km/L台が公式値
高速道路モードの公式燃費は、A35が13.8km/L、A45 Sが13.5km/Lです。
一定速度で巡航できる場面では、市街地より燃費が大きく改善します。余裕のあるエンジンは、速度を維持するだけなら高回転を使い続ける必要がなく、高速巡航との相性は悪くありません。
ただし、追い越し加速を繰り返したり、速度変化の大きい走り方をしたりすれば、燃費は伸びにくくなります。A45 Sは高速道路でこそ力の余裕を感じやすいクルマですが、その余裕を頻繁に引き出せば、当然ながら燃料消費も増えます。
静かに巡航しているときのAMGには、速さとは別の魅力があります。いつでも加速できる力を背後に感じながら、実際には淡々と走る。その余白が、長距離移動の安心感につながります。
燃費を左右するのはアクセル操作と走行モード
Responseによれば、A35は0-100km/h加速4.7秒を実現し、走行モードとして次の5種類が用意されています。
- スリッパリー
- コンフォート
- スポーツ
- スポーツ+
- インディビジュアル
コンフォートモードは燃費を意識した制御となり、アイドリングストップも作動します。
反対に、スポーツやスポーツ+では、アクセルレスポンスや変速制御が積極的になります。ドライバーの入力に対して素早く反応するため、同じ道でも燃料消費が増えやすくなります。
つまり、Aクラス AMGの燃費は、クルマの性能だけでなく、乗り手の感情にも左右されます。
コンフォートで静かに流せば数字は整いやすい。スポーツ+でエンジンの反応を楽しめば数字は下がる。燃費計が、その日の運転の記録になるクルマなのです。
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なぜA45・A35 AMGの燃費は悪くなるのか
A45とA35の燃費が標準Aクラスより低い主な理由は、高出力ターボエンジン、4WDシステム、高性能タイヤ、冷却性能、走行安定性を優先した設計にあります。
燃費の数字だけを見ると「効率が悪い」と感じるかもしれません。しかし、内部の仕組みを理解すると、走りを成立させるために必要なエネルギーであることが見えてきます。
高出力2.0Lターボエンジンを搭載している
A35は306PS、A45 Sは421PSを発生します。
同じ2.0L直列4気筒ターボでも、一般的な実用車とは求められる性能が異なります。アクセルを踏んだ直後の応答、追い越し加速、高回転まで続く力強さを実現するには、相応の燃料が必要です。
低負荷で穏やかに走れば燃料噴射量を抑えられますが、ターボが過給を始め、高い出力を求めるほど燃料消費は増えます。
特にA45 Sの421PSは、コンパクトハッチとして極めて強力です。燃費が厳しくなるのは事実ですが、単に無駄が多いのではなく、これだけの性能を成立させるための必然でもあります。
4WDシステムが強力な加速を支えている
A35は4MATIC、A45 Sは4MATIC+を採用しています。
高出力を前輪だけで路面へ伝えようとすると、タイヤが空転しやすくなり、ステアリング操作にも影響が出ます。4WDは前後の駆動力を適切に配分し、発進時やコーナー立ち上がりで高いトラクションを確保します。
その一方で、駆動部品が増えるため、重量や機械抵抗の面では前輪駆動車より不利になります。
A180やA200 dが前輪駆動なのに対し、A35とA45 Sが4WDであることは、燃費差を考えるうえで重要です。AMGは燃料効率だけでなく、踏み込んだ瞬間に力を路面へ伝え切ることを選んでいます。
高性能タイヤと走行安定性も燃費に影響する
AMGモデルには、高いグリップ性能を持つタイヤが装着されます。
グリップの強いタイヤは、加速、制動、コーナリングで安心感をもたらしますが、一般に転がり抵抗や重量の面では燃費重視タイヤより不利になりやすい傾向があります。
さらに、幅の広いタイヤや空力装備、強化されたブレーキ、サスペンションなども、AMGらしい走りを支える大切な要素です。
これらはすべて、低燃費だけを目指すなら不要になるかもしれません。しかし、高速域で安定して曲がり、止まり、加速するためには欠かせません。
クルマは一部分だけで性能が決まるものではありません。エンジン、駆動系、タイヤ、ブレーキ、冷却、ボディがひとつの方向を向いたとき、初めてAMGらしい走りが生まれます。
A45 Sはエンジン技術にも本気が注がれている
Car Watchの試乗インプレでは、A45 SのM139エンジンについて、F1由来とされるナノスライド技術や、ローラーベアリングの採用によるフリクション低減が紹介されています。
つまりA45 Sは、燃料を無造作に使って出力を得ているわけではありません。高い出力と鋭いレスポンスを成立させながら、内部抵抗や損失を減らす技術も投入されています。
ただし、その技術が向かう先は燃費競争ではありません。高出力でも気持ちよく回り、アクセルへ即座に反応し、AMGらしい運転体験を作ることが優先されています。
僕はここに、A45 Sの思想がよく表れていると感じます。燃費を犠牲にして雑に速くしたのではなく、速さを磨いたうえで、可能な限り無駄を削っているのです。
A35は理性寄り、A45 Sは情熱寄り
A35とA45 Sは、同じAMGでも役割が異なります。
A35は、日常で扱いやすいサイズと実用性を保ちながら、AMGらしい刺激を加えたモデルです。速いけれど、現実の暮らしの中に置いておける。そこがA35の強みです。
A45 Sは、その一歩先にいます。実用性を備えてはいるものの、設計の中心には走行性能があります。
僕の感覚では、A35は「速い実用車」、A45 Sは「日常でも使える本格的な高性能車」です。
A35は、現実とのバランスを楽しむクルマ。A45 Sは、現実ごと飲み込むほどの熱量を楽しむクルマ。その違いが、燃費への向き合い方にも表れています。
Aクラス AMGは燃費が悪くても買う価値がある?
ベンツAクラス AMGに買う価値があるかどうかは、燃費の悪さを理解したうえで、加速性能や運転体験に価値を感じられるかで決まります。
燃費だけを評価基準にするなら、A180やA200 dのほうが合理的です。それでもA35やA45 Sが選ばれるのは、標準モデルでは得られない濃い体験があるからです。
燃費だけで見るとおすすめしにくい人
次の条件に当てはまる人には、Aクラス AMGを積極的にはすすめにくいでしょう。
- 通勤や買い物など短距離移動が中心
- 毎月の燃料代をできるだけ抑えたい
- 年間走行距離が長い
- タイヤや整備を含む維持費を重視する
- 速さより静粛性と効率を求める
- ハイオク代を負担に感じる
Aクラス AMGは、節約のために選ぶクルマではありません。
標準モデルと同じAクラスという名前だからといって、維持費まで同じ感覚で考えると、給油やタイヤ交換のたびに負担を感じる可能性があります。
ここは夢だけで包まず、購入前に明確にしておく必要があります。A35もA45 Sも、性能を維持するためのコストが必要な高性能車です。
それでもAクラス AMGを選ぶ理由
Aクラス AMGには、燃費だけでは説明できない魅力があります。
ボディサイズは街中でも扱いやすい一方で、アクセルを踏み込むと強烈な加速を見せます。日常的なコンパクトカーの姿から、瞬時に高性能車へ表情を変える。この落差が、Aクラス AMGの大きな魅力です。
A35は、日常生活へAMGの刺激を持ち込みやすい一台です。通勤や買い物にも使えますが、曲がりくねった道や高速道路へ入れば、標準Aクラスとは異なる反応を見せます。
A45 Sは、その世界をさらに濃くしたモデルです。421PSの加速だけでなく、4WDの安定感、ステアリングに対する素早い反応、強力な制動力まで含めて、本気で作り込まれています。
速いクルマは数多くあります。しかし、日常的なサイズのボディにこれほどの性能を詰め込んだクルマは多くありません。
Aクラス AMGは、燃費の数字で欲しくなるクルマではなく、運転席で得られる体験によって欲しくなるクルマです。
燃費以外に確認したい維持費
A35とA45 Sを検討するときは、燃料代だけで判断しないことが大切です。
高性能車では、次の費用も確認しておきましょう。
- 自動車保険料
- 高性能タイヤの交換費用
- ブレーキ部品の交換費用
- 定期点検と消耗品費
- 車検時の整備費
- 保証終了後の修理費
- 駐車環境や防犯対策
特にタイヤやブレーキは、走行性能に直結する部分です。安さだけを理由に性能の合わない部品へ交換すると、AMG本来の安全性や走りを損ねる可能性があります。
購入前には、車両価格と燃費だけでなく、年間走行距離、保険見積もり、タイヤサイズ、点検プランまで含めて考えるべきです。
僕は、高性能車の所有で後悔を減らすには「買えるか」より「無理なく維持し続けられるか」を見ることが重要だと考えています。
後悔しない判断基準
Aクラス AMGで後悔しやすいのは、「Aクラスの少し豪華な上級グレード」という感覚だけで選んでしまう人です。
その見方では、給油頻度や維持費が想像以上に重く感じられるかもしれません。
反対に満足しやすいのは、最初からAMGを標準Aクラスとは別の存在として理解している人です。
- 実燃費8〜11km/L程度でも許容できるか
- 短距離中心の使い方にならないか
- 高性能タイヤなどの維持費を負担できるか
- 306PSまたは421PSの性能を本当に求めているか
- 試乗して乗り心地や音を確認したか
- 数年後も所有したいと思えるか
燃費を見て悩むのは当然です。むしろ、現実をきちんと考えている証拠でしょう。
その数字を理解したうえで、それでもハンドルを握りたいと思えるなら、Aクラス AMGは高い満足感を与えてくれる可能性があります。
A35とA45 Sはどちらを選ぶべき?
日常性と燃費のバランスを重視するならA35、性能と特別感を優先するならA45 Sが向いています。
公式燃費差は0.4km/Lしかないため、燃費だけで決めるより、必要な性能と維持費の総額で選ぶべきです。
A35がおすすめな人
A35は、次のような人に向いています。
- AMGの世界に初めて入る人
- 通勤や買い物にも日常的に使う人
- 速さと現実のバランスを重視する人
- A45 Sほどの出力までは必要ない人
- 比較的穏やかな乗り心地を求める人
- 走行モードを使い分けて楽しみたい人
A35の魅力は、ひと言で表すならちょうどよい熱さです。
306PS、4WD、AMGらしいレスポンスを備えながら、毎日の生活で扱える感覚が残されています。速さを楽しみたい気持ちに応えつつ、使い勝手を大きく崩しません。
A35を単なる入門グレードと見るのは正確ではありません。日本の道路環境で性能を使い切れる場面を考えると、むしろA35のほうが、日常でAMGらしさを味わいやすい可能性があります。
アクセルをわずかに開けたときの力強さ、交差点を曲がったあとの立ち上がり、高速道路での余裕。そうした小さな場面にも、AMGの味わいがあります。
冷静に選んだつもりでも、乗るほどに愛着が深まっていく。A35は、そのような満足につながりやすいモデルです。
A45 Sがおすすめな人
A45 Sは、次のような人に向いています。
- 燃費より運転体験を優先する人
- AMGの本気を味わいたい人
- 421PSという性能に価値を感じる人
- どうせ選ぶなら頂点がよいと考える人
- A45 S独自のキャラクターに惹かれる人
- 維持費を理解したうえで所有できる人
A45 Sは、スペックを見るだけでも特別です。
421PSという数字に目を奪われますが、魅力は最高出力だけではありません。コンパクトな車体へ高出力エンジン、4WD、強力なブレーキ、緻密なシャシー制御を組み合わせています。
A35との公式燃費差は小さい一方で、性能差とキャラクターの濃さは明確です。
そのため、「燃費があまり変わらないならA45 Sを選びたい」と考える人もいるでしょう。ただし、実際の維持費は燃費だけで決まりません。車両価格、保険、タイヤ、ブレーキ、整備費も含めて比較する必要があります。
A45 Sは、理屈で比較しているうちに、最後は感情が判断を下すタイプのクルマです。
数字を見ても楽しい。構造を知っても面白い。実際に走らせれば、さらに欲しくなる。燃費を気にしていないのではなく、気にしたうえでなお惹かれてしまうのです。
A35とA45 Sの選び方を比較
比較項目 A35 4MATIC A45 S 4MATIC+
公式燃費 11.5km/L 11.1km/L
最高出力 306PS 421PS
最大トルク 400Nm 500Nm
性格 日常性とのバランス型 性能を優先した本格派
向いている用途 通勤・街乗り・長距離 趣味性・走行体験重視
選ぶ基準 使いやすさと刺激 特別感と圧倒的性能
A35は、現実の中でAMGを楽しみたい人に合います。A45 Sは、AMGの本気を味わうこと自体を目的にできる人に合います。
どちらが上かではなく、どちらの熱量が自分の暮らしに合うか。その視点で比べると、答えは見つけやすくなります。
AMGの燃費を少しでも良くする乗り方
A35とA45 Sの燃費を改善するには、コンフォートモードを活用し、急加速を減らし、高速道路では一定速度を保つことが基本です。
AMGの楽しさを封印する必要はありません。大切なのは、刺激を楽しむ場面と、穏やかに流す場面を分けることです。
発進時にアクセルを踏み込みすぎない
信号待ちから発進するたびに深くアクセルを踏むと、Aクラス AMGはすぐに大きなトルクを発生します。
それこそが魅力ですが、市街地では必要以上の加速になっていることもあります。最初の数秒だけ丁寧に踏み、流れに乗ってから速度を整えると、燃費の悪化を抑えやすくなります。
アクセルを我慢するというより、踏み始めを滑らかにする意識が大切です。
短距離移動を減らす
AMGに限らず、短距離走行が続くと燃費は伸びません。
エンジンや駆動系が適温になる前に停止するため、効率の悪い状態が繰り返されます。エアコンの負荷も走行距離に対して大きくなります。
近隣の用事をまとめ、1回の走行距離を少し長くするだけでも、平均燃費が安定しやすくなります。
Aクラス AMGのような高性能モデルでは、短い移動を何度も繰り返すより、ある程度まとまった距離を走るほうが、クルマの調子という面でも自然です。
高速道路では一定速度を意識する
高速道路は、A35とA45 Sの燃費が比較的伸びやすい環境です。
速度変化を少なくし、前方の流れを早めに読んでアクセルを調整すると、不要な加速と減速を減らせます。
車間距離に余裕を持てば、前車が減速したときも、すぐにブレーキを踏まずアクセルを戻すだけで対応しやすくなります。
速いクルマで淡々と巡航する時間には、独特の気持ちよさがあります。力を見せつけなくても、いつでも使える性能が静かに待機している。その余裕もAMGの魅力です。
市街地ではコンフォートモードを使う
市街地ではコンフォートモードを基本にすると、燃費が安定しやすくなります。
スポーツやスポーツ+はアクセルレスポンスが鋭く、エンジン回転を高めに保つ傾向があります。必要のない場面で常用すると、燃料消費が増えやすくなります。
街中ではコンフォート、高速道路の合流や曲がりくねった道では必要に応じてスポーツへ切り替える。この使い分けが合理的です。
ずっと刺激を求めるより、静かな時間があるからこそ、モードを切り替えた瞬間の変化が鮮明になります。
タイヤの空気圧を適正に保つ
タイヤの空気圧が低いと転がり抵抗が増え、燃費に影響します。
Aクラス AMGは高性能タイヤを装着し、走りの精度が高いクルマです。空気圧が適正でないと、燃費だけでなく、ハンドリング、制動、タイヤ摩耗にも悪影響を及ぼします。
空気圧は、車両指定値を基準に定期的に確認しましょう。走行前のタイヤが冷えている状態で測定するのが基本です。
荷物や乗車人数によって推奨値が異なる場合もあるため、車両の表示や取扱説明書を確認してください。
不要な荷物を載せ続けない
車内や荷室へ重い荷物を積みっぱなしにすると、発進や加速のたびに余分なエネルギーが必要になります。
1回あたりの差は小さくても、日常的に積載したまま走れば燃料消費へ影響します。
特に使っていない工具、レジャー用品、荷室の収納物は定期的に整理しておくとよいでしょう。ただし、安全装備や緊急用品まで降ろす必要はありません。
メンテナンス状態を整える
エンジンオイル、エアフィルター、点火系、タイヤ、ホイールアライメントなどの状態も、走りと燃費に影響します。
高性能車では、小さな不調がレスポンスや滑らかさの違いとして現れやすいものです。
定期点検を受け、警告灯や異音、振動、燃費の急激な悪化がある場合は早めに確認しましょう。
AMGに乗るうえで大切なのは、速さを我慢することではありません。楽しむ場面では楽しみ、移動する場面では滑らかに走る。そのメリハリが、燃費だけでなく、クルマとの時間そのものを豊かにします。
A45・A35の燃費から考える購入前の注意点
Aクラス AMGを購入する前には、カタログ燃費だけでなく、自分の走行環境でどの程度の実燃費になりそうかを考える必要があります。
同じA45 Sでも、高速道路中心の人と、都市部で短距離走行を繰り返す人では、燃料代が大きく異なります。
自分の年間走行距離を確認する
まず、現在乗っているクルマの年間走行距離を確認しましょう。
年間5,000kmの人と、年間2万kmの人では、燃費差が家計へ与える影響がまったく違います。
走行距離が長い人ほど、カタログ値ではなく、街乗り中心なら8〜10km/L程度など、少し厳しめの実燃費を使って試算するほうが安心です。
毎月の給油量を試算する
たとえば、月1,000km走行し、実燃費が8.5km/Lなら、必要な燃料は約118Lです。
実燃費10km/Lなら約100L、11.5km/Lなら約87Lとなります。
燃料価格は時期や地域によって変動するため、購入時点のハイオク価格を使って計算してください。
実燃費が1km/L違うだけでも、年間では無視できない差になる場合があります。
試乗では平均燃費だけを見ない
試乗車の平均燃費表示は、過去に乗った人の運転やアイドリング時間も含むため、その数字だけで判断するのは危険です。
試乗では、次の点を確認しましょう。
- 発進時のアクセルの扱いやすさ
- コンフォートモードでの穏やかさ
- スポーツモードとの変化
- 低速時の乗り心地
- 駐車場での取り回し
- エンジン音や排気音が生活に合うか
- ブレーキの反応
- 日常速度で満足できるか
重要なのは、速さを確認することだけではありません。毎日使う速度域で心地よく運転できるかを確かめることです。
A45 Sの性能に感動しても、乗り心地や音、維持費が自分の暮らしに合わなければ、長期所有では負担になる可能性があります。
中古車は整備履歴を重視する
中古のA35やA45 Sを検討する場合、価格や走行距離だけでなく、整備履歴を確認してください。
高性能車は、以前のオーナーの使い方によって状態が変わりやすい傾向があります。
点検記録、消耗品の交換履歴、タイヤの状態、ブレーキの残量、警告灯の有無などを確認し、可能であれば正規販売店や専門知識のある販売店で相談するのが安心です。
燃費が以前より極端に悪い場合、単なる乗り方だけでなく、タイヤ空気圧やセンサー、点火系、吸気系などの状態が関係している可能性もあります。
よくある質問
A45の燃費はどれくらいですか?
Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+の公式燃費は、WLTCモード11.1km/Lです。
内訳は市街地モード7.6km/L、郊外モード11.5km/L、高速道路モード13.5km/Lです。試乗レビューでは8.5km/L前後の実燃費が記録されています。
A35の燃費はどれくらいですか?
Mercedes-AMG A 35 4MATICの公式燃費は、WLTCモード11.5km/Lです。
内訳は市街地モード8.1km/L、郊外モード11.9km/L、高速道路モード13.8km/Lです。短距離や渋滞が多い場合は、公式値より低くなる可能性があります。
A45 AMGの実燃費は何km/Lですか?
試乗レビューでは、満タン法8.5km/L、車載燃費計8.6km/Lという参考値が示されています。
実燃費は、街乗り、高速道路、走行モード、渋滞、気温、アクセル操作によって変わります。市街地中心なら8km/L台も想定しておくと現実的です。
A35とA45 Sではどちらの燃費がいいですか?
公式値ではA35のほうがわずかに良好です。
A35は11.5km/L、A45 Sは11.1km/Lで、その差は0.4km/Lです。燃費差は小さいため、購入時は出力、乗り心地、車両価格、維持費の総額で比較したほうがよいでしょう。
ベンツAクラス AMGの燃費は悪いですか?
Aクラス全体で比べると低めです。
A180は16.9km/L、A200 dは19.1km/Lなので、A35とA45 Sは明確に燃費で劣ります。ただし、高出力エンジンと4WDを備えた高性能車として評価すると、見え方は変わります。
燃費を重視するならAクラス AMGは避けるべきですか?
燃費を最優先するなら、A180やA200 dのほうが適しています。
一方、走る楽しさ、加速性能、4WDの安定感、AMG独自の体験を重視するなら、A35やA45 Sには標準モデルでは得られない価値があります。
A45 Sは高速道路なら燃費が良くなりますか?
高速道路モードの公式燃費は13.5km/Lで、市街地モードの7.6km/Lより良好です。
一定速度で巡航すれば燃費は伸びやすくなりますが、強い加速や速度変化を繰り返すと低下します。
A35は通勤にも使えますか?
サイズや実用性の面では、通勤にも使いやすいモデルです。
ただし、短距離や渋滞中心では燃費が伸びにくくなります。燃料代と乗り心地を試乗で確認し、自分の通勤環境に合うか判断してください。
まとめ|A45とA35の燃費は走りとの交換条件
ベンツAクラス AMGの公式燃費は、A35が11.5km/L、A45 Sが11.1km/Lです。Aクラス全体で見れば低く、燃費の良いクルマとは言えません。
A45 Sの試乗レビューでは8.5km/L前後が記録されており、街乗りやスポーツ走行では、実燃費が8km/L台になる可能性を考えておく必要があります。
一方で、A35は306PS、A45 Sは421PSを発生します。高出力ターボエンジンと4WDを組み合わせ、強力な加速と安定性を実現していることを考えれば、燃費だけで価値を判断するのは適切ではありません。
A35には、日常性と刺激を両立する絶妙なバランスがあります。毎日の移動に使いながら、必要なときにAMGらしい熱を呼び起こせるモデルです。
A45 Sには、421PSという数字だけでは表現しきれない本気があります。アクセルの反応、路面を捉える感覚、コンパクトな車体との落差。そのすべてが、特別な運転体験へつながっています。
僕の考えでは、A35とA45 Sの燃費は、単なる欠点ではありません。それぞれが何を優先して作られたのかを映す鏡です。
A35は、現実の生活とAMGの刺激をつなぐクルマ。A45 Sは、日常の風景へ非日常の性能を持ち込むクルマです。
燃費や維持費を理解したうえで、それでもハンドルを握りたいと思えるか。その答えが購入判断の中心になります。
クルマは鉄だけでできているのではありません。アクセルを踏んだ夜の空気、ステアリングから伝わった路面、目的もなく遠回りした記憶によって、少しずつ自分だけの一台になっていきます。
Aクラス AMGは燃料を多く使うかもしれません。けれど、その燃料を、心に残る時間へ変える力を持っています。
情報ソース・参考文献
本記事では、メルセデス・ベンツ日本の公式資料を基準に、現行日本仕様の主要諸元、WLTCモード燃費、出力などを確認しています。
そのうえで、A35とA45 Sの実燃費や走りの特徴を立体的に把握するため、webCG、Response、Car Watchの試乗記事とニュース記事を参考にしました。
A35の一部試乗記事にはモデルイヤーの違いがあります。装備、諸元、燃費、価格は変更される場合があるため、購入を検討する際は、最新の公式カタログと正規販売店の案内を確認してください。
- メルセデス・ベンツ日本|A-Class Hatchback Data Information
- webCG|メルセデスAMG A35 4MATIC(4WD/7AT)試乗記
- webCG|メルセデスAMG A45 S 4MATIC+(4WD/8AT)試乗記
- Response|メルセデス・ベンツ Aクラス新型に初のAMG「A35」発表
- Car Watch|メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ 試乗インプレ
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