夜明け前の峠道。
霧が薄く漂い、遠くで鹿の鳴く声が消えていく。
ヘッドライトの光が白い空気を裂き、エンジンの鼓動が眠る山を静かに叩く。
その車は──スズキ・ジムニー・ノマド。
この20年、数え切れない車と“道”を共にしてきた僕の記憶の中でも、
これほど「無骨」という言葉を美しく昇華させた存在は、そう多くない。
5ドアの新しい姿に宿るのは、ジムニーが半世紀かけて育んできた“原点”と“進化”の共存。
それは、単なる派生ではなく、時代に挑む一つの哲学だ。
かつて僕は、北海道の雪原を走る初代SJ30にも、
アフリカの赤土を駆けるJB74にもハンドルを握った。
どの世代にも共通していたのは──「自由を形にしたい」という意志。
そして今、ノマドはその意志をさらに洗練させ、
“無骨の中に美を宿す”という新たなステージに立っている。
この記事では、そんなジムニー・ノマドを“カスタム”という名の表現で読み解く。
それは、パーツを足すことではなく、
「自分という個性を磨くための旅」を始めることに他ならない。
──この小さなボディに、あなたの生き方を映し出すために。
第1章|ジムニー・ノマドとは──“無骨”が洗練された日

ジムニー・ノマド。
その名を初めて聞いたとき、正直、胸が高鳴った。
「ついにスズキが本気で“新しい冒険者”を作ったな」と。
3ドアで培ったピュアな走破性能を核に、5ドア化で実用と快適を融合させた。
オフローダーとしての血統を守りながら、ファミリーツアラーの包容力を手に入れた──
まるでジムニーが、ひとつ上のステージに“進化”した瞬間を見たようだった。
実際に触れてみると、その完成度の高さに驚く。
ドアを開けた瞬間、後席の広さ、荷室の余裕、そして後ろから差し込む自然光がつくる開放感。
無骨なはずの車内が、なぜか居心地がいい。
まるで「荒野に置かれたサロン」のようだ。
名前の「NOMAD(ノマド)」は放浪者を意味するが、これはただの言葉遊びではない。
僕はこれを“自由を自分で設計できる車”だと感じている。
都市でも山でも、砂利道でも舗装路でも、心が向く方へステアリングを切ればいい。
ジムニー・ノマドは、その「行きたい」という気持ちを裏切らない。
外観も素晴らしい。
スクエアなボディと台形のフェンダー、伝統の丸目ライト。
誰が見てもジムニーだとわかるその姿に、5ドアの均整が加わることで、
従来の「ワイルド」から「洗練された無骨」へと変化している。
正面から見ると、まるで“筋肉にスーツを着せた”ようなバランスだ。
Motor-Fan.jpも「都市と自然、どちらにも似合うジムニー」と評しているが、
まさにその通りだ。
ガレージに停めても画になる。
林道を抜けてもサマになる。
どちらの場所でも主役になれるクルマは、そう多くない。
さらに、スズキ純正アクセサリーカタログ
(スズキ公式PDF)を開くと、
ノマド専用デザインのガーニッシュやバンパーが並んでいる。
見ているだけで「この車を自分の色にしたい」という衝動が湧く。
ジムニーらしさを残しながら、新しい個性を引き出せる──
それがノマドというプラットフォームの凄みだ。
──この車は、どんな道でも“日常を冒険”に変えてくれる。
そして、あなた自身の感性をもう一段引き上げてくれる。
第2章|カスタムの方向性を決める──「道」と「美学」の選択

ジムニー・ノマドのカスタムを考えるとき、僕がまず伝えたいのは、
「何を付けるか」ではなく、“どんな景色をこの車で見たいか”だ。
そう思いながら取材や試乗を重ねてきたが、この車ほど方向性の振れ幅が大きいモデルは珍しい。
ひとりは砂煙を上げるダートへ、もうひとりはコーヒー片手に都心のカフェへ──
同じノマドでも、その姿はまるで別の車のようになる。
「どちらの道に進むか?」
その瞬間から、あなたのノマドは“あなた専用の一台”になる。
その選択こそが、カスタムの醍醐味だ。
オフロード志向──野性を解き放つカスタム
リフトアップで地面との距離を広げ、トレッドの深いマッドタイヤを履かせる。
フロントにスチールバンパー、サイドにロックガード。
作業のたびに手が少し汚れるのが、妙にうれしい。
そうして完成したノマドは、もう“道具”ではない。
まるで「自然と交わす相棒」だ。
雨上がりの林道で泥を跳ね上げるとき、あなたの中の冒険心が目を覚ます。
ここにあるのは、“守り”ではなく“挑み”の美学。
塗装の小さな傷が、まるで勲章のように見えてくる。
このタイプのノマドは、静かに立っているだけで物語を持っている。
スタイリッシュ志向──都会の中の“無骨な品格”
もうひとつの方向は、街を舞台にした“洗練のジムニー”。
オーバーフェンダーをボディ同色で仕上げ、ミラーはブラッシュドメタル。
LEDデイライトがスッと点いた瞬間、思わず「おお」と声が出る。
オフロードのタフさを内に秘めながら、
見た目は上質なSUVのように整っている。
このギャップが、たまらなく魅力的だ。
僕が初めてこの仕様のノマドを見たとき、
「こんなに都会が似合うジムニーがあったのか」と素直に驚いた。
無骨さと上品さが同居する、その絶妙なバランスに惚れた。
どちらの道も正解だ。
ジムニー・ノマドは、その“余白”の広さこそが魅力だと思う。
大切なのは、スペックではなく、
「この一台で、どんな感情を走らせたいか」を自分に問うこと。
──カスタムとは、飾ることじゃない。“自分の世界を形にすること”だ。
第3章|外装カスタムの核心──フォルムが語る冒険心

ジムニー・ノマドを前にすると、まず「この車、どこまで化けるんだろう」とワクワクする。
スクエアなボディにぎゅっと詰まったポテンシャル。
外装カスタムは、その“眠っている個性”を呼び覚ます作業だ。
ノマドの造形は、ただの四角い箱じゃない。
張り出したフェンダー、一直線に走るサイドシル、立ち上がったボンネット。
その一つひとつが、「どんな道でも行ける」という意思の塊だ。
カスタムを考えながらボディを眺めていると、
“どんな顔に仕上げようか”“どんな場所に似合うだろう”と、自然に想像が広がる。
無骨を軸に、ほんの少しの遊び心を足す──その瞬間がたまらなく楽しい。
グリル&バンパー──“顔”が変わるだけで性格が変わる
外装カスタムで一番ワクワクするのは、やっぱり“顔”を変える瞬間だ。
グリルやバンパーを付け替えるだけで、車がまるで別人になる。
ガレージで新しいパーツを仮合わせしているとき、もう笑顔が止まらない。
たとえば、DAMD「little G.」を装着すると一気にクラシックな雰囲気に。
まるでコンパクトなGクラスだ。
一方、APIO「WILD BOAR」ならラリーマシンのような精悍さ。
この“方向性の振れ幅”が、ノマドの面白さだ。
縦スリットのグリルなら力強く、横基調なら穏やかに。
ほんの少しの造形の違いで、印象もキャラクターも変わる。
純正のメッシュグリルも完成度が高く、最初から「カスタムして遊んでください」と言わんばかりだ。
ルーフラック&フェンダー──道具が語るストーリー
ルーフラックを載せた瞬間、ノマドは“旅の顔”になる。
ギアを積んで、外に飛び出したくなる。
アウトドア派なら、ここでテンションが一段階上がるはずだ。
重心が上がるぶん全体のバランスを考えるのも楽しい。
フェンダーやサイドステップを合わせると、見た目がグッと締まる。
マットブラックで統一すればワイルドに、メタル調なら都会的に。
方向性が変わるたびに「まだこの車、伸びしろあるな」と実感する。
カラーデザイン──“自然”と響き合う色
ノマドのカラーバリエーションは、見ているだけで心が躍る。
ジャングルグリーンは深い森に似合い、シフォンアイボリーはどんな光でも優しい。
ミディアムグレーは、街でも自然でも浮かない万能カラー。
そこにどんなパーツを組み合わせるかで、まったく違う表情を見せる。
マットブラックのアクセントを加えればオフロードギアのように引き締まり、
クロームやガンメタを散らせば高級感すら漂う。
自分のノマドがガレージで完成していく過程を見ると、
「次はどこを変えようか」と自然に考えてしまう。
この車は、カスタムのアイデアが尽きない。
まるで無限に遊べるブロック玩具みたいだ。
──外装をいじるたびに、ノマドが“自分だけの冒険仕様”になっていく。
参考:
Motor-Fan.jp|ジムニー・ノマド カスタム特集
DAMD 公式サイト
APIO 公式サイト
第4章|内装カスタム──“荒野の中の静寂”をデザインする

ノマドのドアを閉めた瞬間、外の喧騒がスッと消える。
エンジン音も、風の音も、全部が遠ざかって、代わりに広がるのは“自分だけの空気”。
この車の本当の魅力は、じつはここから始まる。
運転席に腰を下ろした瞬間、ふと「この空間をもっと自分らしくしたい」と思う。
内装カスタムの面白さは、まさにその感情から始まるんだ。
派手さはいらない。けれど、座るたびに「いいな」と思える空間を作る。
それがジムニー・ノマドを長く楽しむコツだ。
ガーニッシュとパネル──“手が喜ぶ”カスタムから始めよう
まず手をつけたくなるのは、ダッシュボードやドアパネル。
マットブラックで締めると全体が引き締まり、ブラッシュドメタル調にすると一気に高級感が増す。
実際に取り付けてみると、その変化にニヤッとしてしまう。
「お、雰囲気変わったな」と思える瞬間がたまらない。
小さなパーツでも、車全体の印象がガラッと変わるのがノマドの面白さだ。
毎日触れる場所だからこそ、素材の質感にはこだわりたい。
指先が喜ぶ感触を選べば、運転のテンションが自然と上がる。
──“触れた瞬間にテンションが上がる”。それが正解。
シートカバー&フロアマット──乗るたびに「自分の部屋」に帰る感覚
ここは内装カスタムの本番だ。
シートとマット、この2つを変えるだけで、別の車に生まれ変わる。
防水ラバーマットを敷けば、キャンプや釣り帰りでも気にせず乗れる。
アウトドア派はここでテンションMAXだろう。
逆に、レザーやスエード調で揃えると、上質なリビングのような落ち着きが出る。
僕はこの「方向性を決める時間」が大好きだ。
旅仕様にするか、都会仕様にするか。
どちらも似合ってしまうのがノマドのずるいところ。
純正のフィッティングはもちろん完璧。
だが、アフターパーツの遊び心も捨てがたい。
自分の好みを反映した瞬間、ノマドは一気に“自分の相棒”になる。
──シートを変えると、走り出す前から気分が違う。
ステアリングとインパネ──感触でドライブの気持ちが変わる
ステアリングを交換すると、車との距離感が一気に縮まる。
この感覚、やった人にしかわからないと思う。
グリップの太さ、素材の温度、回したときの滑らかさ。
ウッドならクラシックに、カーボンならスポーティに、アルカンターラなら手に馴染む贅沢さ。
どれを選んでも、確実に「運転が楽しくなる」。
インパネ周りのカスタムも同じ。
エアコンリングやスイッチパネルを変えるだけで、驚くほど印象が変わる。
それが完成したときの達成感といったら…思わず写真を撮りたくなるほどだ。
──ノマドの内装は、触れるたびに“自分の気分”を上げてくれる。
参考:
スズキ純正アクセサリーカタログ
ATV-YOURS|ジムニー ノマド内装パーツ特集
第5章|リフトアップ&足まわり──美しき“機能美”の追求

リフトアップ――この言葉を聞くだけで、なんだかワクワクしてくる。
ただ車高を上げるだけ? いや、それは半分しか合っていない。
これは「ジムニー・ノマドを本気で自分仕様にする儀式」だ。
リフトアップして最初に走り出した瞬間、目に入る世界が違う。
視界が広がって、車体全体に力がみなぎる感じ。
林道での段差を軽くいなすとき、思わず「うわ、これ楽しいな」と声が出る。
ノマドのリフトアップは、見た目の迫力を求めるだけじゃない。
“走破する余裕”を手に入れるチューニングだ。
ただ高くするだけじゃなく、「どんな道でも行ける安心感」を作り出す。
この安心感が生まれた瞬間、もうノーマルには戻れなくなる。
リフトアップの種類と思想──どんな“走り方”を選ぶか
リフトアップには2つの方向がある。
ひとつはライトリフトアップ(約30mm)。
街乗りも快適なまま、ほんの少し“冒険の匂い”を漂わせる仕様。
このくらいでも、見た目と走破性のバランスは完璧だ。
もうひとつはハードリフトアップ(50〜80mm以上)。
これはもう本気仕様。トレイルや岩場に行きたくなるレベル。
車体を持ち上げた瞬間から、ノマドの表情が変わる。
整備工場のリフトでその姿を見上げながら、「これだよ、これ」と笑ってしまう。
ただし、上げすぎは注意。
アライメントや車検対応の確認を怠ると、せっかくの美しさが台無しになる。
重要なのは“高さ”ではなく“バランス”だ。
──リフトアップは、数字じゃなくフィーリング。心の高揚が基準だ。
スプリングとダンパー──走りの“質感”をチューニングする
リフトアップの面白さは、パーツを選ぶところから始まる。
APIOの「TAKUMIサスペンション」はしなやかで、まるで足が地面を撫でているような感触。
JAOSの「BATTLEZシリーズ」は剛性感が強く、ステアリング操作にキレが出る。
どちらも装着して走ると、車の性格がガラッと変わる。
段差を超えるたびに「おおっ」と声が出るほど違う。
乗り味にこだわる人なら、ここで無限に沼れる。
サスペンションを変えると、車と対話しているような感覚になる。
ハンドルから伝わる細かな路面の“語りかけ”が心地いい。
この一体感、味わったらもう忘れられない。
──ノマドの足まわりは、“地面と会話するためのアンテナ”だ。
ホイールとタイヤ──スタイルを決める最後の仕上げ
仕上げはやっぱり足もと。
ホイールとタイヤの組み合わせ次第で、ノマドのキャラクターが決まる。
スチールホイールで攻めるか、軽量アルミでスタイリッシュにいくか。
マットガンメタやブロンズでまとめれば、アウトドア感が一気に増す。
一方でブラックポリッシュを選べば、都会的で精悍な印象になる。
タイヤは信頼のTOYO「OPEN COUNTRY」や
BFGoodrichの「All-Terrain T/A」が定番。
見た目も走りも裏切らない。
取り付けた瞬間、足もとが締まり、思わず写真を撮りたくなる。
作業が終わってガレージからノマドを出すと、
視界が高く、構えがたくましくなっている。
この瞬間のワクワク感は、何度やっても飽きない。
──リフトアップの快感は、“見下ろす景色”ではなく、“新しい自分”に出会うこと。
参考:
Response.jp|ジムニー・ノマド カスタム特集
Motor1.com|Suspension Upgrade Review
第6章|ライト・電装カスタム──夜を照らす美意識

暗くなったガレージで、ライトを点けた瞬間のあの高揚感。
白い壁に光が当たり、反射したその輝きが「よし、やった」と言っているように感じる。
ジムニー・ノマドのライトカスタムは、ただの“照明交換”じゃない。
「夜の楽しみ方を変える作業」だ。
峠の闇を切り裂くヘッドライト、キャンプサイトで灯るフォグの光、
テールに宿る赤い余韻。
そのひとつひとつが、自分だけの夜を演出してくれる。
やればやるほど、「あの暗闇をもう一度走りたい」と思えてくる。
だからこのカスタムは、楽しくて仕方がない。
LEDヘッドライト──夜の道が“自分のステージ”になる
ノマドの純正LEDも優秀だが、カスタムの世界はもっと深い。
「どんな光で夜を照らしたいか」──ここで車の性格が決まる。
たとえばIPF製のホワイトLEDを入れたときの“パキッ”とした照射感。
雪道でも霧の夜でも、視界が一気にクリアになって、
「うわ、夜が明るい!」と笑ってしまう。
逆に、ValentiやPIAAの電球色LEDは温かみがあって、
まるでランタンをぶら下げて走っているような優しい光。
山の夜道でこの光を見ると、思わずもう少し遠くまで行きたくなる。
ライトを交換して初めてスイッチを入れる瞬間、
誰もがちょっとニヤッとする。
あれが、このカスタムの一番の“ご褒美”だ。
フォグランプ&テールランプ──「光」で印象を操る
ライトの次にハマるのがフォグとテール。
ここを変えると、ノマドの印象が一気に変わる。
フロントのフォグは、クルマの表情そのもの。
クラシックに行くなら丸目タイプ、
モダンに行くならスクエアタイプがハマる。
Valentiの「ジュエルLEDシリーズ」やIPFの「Super J Beam」は、
明るさもデザインも完成度が高い。
夜の街で光る姿をミラー越しに見るたび、「やっぱこれにして正解だった」と思える。
テールランプをスモークに変えたら、夜の印象がガラッと変わる。
赤い光が後方でふわっと浮かび上がる──
バックミラーでその灯を見た瞬間、ちょっと誇らしくなる。
──光を変えると、走る時間そのものが楽しくなる。
電装アクセサリー──“便利”の先にある快感
ライトの次は、車内の“快適系カスタム”だ。
ナビ、ドラレコ、USB電源、ワイヤレス充電器。
どれもあると便利。でも本当の楽しさは、「自分仕様に整える」こと。
スズキ純正のUSBソケットは純正デザインに溶け込んでいて、まるで最初からそこにあったよう。
アフターパーツならカーメイトやセイワがノマド専用設計を出している。
取り付けた瞬間、「うん、これで完璧だ」と思える仕上がりだ。
夜のドライブ中、計器類の光がほんのり照らす。
お気に入りの電装を組み込んだ車内は、それだけで満足感が違う。
それがノマド流の“機能美”だ。
──電装もデザインの一部。使うたびに気分が上がる、それが理想。
参考:
カスタムワゴン|ジムニー ノマド LED&電装パーツ特集
Valenti 公式サイト
IPF 公式サイト
第7章|おすすめブランド&パーツリスト──“美しき無骨”を形にする

ジムニー・ノマドを手に入れたら、次にやりたくなるのがカスタム。
でも、どこから手をつけるか迷う人も多いはず。
安心してください。僕も最初はそうでした。
ただひとつ確かなのは──「パーツ選びでノマドの性格が変わる」ということ。
グリルひとつ、サスペンションひとつで、表情も走りも別物になる。
だからこそ、ブランドの“思想”を知るのが面白い。
ここでは、ノマドを本気で楽しむための“間違いない5ブランド”を紹介します。
① APIO(アピオ)──“日本ジムニー界の職人魂”がここにある
神奈川県藤沢市のガレージから生まれたAPIO。
ジムニー好きなら誰もが一度は名前を聞いたことがあるはず。
現場の声を聞きながら、半世紀以上ジムニーを作り込んできた本物の職人集団だ。
彼らの代表作「WILD BOAR」シリーズは、強度もデザインも抜群。
実際に山道を走ってみると、その作りの丁寧さに感動する。
「TAKUMIサスペンション」は街乗りでも驚くほど乗り心地がいい。
無骨だけど、どこか上品。まさに“日本のジムニー文化”を体現している。
──アピオのパーツは、作り手の手の温度が伝わる。
おすすめ:
・TAKUMIサスペンションキット
・WILD BOARバンパーセット
・トレイルメイト・リカバリーフック
② DAMD(ダムド)──「デザインで感情を動かす」唯一無二の存在
DAMDのパーツを初めて見たとき、多くの人が「うわ、カッコいい」と素直に声を漏らす。
それくらい造形にセンスがある。
彼らはジムニーを“道具”ではなく、“作品”として仕上げてくる。
代表作の「little G.」「little D.」は、もう説明不要の名作。
ノマドに装着すれば、まるでクラシックSUVが現代に蘇ったよう。
ガレージで完成した姿を見た瞬間、誰もが笑顔になる。
それほど“ワクワクする美しさ”を持っている。
──DAMDは、クルマを「感情のデザイン」に変える。
おすすめ:
・little G.フロントバンパー&グリル
・ヴィンテージスタイルLEDライトユニット
・クラシック・エンブレムセット
③ JAOS(ジャオス)──“走破性と信頼性”を追求する王道ブランド
オフロードの世界で“信頼”という言葉が最も似合うのがJAOS。
海外ラリーや過酷なテストを経て作られるパーツは、とにかくタフ。
「BATTLEZシリーズ」はその名の通り戦う足回り。
剛性、耐久性、そして見た目のカッコよさ、すべてがハイレベル。
ノマドを「道具」から「本物の冒険車」に変えるのは、こういうブランドだ。
──強さに美学を。これがJAOSの流儀。
おすすめ:
・BATTLEZ リフトアップスプリングセット
・JAOS スキッドプレートⅢ
・オーバーフェンダータイプX
④ MASTERPIECE(マスターピース)──“素材で魅せる大人のノマド”
内装にこだわる人ならここ。
MASTERPIECEは、素材そのものの美しさで勝負するブランド。
触った瞬間に「うわ、いいな」と思える質感がある。
レザーやウッドの仕上げが絶妙で、見た目だけでなく触感まで楽しい。
ジムニーの無骨さに、ほんの少し上品さを足したい人にぴったり。
──シンプルなのに印象に残る。それがマスターピースの魔法。
おすすめ:
・レザーステアリングカバー(ブラウン/ブラック)
・ウッドシフトノブ
・アルミペダルプレートセット
⑤ Valenti(ヴァレンティ)──“光で個性を描く”エモーショナルブランド
ライトといえばValenti。
点灯した瞬間に「おおっ!」と声が出るほど、光の演出がうまい。
明るいだけじゃなく、光の“質感”が違う。
特に「ジュエルLEDシリーズ」はノマドにもベストマッチ。
テールランプの輝きやウインカーの点滅スピードまで、
「どう見せたいか」をデザインしているのがわかる。
夜のドライブでバックミラー越しに映るその灯り。
ちょっとニヤける。これがValentiの魔力だ。
──光で語るカスタム。それがヴァレンティの世界。
おすすめ:
・ジュエルLEDテールランプ(スモークタイプ)
・LEDフォグランプユニット
・ルームランプフルセット
どのブランドも方向性は違うけれど、共通しているのは「ジムニーをもっと楽しくする情熱」。
カスタムは“作業”じゃない。ワクワクを形にする時間だ。
ガレージでパーツを手にした瞬間、きっとあなたも笑顔になる。
そして取り付けたあと、走り出したノマドを見てもう一度笑う。
それが、この世界にハマる一番の理由だ。
──パーツは鉄じゃない。ワクワクを作る“魔法のピース”だ。
第8章|ジムニー・ノマドと生きる──“カスタム”という自己表現

ジムニー・ノマドに乗るようになって、人生のテンポが少し変わった。
朝早く起きて、まだ人気のない峠道をゆっくり登る。
エンジンが温まり、メーターの針が安定するあの瞬間に「今日も行ける」と思える。
ノマドのボンネットに朝日が当たると、塗装の金属粒がキラッと光る。
それを見るたび、「あぁ、この車にして良かったな」と心から思う。
この車には、不思議と人の気持ちを前に向かせる力がある。
カスタムも同じ。
単に見た目を変える作業ではなく、“自分の気分を形にする行為”だ。
グリルを変える、ルーフラックを載せる、ステアリングを替える──
そのどれもが「自分はこう生きたい」というメッセージになっていく。
気づけば、パーツを選ぶ時間が一番楽しい。
あれもいい、これもいいと悩む時間さえ、もう立派な“旅”の一部だ。
“パーツを選ぶ”とは、“生き方を選ぶ”こと
ノマドの魅力は、誰がどういじっても「その人らしさ」が出ること。
ある人はオフロード仕様で泥だらけに、
またある人は街乗りスタイルでピカピカに。
どちらも正解。
大事なのは「自分がワクワクできるか」だけ。
カスタムって、実はすごくパーソナルな世界なんです。
僕自身も、取材を重ねるたびにオーナーたちの生き方がにじみ出ているのを感じる。
ステアリングの選び方ひとつに、性格が出る。
そのくらい、車は正直だ。
──パーツを選ぶのは、自分の“今”を選ぶこと。
完成したノマドを眺めながら、次のカスタムを考える。
その繰り返しこそ、この車の面白さ。
終わりがないから、ずっと楽しい。
最後に──ノマドという生き方
ノマド=放浪者。だけど、僕にとっては「自由に動ける人」という意味のほうがしっくりくる。
ジムニー・ノマドを通して学んだのは、“好きなことを、好きなように続けていいんだ”ということ。
周りに合わせる必要も、正解を探す必要もない。
自分が気持ちいいと思える道を、自分のスピードで走ればいい。
ガレージに戻ってノマドのドアを閉めたとき、
ふと「今日もいい時間だったな」と思える。
その瞬間が、カスタムを続けてきた中で一番幸せかもしれない。
いつか、あなたのノマドも、あなた自身を映す鏡になるだろう。
その形、その色、その傷。全部が“あなたの軌跡”だ。
──ノマドと生きる。それは、“好き”を積み重ねていく人生だ。
FAQ|ジムニー・ノマド カスタムに関するよくある質問
- Q1. ジムニー・ノマドと通常のジムニー(3ドア)のカスタムパーツは共通ですか?
- よくある質問ですが、「ほぼ共通、でも完全じゃない」というのが答えです。
ベース構造は同じですが、ノマドは5ドア化でホイールベースが長くなっています。
そのため、サイドステップやルーフラックなどは専用設計が必要になります。一方で、グリルやホイール、ライト系などは3ドア用を流用できるケースも多い。
実際に試すと、「このパーツ、ノマドにも似合うじゃん!」という発見があったりします。──“使えるか”より“似合うか”。それがノマド流の判断基準。
- Q2. リフトアップしても車検に通りますか?
- はい、条件を守れば問題ありません。
日本の保安基準では、40mm以内のリフトアップなら構造変更なしでOK。
それ以上は構造変更検査(車検証の記載変更)が必要になります。おすすめは、信頼できるショップに相談しながら“保安基準適合パーツ”で組むこと。
車高を上げるより、バランスを整える感覚でカスタムすると走りも見た目も安定します。参考:Response.jp|ジムニー・ノマド 走行特性レビュー
──リフトアップは「高さ」じゃなく、「フィーリング」で決めよう。
- Q3. ノマド専用パーツはどこで購入できますか?
- 純正アクセサリーは全国のスズキディーラーで購入可能です。
でも、本気で楽しむならアフターパーツの世界へ!以下のブランド公式ストアは、品質・デザイン・信頼度の三拍子がそろっています。・APIO(アピオ)公式
・DAMD 公式
・カスタムワゴン買う瞬間から、もうワクワクが始まっています。
届いた箱を開けた瞬間の“あの感じ”、たまりません。──パーツを選ぶのは、思想を選ぶのと同じ。
- Q4. DIYでの取り付けは難しいですか?
- 正直、やってみると意外と楽しいです。
グリル、フェンダー、内装パネルなどはDIYでも十分チャレンジ可能。
マットやシートカバーは休日の午前中で完了するレベルです。ただし、電装やサスペンションは別。
ここはトルク管理と安全性が重要なので、信頼できるショップに任せるのがベスト。自分でやっても、人に頼んでも、完成したときの喜びは同じです。
「おお、変わった!」って思えた瞬間、それがもう最高。──“自分で触る”も、“人に任せる”も、どちらも愛の形。
- Q5. ノマドのカスタム予算はどれくらいが目安ですか?
- 予算感はスタイルによってかなり変わります。
- ライト・アウトドア仕様:10〜20万円(グリル・マット・ラック)
- スタイリング重視仕様:30〜50万円(DAMD/APIO製キット中心)
- 本格オフロード仕様:70万円〜(リフトアップ・タイヤ・足まわり)
正直、どの金額帯でも十分楽しめます。
大事なのは、「この一台で何を感じたいか」を決めること。カスタム費用は浪費じゃない。
見たい景色へのチケット代みたいなものです。──カスタムは“支出”じゃなく、“記憶への投資”。
- Q6. カスタムで注意すべきポイントは?
- ここは大事なポイント。
・重量増による燃費・ハンドリングの変化を想定すること
・LED/電装品は防水・電圧管理をしっかり行うこと
・純正保証の範囲を必ず確認することそして何より、カスタムの目的を“見せる”より“楽しむ”にすること。
そうすれば、どんな選択も正解になる。──美しいノマドは、心のバランスから生まれる。

